銀行・資本市場は、経済成長を可能にし、経済におけるあらゆるセクターを下支えする上で、基盤的な役割を果たしている。銀行・資本市場セクターは資本の配分を通じ、環境、社会、ガバナンスの面において、広範囲にわたる負の影響に結びつく可能性がある。これに対応するため、政策立案者、スタンダード策定者、金融サービス提供者は、責任ある企業行動(Responsible Business Conduct、「RBC」)のためのリスクベースのデュー・ディリジェンスに関連するものを含め、持続可能性と責任ある投融資の実践、枠組み、方針を多岐にわたり策定してきた。本ケース・スタディでは、銀行・資本市場に関連する重大な影響、ならびにRBCに関する国際基準に沿ってそうした影響に対処する上での課題と機会について考察する1。本ケース・スタディの対象となるのは、銀行・資本市場に関与し、関連リスクへのエクスポージャーを把握しようとしている企業、ならびに同セクターにおける効果的なデュー・ディリジェンス推進の機会について理解を深めようとしている政策立案者やステークホルダーである。
責任ある銀行・資本市場のためのデュー・ディリジェンスの要点
要旨
銀行・資本市場の主な特徴
Copy link to 銀行・資本市場の主な特徴市場の概況
Copy link to 市場の概況金融システム全体に見られる共通の特徴と相互関連性
銀行および資本市場の両セクターにおいて、銀行や資産運用会社、資産保有者、年金基金は、個人、家計、企業、政府に対し、幅広い金融商品やサービスを提供している。これにより、経済主体は、財やサービスと引き換えに迅速かつ低コストで資金を移動させ、財務リスクをより適切に管理することが可能となる。また、金融機関は、個人(貯蓄者、年金加入者、保険契約者、納税者、投資家など)の金融資源を、経済活動を活性化させる生産的な用途へと導く役割も果たしている。その見返りとして、投資された資産の価値上昇や、それに伴う利益・配当は、最終的な資産保有者に利益をもたらすと期待される一方で、金融仲介機関の運営と収益性も支えることになる。このような資本の流れと、金融主体の相互に関連した役割を図1に示す。
銀行・資本市場セクターの金融サービス提供者は、それぞれ類似した事業モデルを有している。いずれも管理すべき資産と負債を抱えており、顧客、保険契約者、あるいは受益者に対する義務を負っている。銀行や一部の年金基金の場合、顧客の選定やサービス提供の方法について一定の裁量権を有している。資産面においても、金融的価値を最大化する方法で資本を配分し、適切に運用する責任を負っている。
銀行および資本市場は、金融セクターにおいて相互に関連し合う機能である。多くの場合、資産保有者は投資コンサルタントから助言を受け、投資判断のサポートを受ける対価として報酬を支払う。また、資産保有者は銀行や保険会社にも投資を行う。銀行や保険会社はそれぞれ、リスクの管理や軽減に役立てるために預金や保険料を受け入れるだけでなく、これらの資源を集約し、経済に資金供給している。同様に、商業銀行、輸出信用機関、開発金融機関は、プロジェクトベースの金融取引や同様のインフラ・ファイナンスにおいて、シンジケート・ローンに関与している可能性がある。そして、ブレンデッド・ファイナンスは、開発途上国における持続可能な発展に向けた追加資金の流通のために開発金融を戦略的に活用する手法と定義され、開発金融機関や、機関投資家を含むさまざまな商業主体からの資源をプールすることを目的としている (OECD, 2025[1])。
銀行・資本市場セクターにおいて、地理的な集中が顕著な特徴となっている。2025年時点で、世界トップ10の銀行のうち9行は、米国または中華人民共和国(以下「中国」)に本社を置いている(US Federal Reserve, 2025[2])。資本市場に関しては、近年、世界の株式時価総額の約60%を米国が占めており、次点の中国はわずか約10%にとどまっている。世界有数の株価指数であるS&P 500ダウ・ジョーンズ指数構成銘柄の約70%、および全世界の株式の27%を米国企業が占めている(Federal Reserve Bank of St. Louis, n.d.[3])。
セクター別の市場参加者
銀行セクター
大まかに言えば、銀行業とは、預金の受入れ、信用の供与、および顧客に対する(通常は顧客自身による消費や投資を目的とした)その他の金融仲介サービス提供の認可を受けた機関による金融サービスおよび活動を指す。銀行セクターには、リテール銀行、商業銀行、投資銀行、開発銀行、および中央銀行が含まれる。各銀行は、より広範な金融セクターの中で独自の役割を果たしており、さまざまな層の顧客に対して、時に重複するものの、それぞれ特有の金融商品やツールを提供している。銀行サービスへのアクセスは、市場の正式化に不可欠な要素であり、銀行が提供する金融サービスは、資本の流れや取引を可能にすることで、経済成長を促進し、経済を安定させ、富の創出を牽引する。
多くの銀行は機能が重複しているが、対象とする顧客層に基づいて大別できる。
リテール銀行は、一般市民や企業に対して基本的な金融サービスを提供する。リテール銀行の金融サービスには、当座預金や普通預金、個人向けローン、住宅ローンや事業用ローンなどが含まれる。
商業銀行は、主に企業向けの金融サービスに重点を置いている。商業銀行が通常提供する金融サービスの例としては、融資、与信枠、キャッシュ・マネジメント、および企業の財務管理機能などが挙げられる。商業銀行は、農業、建設、不動産、インフラなどの特定のセクターに特化している場合があり、協同組合として組織されていることもある。
投資銀行は、企業が他の金融機関から資金調達を行えるよう支援することで、資本市場における仲介役を果たす。投資銀行は、証券引受や機関投資家からの資金調達(株式または債務のいずれか)など、より専門的なサービスを提供する。
こうした一般市民や企業向けの主要な銀行に加え、経済における特定のニーズに応える専門的な銀行も数多く存在する。例えば、開発金融機関は、新興経済国における経済発展のための長期投資を支援している。開発銀行には、多国間開発金融機関(複数の国が所有・運営)や二国間開発金融機関(公的開発銀行として一国が所有・運営)があり、さらに特定の地域(アジアやアフリカなど)に重点を置く場合もあれば、個々の国において、地域経済の発展を支援するために活動する場合もある。
輸出信用機関とは、輸出業者にかかるリスクの一部を引き受けることで、国内の輸出を促進し、国際貿易を支援する政府機関または半官半民の機関である。輸出信用機関は、融資保証、信用保険、および直接融資を通じて輸出業者を支援している。
図1. 金融システムにおける資本の流れ
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出所:WBA「Financial System Transformation」に掲載されたグラフに基づく。
最後に、中央銀行は、通貨の発行と金融システムの安定維持を担う国家機関である。中央銀行は、金融政策を策定・実施し、有価証券の売買や融資を通じて、インフレや経済全体の変動を制御する不可欠な役割を果たしている。場合によっては、中央銀行が投資活動を行うこともある。
銀行の規模は、資産が1億米ドル未満の小規模な地方のリテール銀行から、しばしばリテール、商業、投資の各機能を兼ね備え、数兆米ドルの資産を有するグローバル企業に至るまで多岐にわたる。多くの銀行は、その主活動を補完する特定の子会社を有している。例えば、大手のリテール銀行や商業銀行は、資産管理、投資、または保険部門の子会社を持ち、投資銀行や資産運用会社は、運用やトレーディング部門の子会社に加え、海外支店も有している場合が多い。また、開発銀行は、インフラ、教育、気候ファイナンスなど特定の分野に特化した子会社を有している(Cerutti, Dell’Ariccia and Martínez Pería, 2005[4])。組織的な観点から言えば、銀行が海外支店を開設するか、あるいは子会社を設立するかは、進出先の国における経済的・政治的リスク、規制、および税制によって決まる(OECD, 2017[5])。
資本市場と機関投資家
企業による資金調達や家計の貯蓄管理を可能にするという点で、資本市場は経済にとって極めて重要である。また、企業部門による銀行融資の利用を補完する市場ベースの資金調達を提供することで、金融の安定を支えている。「資本市場」とは、さまざまな種類の金融商品が売買・取引される場を指す。株式、債務、デリバティブを含む資本市場は、投資のための流動性を生み出すことで、経済成長と富の創出にとって重要な役割を果たしている。資本市場を通じて、多様な経済主体がさまざまな株式や債務証券の取引を行っている。株式市場とは、企業の株式が発行・取引される場であり、企業は持ち株と引き換えに資本を調達する。
債券市場では、債券やその他の債務証券が政府や企業によって発行され、それにより、これらの行動主体は債券保有者から長期にわたって資本金を借り入れることができる。社債市場は、2008年の金融危機以降、特に非金融企業にとって、ますます重要な資金調達源となっている。この市場により、企業は資金調達源を多様化し、銀行融資への依存度を低減することが可能となる。また、債券は公開市場において政府によっても発行され、さまざまな公共支出や公共サービスの財源として活用されている。投資適格債(すなわち、発行企業の信用格付けが高い債券)は、証券会社、債券取引プラットフォーム、投資ファンドを通じて、あるいは企業や政府から直接購入できる。場合によっては、企業は投資適格債かハイ・イールド債のいずれかを発行する。投資適格債は、株式と組み合わせて「投資信託」と呼ばれる分散型資産ポートフォリオに組み込まれることが多く、その後、ファンド・マネージャや証券会社によって専門的に運用される。
デリバティブ市場では、先物、オプション、先渡、スワップといった形で売買が行われる。株式や債券は一般的にデリバティブ市場の原資産となっており、コモディティなど、その他の金融商品や資産も含まれることがある。資本市場セクターでは、資産運用会社からベンチャー・キャピタリストに至るまで、機関投資家が参入し、資金を集めて利益を拡大している。デリバティブ市場では、株式、債券からコモディティなど幅広い資産を対象とした契約が、先物、オプション、先渡、スワップの形で取引される。場合によっては、これらの取引は既存の取引所で行われることもあれば、証券会社や投資機関の仲介のもと、当事者間でカスタマイズされた契約として店頭取引(Over The Counter)で行われることもある。デリバティブ市場では、投資家はヘッジ取引、投機的取引、裁定取引を行うことができる。取引所取引デリバティブや一部の店頭取引は、取引におけるカウンターパーティ・リスクを軽減する組織である清算機関によって決済される。
機関投資家は、資本市場における主要な行動主体である。機関投資家の一部は資産保有者である。資産保有者は受益者に代わって資産を管理し、資産運用会社を通じて直接的または間接的に投資を行う。受益者の長期的な利益のために資産を運用することは、受託者としての責任である。こうした責務は、資産配分活動(さまざまな資産クラス、地域、業種への投資選定など)や株式所有戦略(議決権行使やエンゲージメントなど)として具体化される。投資コンサルタントは、投資意思決定プロセス全般において資産保有者を支援する。一部の投資コンサルタントは通常、「アウトソースChief Investment Officer」としての役割を遂行し、それを通じて顧客に代わって資産を運用する裁量権を持つ。これにより、当該コンサルタントは、運用する資産の保有者である資産保有者と同等の受託者責任を負うことになる。エンダウメント・ファンドや主権国家資産ファンドは、一般的に資産保有者として分類される。
資産運用会社は多岐にわたる資産を運用しており、通常、さまざまな資産保有者から集めた資金を商品(投資ファンドやその他の投資手段)に組み入れている。資産運用会社の種類は多岐にわたり、対象とする顧客層、資産クラス、投資期間、および投資地域によって分類される。資産運用会社には、投資信託、ヘッジ・ファンド、プライベート・エクイティ・ファーム、ベンチャー・キャピタル(VC)ファームなどが含まれる。独立した投資会社である場合もあれば、金融機関の子会社である場合もある。VCは、多くの場合、VC専門の会社を通じて、ハイリスクかつ高い成長ポテンシャルを持つ創業初期の企業に投資される。資産運用会社は、提供する商品に応じて、幅広い顧客層の獲得を目指しており、多くの場合、商品内容をカスタマイズしている。大規模に事業を展開する資産運用会社の場合、その商品内容が経済の方向性に影響を与えることもある。
保険会社は投資家としての側面も持ち、2020年時点で保険資産総額は36兆米ドルを超えている。保険会社は、保険契約者から支払われた保険料をプールし、それを経済に投資することで、満期を迎えたり保険金請求が発生したりした際の支払いに充てる十分な資金を確保するとともに、利益を上げることを目指している。また、多くの保険会社は、自社の資産運用部門を通じて外部の顧客にもサービスを提供している。
Fintech(フィンテック)
「Fintech(フィンテック)」 (金融(Finance)と技術(Technology)を組み合わせた造語)企業は、決済、融資、パーソナル・ファイナンスから暗号通貨やブロックチェーンに至るまで、あらゆる分野にデジタル・ソリューションを導入することで、過去数十年にわたり金融サービスを一新してきた。2021年時点で、ベンチャー・キャピタルの約20%がFintech(フィンテック)分野に投じられた。B2B(Business-to-Business)およびBaaS(Banking-as-a-Service)型のFintech(フィンテック)ソリューションは、多くの場合、サードパーティの販売業者を通じて、デジタル決済方法やその他の銀行商品を提供している。これらのソリューションの代表的な例としては、一般的な「後払い決済(Buy Now, Pay Later)」プラン、顧客の口座から直接代金を引き落とすアプリを利用した無人レジでの買い物、店舗で購入した商品に対する店頭融資融資(POSローン)などが挙げられる。通常、これらのツールの顧客対応窓口となるのは非銀行系企業であり、銀行との舞台裏での取決めを通じて運営されている。
規制機関および非規制機関
中央銀行は、銀行セクターにとって重要な規制機関としての役割を果たしている(ただし、国によっては銀行監督は別の銀行監督当局によって行われている場合もある)。中央銀行は市場原理に基づかない機関であり、通常は独立した機関として、金融政策の策定や加盟銀行の規制を担当している。加盟銀行への規制には、資本要件、支払準備制度、預金保険制度などの手段が用いられる。また、国内の銀行や政府に対して融資やサービスを提供し、外貨準備を管理している。
証券規制当局および金融市場当局は、金融市場の監督、株式、債券、デリバティブのコンプライアンスに則った取引の確保、ならびに不正行為の防止を通じて、資本市場のエコシステムにおいて重要な役割を果たしている。特に証券規制当局は、市場で取引される証券に関する情報の悪用を防止し、市場の安定と成長を促進する公正かつ透明性の高い金融市場慣行を実現することに注力している。また、規制当局は企業の新規株式公開(Initial Public Offer、「IPO」)を監視し、証券取引所の運営を監督するとともに、市場参加者間の資本の流れを規制している。中央銀行と証券規制当局の双方は、規制対象機関による財務的および非財務的なリスクや影響の管理・開示に関して、義務的な枠組みや任意の枠組みを策定できる。さらに、多くの法域において、証券取引所は準規制的な役割を果たしており、上場要件や開示基準を設定することで、立法上の義務を効果的に補完、あるいは代替している。
信用格付機関に加え、近年ではESG評価機関も、資本市場において重要な役割を果たしている。これらの機関は、企業や国の信用力、ならびにサステナビリティ要因に対するエクスポージャーや影響に関して、貸し手や投資家と発行体との間に存在する情報の非対称性を軽減することに貢献している。実際には、信用格付けの低い発行体は、信用格付けの高い発行体に比べて、より大きなリスク・プレミアムを反映した高い金利を負担する。さらに、投機的格付債への投資を制限する国内規制があるため、格付けは、一部の機関投資家のポートフォリオにおいて債券その他の金融商品の組入れ適格性を決定する要因となっている (UNCTAD, 2008[6])。
ESG格付けおよびスコアは、環境、社会、ガバナンスの各要素に関連する影響、リスク、機会を管理する企業の能力を含め、これらの要素へのエクスポージャーや影響を評価することで、インデックスという文脈における企業、資産、または金融商品のパフォーマンスに関する見解を提供することを目的としている。ESG格付け機関には、ESGスコアの判定に役立つサステナビリティ指標や情報を明示的または黙示的に提供する開示に基づき、株式および債券発行体の評価を行っている企業が含まれる。一部の格付けは、企業発行体から提供された、あるいは他の業界データソースから取得された識別済み定量データに基づき、多数のサブカテゴリ指標を重み付けしたものに基づき算出されている。
多くの格付け機関は、同時にインデックス・プロバイダでもある。これらのインデックス・プロバイダは、さまざまな形式のベンチマークを提供しており、これによってパッシブ投資やアクティブ投資向けのファンド商品が開発されるほか、ポートフォリオ・マネージャがリスク調整後リターンの超過収益を生み出す能力を比較する際のベンチマークとしても活用されている。このような指数の利用は急速に拡大しており、ESGの要素を組み入れたさまざまな市場ポートフォリオの相対的なパフォーマンスを追跡する手段として活用されている。また、機関投資家はこれらの指数をベンチマークとして投資パフォーマンスを評価することができる。また、こうしたインデックスは、ESGファンドやETFによるパッシブ運用およびアクティブ運用にも活用されている。ESG投資のベンチマークとしてのインデックス利用が拡大していることに伴い、除外基準、ESGスコアの高い発行体へのポートフォリオの傾斜度、テーマ型インデックス(例:「S」スコアの高い発行体)などその他の形式を含むインデックスの構築方法は、現在、ESGポートフォリオ全体の運用方針を決定する上で極めて大きな影響力を持っている。
当該セクターに関連する顕著な影響
Copy link to 当該セクターに関連する顕著な影響有害な活動への資金提供および投資に結びつく影響
Copy link to 有害な活動への資金提供および投資に結びつく影響銀行・資本市場セクターは、実体経済の他の分野に対する主要な資金源として、投資や資金提供を行う活動に関連する、幅広い環境・社会・ガバナンス面でのリスクや影響に関与する可能性がある。銀行や投資家は、多くの場合、多種多様な企業への投資を行っている。金融機関の場合、そのポートフォリオは市場全体を反映している可能性がある。その結果、金融機関は自らの金融・投資活動を通じて、多岐にわたる負の影響に直接結びつく可能性があり、デュー・ディリジェンスの取組みにおいて重点を置くべき分野を慎重に優先順位付けする必要がある。
資金調達手法や資産クラスによっては、特定の影響が生じる可能性が高くなる場合がある。例えば、大規模なインフラや土地開発プロジェクトに関連するプロジェクト・ファイナンス取引やアセット・ファイナンス取引は、環境や社会への影響が甚大であり、土地利用の変化を伴うプロジェクトと関連していることが多々ある。こうした投資は、特に、このような侵害行為に対する救済手段が制限されているか、あるいは存在しない国々において、または先住民の土地付近でのプロジェクトへの資金提供を行う場合において、土地の権利、立退き、強制移住といった問題と結びつく可能性が高くなる。外部資金を調達する大規模プロジェクト、特に独裁国家で実施されるもの、国有企業によって行われるもの、あるいは政治的コネを持つ個人によって監督されるものにおいては、汚職が蔓延している。一部のリスクは、ベンチャーキャピタル(VC)分野において特に深刻となる可能性がある。VCは、規制が十分に整備されていない新興技術企業にとって重要な資金供給源であるが、そうした企業の製品はイノベーションをもたらす可能性がある一方で、人権への潜在的な負の影響を伴うこともある。監視技術と生成人工知能(AI)技術は、懸念される2つの主要な分野である。
金融商品・サービスに結びつく影響
Copy link to 金融商品・サービスに結びつく影響特定の金融商品は、人権への負の影響と結びついてきた。例えば、2007年から2008年にかけての食料価格危機の際、穀物輸出などの農産物を対象としたデリバティブ商品へ投機が「食料バブル」、すなわち価格の急騰を直接的に助長し、規制当局や供給業者による連鎖反応を引き起こした。その結果、アフリカやアジアの商品取引所では先物取引が停止された。
同様に、金融に関する特定の慣行や戦略も、人権への負の影響や差別と結びついてきた。サブプライム住宅ローン危機に見られるように、個々のブローカーが、マイノリティの借り手を標的にし、長期にわたって返済できないような融資を勧めることがある。同様に、貸付機関全体が、人種、宗教、または性別を理由に、顧客への融資を拒否することもある。融資の承認や拒否がアルゴリズムによって行われるケースが増えるにつれ、金融モデルは差別を永続化させたり、悪化させたり、あるいは隠蔽したりする可能性がある(BSR, 2018[7])。データ侵害や顧客・従業員情報の悪用は、特に機微な金融情報が開示された場合、人権侵害につながる恐れがある。
銀行・資本市場セクターにおいて、不正行為もまた重大なリスクの1つである。不正行為にはさまざまな形態があり、株主や経済全体に影響を及ぼす可能性があるが、非公開の重要情報に基づいて株式、債券、その他の有価証券を不当に取引し、企業の株価に影響を与えるインサイダー取引は、その代表的な例である(New York Times, 2008[8])。
デュー・ディリジェンスにおける重要な考慮事項
Copy link to デュー・ディリジェンスにおける重要な考慮事項情報の不足や障壁
銀行や機関投資家は、ポートフォリオ内の数千もの顧客や投資先企業と関わりを持っていたり、投資や融資の提供を目的として幅広い企業を評価したりしているため、リスクの特定が困難になる場合がある。この課題は、特定のセクターや地域、あるいは中小企業における潜在的な情報不足によってさらに深刻化している。世界には推定8万社の多国籍企業が存在するが、環境・社会パフォーマンス報告書を公表しているのはそのうち約5,000から10,000社にとどまると推定される。負の影響に関する企業の開示は、依然として不均一で、部分的かつ偏っている。その結果、投資家は、ポートフォリオ内の企業がどのようなリスクに直面しているか、またそれらが適切に対処されているかどうかを十分に把握することが困難になる可能性がある。
さらに、持続可能性と責任ある投資市場の急速な成長に伴い、グリーンウォッシングや、金融商品の持続可能性に関する根拠のない主張が相次いでいる。いわゆる「グリーン」や「持続可能」と謳われる金融サービスの消費者は、そうした主張の現場から遠く離れているため、その正確性を評価するためのデュー・ディリジェンスを行うことは困難である。例えば大手資産運用会社の場合のように、銀行が「グリーン」や「持続可能」という主張を利用して、化石燃料への巨額の投資を隠蔽していることが判明した事例もある。また、研究により、消費者向けのESGに関する主張が、実際の影響やデータによって裏付けられていないことが明らかになった事例もある。
銀行・資本市場の分野において、バリューチェーン・デュー・ディリジェンスを妨げ得る関連性のある投資慣行として、ファイアウォール、すなわち企業内の部署や部門間で機密性の高い重要な情報が伝達されるのを防ぐために設けられた情報障壁の利用が挙げられる。ファイアウォールは、投資の実施中やIPOに向けた準備段階において、機密情報の不適切な開示を防ぐため、規制当局によって義務付けられている(European Securities and Markets Authority, 2015[9]; Yan, 2023[10])。コンプライアンスは、情報の流れを遮断することで機密性を確保し、インサイダー取引のリスクを低減するが、機関投資家企業内のファイアウォールは、投資に関する全体像を断片化させ、堅固なバリューチェーン・デュー・ディリジェンスの実施や、非財務リスクに対する包括的な検討を行う能力を制限することにもなる。
優先順位付け
ポートフォリオの規模が大きく多岐にわたる銀行や投資家にとって、投資先企業や顧客に生じうる負の影響の範囲は広範に及ぶ可能性があるため、その特定や優先順位付けは困難である。また、ポートフォリオは動的なものであり、保有資産の取得や売却に伴い頻繁に変化する可能性があるため、もともと困難な優先順位付け作業がさらに複雑になる。
ステークホルダーとのエンゲージメント
ステークホルダー、特に影響を受けるステークホルダーとの直接的なエンゲージメントは、銀行や投資家にとって一般的な慣行ではない。金融機関は通常、ステークホルダーとのエンゲージメントを直接の顧客や受益者に限定している。銀行は、顧客の機密情報保護へ配慮やロジスティック上の制約、さらには経営活動への介入に伴う法的リスクへの懸念から、顧客の行動によって影響を受けるステークホルダーとの直接的なエンゲージメントに制約を強いられる場合がある。
レバレッジ制限
リスクや影響が特定された場合、投資家や貸し手には、当該企業に対して影響力を行使し、いわゆるレバレッジを活用してリスクを軽減する責任がある。しかし、金融機関がレバレッジを行使する能力は、さまざまな要因の影響を受ける可能性がある。
マイノリティ出資:最大規模の機関投資家であっても、多くの企業においてはごく少数の少数株主に過ぎない場合がある。公開企業の場合、一部の国における企業の所有構造やコーポレート・ガバナンスの規則・慣行が、少数株主、特に外国人株主による影響力の行使を妨げる可能性がある。例えば、企業は株主に対して提供される情報や経営陣へのアクセスを制限することがある。株主全体が、企業の取締役会に対し特定の措置を講じるよう指示する正式な権限を持つのは、例外的な状況に限られる。
資産クラスによる制限:影響力を行使する能力は、資産クラスの特性によって制限される場合がある。例えば、社債や国債の投資家の場合、債券を発行した企業や政府に影響を与える機会は極めて限られている可能性がある。債券投資家は、債券発行時に融資契約に条件を盛り込み、企業が特定の種類の投資を行う能力を制限することがある。しかし、企業の日常的な行動に対して継続的な影響力を行使する能力は限られている。ソブリン債の場合、個々の債券保有者が政府に対して及ぼす影響力は、さらに限定的である。
パッシブ投資戦略:パッシブ投資運用会社は、インデックスから特定の企業を除外する際に顧客の同意を求める場合があり、その結果、投資家がデュー・ディリジェンスを行うことが困難になる可能性がある。2024年に約14兆米ドルの規模に達すると見込まれる上場投資信託(Exchange‑Traded Fund、「ETF」)は、その代表的な例である。ETFは、株式、債券、コモディティを組み合わせてリスクを分散させる多様な資産のバスケットであり、多くの場合、消費者向けの使いやすく低コストなアプリベースの金融サービスとしてパッケージ化されている。市場に出回っている多くのパッシブ投資商品は、ポートフォリオのパフォーマンスをリアルタイムで追跡するために自動的に管理・算出される、コンピュータ運用型インデックスである。しかし、パッシブ投資商品の設計上、デュー・ディリジェンスの懸念が生じた場合、分散化されたパッシブ投資に対してレバレッジを効かせたり、投資から撤退したりすることが難しくなる可能性がある。
融資実行後のレバレッジ:銀行がレバレッジを行使する能力は、一般的に金融サービスが実際に提供される前の方が高い。取引が完了すると、銀行のレバレッジは大幅に低下する可能性がある。
競争の激しいビジネス環境:競争の激しい市場において、銀行は顧客や見込み顧客に影響を与える能力に制限を課せられており、特定の情報や行動基準を要求した結果、顧客を失う恐れがある。これは、他の銀行がより緩やかな要件を設けている場合、取引の所要期間を延長させる要因となり得る。
独占禁止法および競争法上の課題
投資家や銀行は、リスク調整後リターンを保護・向上させるために、投資先の取締役会や経営陣に対して重要なサステナビリティ上の懸念を直接提起するなど、さまざまなスチュワードシップ(資産管理)手段を利用できる。株主権の行使に基づくものであり、受託者責任にも合致するこのようなエンゲージメントは広く実践されており、各法域において概ね認められている (OECD, 2025[11])。
とはいえ、各法域において適用される法的枠組みには特に注意を払う必要がある。一部の法域では、独占禁止法上の懸念や、投資判断を条件として共同で特定の事業行動を求めることへの懸念から、投資家や銀行が投資先企業の取締役会や経営陣に正式に「影響力を行使」することは認められていない場合がある。金融機関による共同的な取組みにより、顧客、セクター、または商品に関して共通の立ち位置が形成され、その結果、市場の選択肢の制限、参入障壁の引き上げ、あるいは価格設定モデルや将来の事業戦略といった競争上機密性の高い情報の共有につながると解釈される可能性がある場合、競争法および独占禁止法の遵守義務が特に重要となる。
透明性と機密保持のバランス
顧客の機密情報保護は、銀行・資本市場セクターにおいて極めて重要な要素である。多くの法域では、銀行には顧客の情報を秘密に保持する法的義務があることを認める法的枠組みが整備されている。この義務の範囲は国によって大きく異なる場合があり、銀行と顧客の関係を規律する法律によって変動する。こうした義務が存在する場合、銀行の顧客情報保護義務は、一般的に単なる財務情報(顧客の口座の状況など)にとどまらず、その取引関係の過程で受け取ったあらゆる情報にまで及ぶ。また、顧客との関係そのものの存在についても、機密保持が求められる場合がある。この義務は通常、見込み顧客に関する情報にも適用され、顧客関係が終了した後も継続する場合がある。さらに、防衛産業などの特定のセクターでは、企業が政府との間で厳格な機密保持契約を締結して事業を行っているため、投資家がデュー・ディリジェンスを行う際にアクセスできる情報の量が制限されるという制約が生じる。
銀行は顧客に対して守秘義務を負っており、これは顧客の利益を保護することを目的としている。つまり、一般的に、顧客は自身の情報に関する守秘義務の権利を放棄できる。したがって、顧客の機密情報保護に関する制約に対処する1つの方策として、(理想的には取引関係の開始時に)特定の情報(例えば、銀行との取引関係の存在など)を開示することについて、顧客の同意を得ることが挙げられる。
銀行・資本市場セクターにおいてデュー・ディリジェンスを実施する上で課題はあるものの、従来から財務リスクの観点で行われてきたリスク管理は、同セクターの中核をなすものである。したがって、金融セクターの行動主体は豊富な経験を有しており、ESGに関するリスクや影響をより広範に考慮するようデュー・ディリジェンスを拡大する上で、適した立場にある。
デュー・ディリジェンスに関する既存の慣行
金融セクターでは、金融またはコンプライアンスに基づくデュー・ディリジェンスの実施が深く定着している。既存の金融関連規制や市場慣行により、リスクと影響を特定する文化が醸成されてきた。従来、銀行、資産運用会社、保険会社、機関投資家などの金融機関は、顧客、取引相手、および投資先企業の信用力、財務健全性、運営の持続可能性を評価するために、財務上、法務上のデュー・ディリジェンスに依存してきた。投資家からの期待の高まりや市場環境の変化を受けて、デュー・ディリジェンスの対象範囲は従来の財務的リスクを超え、ESG要因を含むものへと拡大してきた。今日では、ESG要因は財務上のパフォーマンスや長期的な企業価値の創出に重要な影響を及ぼす要素として広く認識されている。ESGデュー・ディリジェンスにより、金融主体は、資産、取引相手、またはサプライチェーンの価値や安定性に影響を及ぼす可能性のあるサステナビリティ関連のリスクを特定し、管理することが可能となる。その結果、金融セクターにおけるデュー・ディリジェンスのプロセスは、もはや財務指標のみに限定されるものではなく、財務的および非財務的なリスクと影響の両方を評価する方向へとますますシフトしており、金融主体は責任ある事業活動と持続可能な発展の重要な推進役としての地位を確立している。
新たな国際基準に沿った投資家によるスチュワードシップは、銀行・資本市場セクターにおけるデュー・ディリジェンスの環境を向上させるもう1つの手法である。国連責任投資原則(UN Principles for Responsible Investment、「UNPRI」)は、スチュワードシップを、投資家の権利と影響力を活用して、顧客や受益者が依存する共通の経済的・社会的・環境的資産を含め、顧客および受益者のための長期的な総合的価値を保護・向上させることと定義している。スチュワードシップは、受託者責任の枠組みを拡大し、資産運用においてESGへの影響を考慮するとともに、投資の財務状況に負の影響を及ぼす前にリスクを把握し対処するため、バリューチェーン・デュー・ディリジェンスを実施するものである (CFA Institute/Global Sustainable Investment Alliance/Principles for Responsible Investment, 2023[12])。投資家によるスチュワードシップの実践は、OECDコーポレート・ガバナンス原則のような法的拘束力を持たない指針や、一部の規制上の期待にも反映されている。
サステナブル・ファイナンスの発展
近年、ますます多くの機関投資家やファンドがさまざまなESG投資アプローチを取り入れるにつれ、サステナブル・ファイナンスの形態は急速に拡大しており、世界のESG関連資産は2030年には40兆米ドルを超える見通しである(Bloomberg, 2024[13])。ESG要素に対する投資家の関心の高まりは、環境、社会、コーポレート・ガバナンスに関する問題(リスクや機会を含む)が発行体の長期的なパフォーマンスに影響を与える可能性があり、それゆえ投資判断において適切に考慮されるべきであるという見解を反映している。こうした需要の高まりを受け、金融業界ではESG格付け、インデックス、ファンドに関連する商品やサービスが次々と生み出されている。ESG格付け機関を名乗る企業も急増している。ESGインデックス、株式・債券ファンド、ETFの数はすでに数百に上り、その数は増え続けている(OECD, 2020[14])。
サステナブル・ファイナンスは、2015年のパリ協定の採択と、その中での気候変動対策に向けたグリーン・ファイナンスの重視、および2016年の気候関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-Related Financial Disclosure)の設立を契機に、特に気候への影響に焦点を当ててきた(World Business Council for Sustainable Development (WBCSD), n.d.[15])。消費者、投資家、規制当局からの高まる需要に応えるため、サステナブル・ファイナンスには多様な行動主体が関与しており、銀行・資本市場セクター全体で消費者に持続可能な金融商品を提供している。その規模は、特定の使命を掲げる消費者向け銀行から、セクター横断的なマルチステークホルダーによる取り組みまで、多岐にわたる。こうした取組みを通じて、主要な金融機関が結束して、銀行・資本市場セクターにおける脱炭素化の促進とパリ協定の達成を支援している。
OECD関連資料
Copy link to OECD関連資料OECDは、金融セクターにおいてデュー・ディリジェンスを実施する企業を支援するため、セクター別のデュー・ディリジェンス・ガイダンス、より広範かつセクター横断的な資料、および気候への影響に関するテーマ別資料など、さまざまな資料を作成している。
Responsible Business Conduct for Institutional Investors (機関投資家の責任ある企業行動).
Due Diligence for Responsible Corporate Lending and Securities Underwriting (責任ある企業融資と証券引受のためのデュー・ディリジェンス)
Responsible Business Conduct Due Diligence for Project and Asset Finance Transactions (責任ある企業行動:プロジェクトおよびアセット・ファイナンスのためのデュー・ディリジェンス)
Managing Climate Risks and Impacts Through Due Diligence for Responsible Business Conduct (責任ある企業行動のためのデュー・ディリジェンスを通じた気候変動リスクと気候への影響の管理)
セクター横断的な資料:
OECD Due Diligence Guidance for Responsible Business Conduct (責任ある企業行動のためのOECDデュー・ディリジェンス・ガイダンス)
OECD Guidelines for Multinational Enterprises on Responsible Business Conduct (OECD責任ある企業行動に関する多国籍企業行動指針)
OECD e-learning Academy on Responsible Business Conduct (OECD責任ある企業行動に関するe-learning academy)
その他の関連資料
G20/OECD Principles of Corporate Governance 2023 (G20/OECDコーポレート・ガバナンス原則2023)
Global Corporate Sustainability Report 2025 (グローバル・コーポレート・サステナビリティ・レポート2025)
Behind ESG ratings: Unpacking sustainability metrics (ESG格付けの舞台裏:サステナビリティ指標の解説)
Institutional Investor Engagement and Stewardship(機関投資家:エンゲージメントとスチュワードシップ)
参考文献
[13] Bloomberg (2024), Global ESG assets predicted to hit $40 trillion by 2030, despite challenging environment, https://www.bloomberg.com/company/press/global-esg-assets-predicted-to-hit-40-trillion-by-2030-despite-challenging-environment-forecasts-bloomberg-intelligence/ (2026年3月18日閲覧).
[7] BSR (2018), 10 Human Rights Priorities for the Financial Sector, https://www.bsr.org/en/primers/10-human-rights-priorities-for-the-financial-sector (2026年3月18日閲覧).
[4] Cerutti, E., G. Dell’Ariccia and M. Martínez Pería (2005), “How Banks Go Abroad : Branches or Subsidiaries?”, Policy Research Working Papers, No. 3753, World Bank, https://doi.org/10.1596/1813-9450-3753.
[12] CFA Institute/Global Sustainable Investment Alliance/Principles for Responsible Investment (2023), Definitions for Rresponsible Investment Approaches, https://www.gsi-alliance.org/members-resources/definitions-for-responsible-investment-approaches/.
[9] European Securities and Markets Authority (2015), Status of Implementation of the Standards for Participants in an offering (ref. 99-FESCO-B), https://www.esma.europa.eu/sites/default/files/library/2015/11/compilation_offering.pdf.
[3] Federal Reserve Bank of St. Louis (n.d.), S&P 500, https://fred.stlouisfed.org/series/SP500 (2026年3月18日閲覧).
[8] New York Times (2008), Société Générale loses $7 billion in trading fraud, https://www.nytimes.com/2008/01/24/business/worldbusiness/24iht-socgen.5.9486501.html.
[11] OECD (2025), Institutional Investor Engagement and Stewardship, OECD Publishing, Paris, https://doi.org/10.1787/a4902cee-en.
[1] OECD (2025), OECD DAC Blended Finance Guidance 2025, Best Practices in Development Co-operation, OECD Publishing, Paris, https://doi.org/10.1787/e4a13d2c-en.
[14] OECD (2020), ESG Investing: Practices, Progress and Challenges, OECD Publishing, Paris, https://doi.org/10.1787/b4f71091-en.
[5] OECD (2017), Conditions for establishment of subsidiaries and branches in the provision of banking services by non-resident institutions, OECD Publishing, Paris, https://doi.org/10.1787/96bf908c-en.
[6] UNCTAD (2008), Credit rating agencies and their potential impact on developing countries, https://digitallibrary.un.org/record/624687/files/osgdp20081_en.pdf.
[2] US Federal Reserve (2025), “Large Commercial Banks”, Federal Reserve Statistical Release, https://www.federalreserve.gov/releases/lbr/current/ (2026年3月18日閲覧).
[16] World Benchmarking Alliance (2021), Financial System Transformation Scoping Report, https://archive.worldbenchmarkingalliance.org/research/fst-scoping-report/.
[15] World Business Council for Sustainable Development (WBCSD) (n.d.), Task Force on Climate-related Financial Disclosures (TCFD) Response and Development, https://www.wbcsd.org/actions/tcfd/ (2026年3月17日閲覧).
[10] Yan, Q. (2023), “The Importance of Chinese Walls in Banks and Management of Information Flows”, Frontiers in Business, Economics and Management, Vol. 8/3, https://doi.org/10.54097/fbem.v8i3.7871.
← 1. 当該セクターは、多国籍企業行動指針(OECDガイドライン)が対象とする課題が各産業分野においてどの程度存在しているかについて、主要な文献・資料から知見を特定・整理したOECDの先行研究に基づき、ケーススタディの対象として選定された。さらに、この分析を補完するため、OECDは専門家調査を実施し、各セクターと責任ある企業行動(RBC)に関する課題との関連性について、専門家がどのように認識しているかを幅広く把握した。
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本ライセンスの下で紛争が生じた場合は、常設仲裁裁判所(PCA)の2012年仲裁規則に従って解決される。仲裁地はパリ(フランス)とする。仲裁人の数は1人とする。