図表でみる教育2025: 日本
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本カントリーノートは、Education at a Glance 2025に基づき、日本の教育制度の主な特徴を概観している。教育制度の他の部分もカバーしつつ、今年のテーマに沿って高等教育に重点を置いている。ここで用いられているデータは、入手可能な最新の年のものである。データの参照年に関心のある読者は、Education at a Glance 2025の対応する表を参照すること。
ハイライト
Copy link to ハイライト日本における25-34歳の若年成人のうち高等教育卒業者の割合は、2019年から2024年の間でわずかに増加し(62%から66%)、2024年において日本は高等教育卒業の若年成人の割合が最も高い5つのOECD加盟国の一つである(OECD平均の48%を上回る)。また、日本は25-64歳の高等教育卒業の割合も高く、OECD加盟国の中で最も高い水準(57%、OECD平均は42%)。
教育の不平等は世代を超えて持続する。入手可能なデータがあるすべての国において、若年成人(25-34歳)は、親が高等教育卒業資格を持っている場合、同様に高等教育卒業資格を取得する可能性が著しく高い。日本では、若年成人(25-34歳)のうち少なくとも片方の親が高等教育を受けている場合、その72%が同様に高等教育卒業資格を取得しているのに比べ、親が後期中等教育卒業者または高等教育以外の中等後教育卒業者の場合は、高等教育卒業資格を取得している割合が43%である。この29ポイントの差は、OECD平均の差である25ポイントよりも大きい。
日本における初等教育段階から高等教育段階までの在学者一人当たりの教育支出は、年間平均で14,130米ドル(購買力平価)で、これはOECD平均の15,023米ドル(購買力平価)よりも少ない。対GDP比でみても、教育への投資はOECD平均を下回る(GDPの3.9%が教育に支出されるのに対し、OECD平均は4.7%)。一方で、日本では在学者一人当たりの支出が一人当たりGDPの29.4%に相当し、これはOECD諸国の中で最も高い割合の一つであり(日本の水準を上回るのはオーストリア、韓国、英国、アメリカ合衆国のみ)、OECD平均(25.3%)を上回る。
OECD加盟国では、教員の高齢化が進んでいる。2013年から2023年の間に、OECD平均で30歳以下の教員の割合はあまり変化せず(初等中等教育段階で1ポイント以下の増減)、50歳以上の教員の割合は増加した(初等中等教育段階で2~3ポイント)。日本では若い教員の割合が増加し(初等中等教育段階で少なくとも5ポイント)、初等教育段階では高齢の教員の割合が減少し(6ポイント)、中等教育段階では増加した(3ポイント未満)。2023年には、日本の若い教員の割合はOECD平均を上回り、高齢の教員の割合はOECD平均を下回る。
高等教育段階における教員の年齢分布は大きく異なる。2023年には、50歳以上の教員の割合がOECD平均を上回った一方で(50%、OECD平均40%)、若い教員の割合は平均を下回っている(3%、OECD平均9%)。また、日本はOECD加盟国の中で(高等教育段階全体の)教員に占める女性の割合が最も低い(女性は31%、OECD平均は46%)。
教育機関の成果と教育・学習の効果
Copy link to 教育機関の成果と教育・学習の効果教育の不平等は世代を超えて持続する。入手可能なデータがあるすべての国において、若年成人(25-34歳)は、親が高等教育卒業資格を持っている場合、同様に高等教育卒業資格を取得する可能性が著しく高い。日本では、若年成人(25-34歳)のうち少なくとも一方の親が高等教育を受けている場合、その72%が同様に高等教育卒業資格を取得しているのに比べて、親が後期中等教育卒業者または高等教育以外の中等後教育卒業者の場合、高等教育卒業資格を取得している割合が43%である。この29ポイントの差は、OECD平均の差(25ポイント)よりも大きい(図1)。
図1 25~34歳人口に占める高等教育卒業者の割合(親の学歴別)(2023年)
Copy link to 図1 25~34歳人口に占める高等教育卒業者の割合(親の学歴別)(2023年)国際成人力調査、パーセント
注)括弧内のパーセンテージは、高等教育卒業の親の割合を示している。
データについては、OECD(2025)図表でみる教育2025:OECDインディケータ https://doi.org/10.1787/1c0d9c79-en 表A1.4(オンラインで利用可能)を参照。
ほとんどのOECD加盟国において、かなりの割合の大人の読解力が低いレベルであり、これはOECD国際成人力調査(PIAAC)の尺度でレベル1以下(0から5の尺度)である。このレベルの人は、紛らわしい情報が最小限しか含まれていない非常に短い文章しか理解できない。日本では、25歳から64歳の成人のうち11%がレベル1以下の読解力であり、これはOECD平均の27%を下回っている。
学歴とスキルは密接に繋がっているが、この関連の強さは国によって異なる。日本は国際成人力調査で、高等教育を受けた成人は、後期中等教育卒業または高等教育以外の中等後教育卒業の成人よりも読解力が平均して33点高い。この差は、OECD平均の34点差と類似している。
国際成人力調査の第1回(2012~15年)と第2回(2023年)の間で、読解力の平均点は低下した1。OECD平均では、高等教育卒業の成人は9点低下し、後期中等教育を修了していない成人の19点低下に比べて小さい。日本では、高等教育卒業の成人は読解力の得点の変化が統計的に有意ではないが、後期中等教育を修了していない成人は261点から225点へと36点低下した。
日本ではすべてのOECD加盟国と同様に、成人の読解力が高いほど教育や研修に参加する可能性がより高い。2023年には、国際成人力調査で高い読解力(レベル4または5)を示した25歳から64歳の成人のうち、その前年に52%(OECD平均は70%)がフォーマル教育・ノンフォーマル教育や研修に参加していたが、レベル1以下の成人ではわずか17%(OECD平均は26%)であった。
日本では、入手可能なデータがあるほとんどの国・地域と同様に、高等教育を受けた成人(25歳から64歳)は、より低い教育段階の卒業者よりも、自己申告による健康状態が良いと報告している。しかし日本は、とても良い、または卓越して良いと健康状態を報告する成人の割合が最も低い国の一つである。とても良い、または卓越して良いと健康状態を報告した成人の割合は、後期中等教育を受けていない成人で11%、高等教育卒業の成人で27%であるのに比べ、OECD平均はそれぞれ26%、51%である。
教育機会、在学、進級・進学の状況
Copy link to 教育機会、在学、進級・進学の状況教育制度は、子供の数の変化に応じて提供する規模を拡大または縮小して変化し適応する必要がある。多くの国で、0~4歳の子供の人口は2013年から2023年の間に大きく変化し、2033年までにさらに変化すると予測されている。日本では、0~4歳の子供の数が22%減少し、2023年から2033年の間にさらに6%の減少が予測されている。
学士課程相当は、ほとんどのOECD加盟国で高等教育への主要な入り口であり、平均して高等教育初回入学者のうち78%がこのような課程に在籍している。日本では、その割合は65%と低い。
女性は、ほとんどのOECD加盟国で高等教育初回入学者の多数を占める。日本では、2023年の初回入学者の51%が女性で、2013年から変化していない。OECD全体では女性は初回入学者の54%を占め、2013年から変化していない。
OECD全体で、最も人気がある2つの広域専攻分野は、自然科学・技術・工学・数学(STEM)と商学・経営学・法学で、それぞれ学士課程相当の卒業生の23%を占める。続いて、芸術・人文科学及び社会科学・ジャーナリズム・情報学といった広域専攻分野が22%を占める。日本では、学士課程の学生の20%がSTEM分野で卒業し、26%が商学・経営学・法学、31%が芸術・人文科学及び社会科学・ジャーナリズム・情報学の分野で卒業している。
ほとんどの国で、STEM分野は博士課程で最も人気のある研究分野であるが、日本は博士課程の学生の最も多くが医療・福祉分野に在籍している数少ない国の一つである(博士課程卒業者の41%、OECD全体平均は17%)。
高等教育における留学生の移動はOECD全体で増加し続けており、2018年から2023年の間に留学生の割合が著しく増加した国もある。平均でOECD全体の高等教育の学生の7.4%が留学生または外国人学生であるのに比べ、2018年は6%だった。日本は増加が見られない数少ない国の一つで、その割合は4.7%で一定である(図2)。しかし、日本は留学モビリティの拡大に向けて、2033年までに40万人の外国人留学生を日本に受け入れ、50万人の日本人学生を海外に送り出すことを目標として掲げ、その実現に資する取組を進めている。
図2 高等教育の留学生又は外国人学生の経年割合(2013-2023年)
Copy link to 図2 高等教育の留学生又は外国人学生の経年割合(2013-2023年)パーセント
教育支出
Copy link to 教育支出OECD加盟国及び候補国の間で、政府の各年の教育支出には大きな違いがある。日本は、初等教育から高等教育以外の中等後教育までの在学者一人当たりに10,993米ドルを支出しており、これは2,000米ドル未満から27,000米ドル以上に及ぶ加盟国及び候補国の中では中位である(図3)。
図3 フルタイム相当の在学者一人当たりの教育段階別公財政支出(2022)
Copy link to 図3 フルタイム相当の在学者一人当たりの教育段階別公財政支出(2022)教育機関に対する支出(購買力平価を使用した米ドル換算)
注:高等教育段階の支出には研究開発費が含まれる。幼児教育における在籍者一人当たりの支出は、フルタイム相当の在籍者ではなく、実数に基づく。
1.参照年は2022年と異なる。
1. 初等教育には就学前教育を含む。
2. 教育機関外の家計による支出を含む。
データについては、OECD(2025)図表でみる教育2025:OECDインディケータ https://doi.org/10.1787/1c0d9c79-en 表C1.1及び表C1.2を参照。
他のほとんどの国とは対照的に、日本の高等教育段階(研究開発を含む)への公財政教育支出は、初等教育から高等教育以外の中等後教育段階よりも低い。日本の高等教育の在学者一人当たりの公財政教育支出は8,184米ドルであるのに比べ、OECD平均は15,102米ドルである。
OECD加盟国及び候補国間の在学者一人当たりの支出の違いの大部分は、国の所得水準の違いを反映している。支出を対GDP比で測定すると、国の間の違いは小さくなる傾向があり、GDPの2.5%から6.9%の範囲である。日本では、初等教育から高等教育までの教育投資は対GDP比3.9%であり、OECD平均の4.7%を下回っている。
すべてのOECD加盟国で、特に義務教育の段階で、政府は教育資金の主要な供給源である。日本では、初等中等教育及び高等教育以外の中等後教育の総資金の92.7%(民間部門へ資金移転後)が公的財源であり、これはOECD平均の90.4%を上回っている。就学前教育と高等教育段階では、民間資金がしばしばより大きな役割を果たしている。日本では、就学前教育の資金の78.2%(資金移転後)と高等教育段階の資金の37.5%(資金移転後)が公的財源であるのに比べ、OECD平均ではそれぞれ85.6%と67.4%である。
2015年から2022年の間に、OECD加盟国では初等教育から高等教育段階までの在学者一人当たりの支出は平均して実質的に増加したが(11,955米ドルから13,210米ドル)政府の教育支出は相対的に減少しており、公共予算に占める割合は10.9%から10.1%に減少した。これは、OECD全体で公的な支出における教育に対する相対的な優先度が低下していることを示している。日本では、在学者一人当たりの支出が12,608米ドルから13,230米ドルに増加したが、この期間で教育支出にあてられた割合は、公共予算の8%から7.1%に減少した。
日本は、就学前教育段階では公財政支出が2015年から2022年の間に大幅に増加した(39.3%)。一方で、子どもの在籍数は30.2%減少した。その結果、子ども一人当たりの公財政支出は2015年以降、OECD全体は平均24%の増加であるのと比べ、99.6%増加した。
一部の国では、国公立教育機関の修士課程において、外国人学生に対してかなり高い授業料を課しているが、日本はそうではない。日本では、修士課程の外国人学生の年間平均授業料は5,647米ドルで、自国の学生の授業料と同じである(5,647米ドル)。
教員、学習環境、学校組織
Copy link to 教員、学習環境、学校組織多くの国で教員不足に直面しており、未充足の教員の数だけでなく、教員全体に占める完全な資格を持たない教員の割合などの他の指標にも反映されている。データが入手可能な14のOECD加盟国及び地域で、未充足教員の割合の平均は1.6%、完全な資格を持たない教員の割合の平均は4.9%である。日本では、未充足教員の割合は0.2%で、完全な資格を持たない教員はいない。ただし、各国の教員採用過程は、競争的な国家試験による中央集権的なシステムから、学校レベルでの完全に分散化された採用まで大きく異なり、欠員レベルを比較することは難しいため、これらのデータの国際比較は他の分野よりも一層慎重に行われるべきである。
セカンドキャリアの教員を惹きつけることは、教員不足を緩和する助けになると同時に、より幅広い経験を持つ人々を教職に迎えることになる。これを支援するため、データが入手可能な28か国のうち日本を含む16か国が、キャリアを変える人々に教員への代替の経路を提供している。
高い給与は教職をより魅力的にする可能性がある。2015年から2024年の間に、ほとんどの国で法定給与が増加したが、新任の教員と経験が豊かな教員では増加率が異なる。日本ではこの期間、初任給は増加したが、15年勤続教員の給与は減少した。2024年においても、日本の法定給与は依然としてOECD平均を下回る。初等教育の教員の法定給与は、最低資格教員の初任給である34,863米ドルから、最高資格教員の最高給与である66,530米ドルまでの範囲であり、これは、OECD平均の最低44,153米ドルから最高74,896米ドルを下回る。
法定給与に加えて、手当、ボーナス、その他の報酬も教員の収入を補う。これらの手当は通常、特定の目的を満たすために設けられている。例えば日本では、優れた教員を遠隔地に留めるため、寒冷地での暖房費補助、物価高地域での追加手当など、3種類の地域手当を実施している。
義務教育の授業時間は、学級規模や教員の授業時間等の他の要因と組み合わさり、必要な教員の数に影響するため、教員の給与コストに影響を与える。日本では、児童生徒は初等教育で年間768時間、前期中等教育で年間884時間の必修授業を受ける。これは、OECD平均の初等教育804時間、前期中等教育909時間を下回っている。
日本では、初等教育の授業時間の40%が算数と国語に割り当てられており、前期中等教育では24%に減少する。これに対し、OECD平均では、初等中等教育の授業時間の41%、前期中等教育の授業時間の27%がこれらの主要科目に割り当てられている。
OECD全体で、初等教育の平均学級規模は2013年以降変わらず20.6人である。日本では、2023年の初等教育の平均学級規模は26.7人で、2013年から0.7人減少した。
Updated 10 September 2025
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