2022年の日本の出生数は770,759人で、合計特殊出生率（TFR）1.26に相当するが、これはOECD平均の1.51を下回っている。
OECD平均では、TFRは1960年から2002年まで低下し続けている。2000年代には、2008年までわずかな出生率の回復が見られたが、2002年には、TFRは史上最低水準の1.5まで低下した。日本の出生率は、1960年以来OECD平均を下回っている。TFRは、2005年に女性一人当たり1.26人まで低下し、その後わずかに回復したものの、2022年には再び2005年の水準に戻っている。
15歳から49歳までの女性一人当たりの子どもの数、日本及びOECD平均、1960年から2022年
注：日本では“丙午”の迷信により、1966年に出生率が26％低下した。
出典：図1.1 OECD（2024）、図表で見る社会2024、https://stat.link/vxdlnc.
男女の雇用、失業、家族に対する経済支援（例えば、有償の育児休業や保育支援）、住宅費用を含む多くの要因が出生の選択に影響する（図1.7, https://stat.link/8zu7m3及び図1.14, https://stat.link/ois3k8）。
しかし、（経済的）不確実性や規範・態度といった他の要因も影響している。多くのOECD加盟国では、労働市場や住宅市場において、地位を確立したいという欲求が出生を遅らせる一因となっている。
日本では、出産時の母親の平均年齢は、2000年の29.6歳から2022年には32.2歳まで上昇し、OECD平均をおよそ１歳上回っている（図1.5, https://stat.link/163n2d）。
TFRの低下は、女性が持つ子どもの数の減少及び/又は子どもを全く持たないことに関連している。OECD全体で子どもがいない女性の割合は増加傾向にあるが、その時期や程度には国ごとにばらつきがある。日本では、生涯無子率が1955年生まれの女性で12％だったところ、1975年生まれの女性では28％と顕著に増加している―これはOECD加盟国の中でも最も高い割合である。
(図 1.3, https://stat.link/mvkw3b).
出生動向についての章に関する指標とその他の社会指標の選択
出典: OECD (2024),図表で見る社会2024, https://stat.link/vxdlnc.