「アジア諸国の歳入統計2016年版(RevenueStatistics in Asian Countries)」によると、2014年のインドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポールの税収の対GDP比は17%を下回っていました。日本と韓国はその割合は24%を上回っていました。本報告書に初めて収録されたシンガポールを含め、アジア6か国の税収の対GDP比は、OECD平均の34.2%を下回っています。特に東南アジアの新興諸国では、歳入の流動性を高める余地が残されています。
アジア6か国の2014年の歳入水準は、インドネシアの対GDP比12.2%から日本の32%まで、幅があります。同年の日本、韓国、フィリピン、シンガポールの税収の対GDP比は上昇したのに対して、インドネシアとマレーシアでは若干下落しました。
これらの数値を過去のデータと比較すると、シンガポールを除く5か国の2014年の税収の対GDP比は2000年を上回っていますが、これは税制改革と税制と税務の近代化によるものです。2000~2014年の税収の増加の度合いは、フィリピンの0.9パーセント・ポイントから、日本の5.4パーセント・ポイントまで、幅があります。
本報告書によると、アジア6か国では、法人税が重要な税収源となっています。法人税が税収全体に占める割合は、どの国でもOECD平均の8.8%を上回りました。その割合は2014年は韓国の12.8%からマレーシアの52.6%まで幅がありましたが、どの国でも2013年よりは低い割合でした。それに対して、2014年の付加価値税(VAT)が税収全体に占める割合は、インドネシアを除くどの国でもOECD平均の20%を下回りました(インドネシアは32%)。これは、付加価値税率が全体的に低いためです。
さらに、本報告書には、大企業からの歳入の流動性を改善し、その複雑な税務を管理するために、税務に対して細分化されたアプローチを採用しつつあるアジア太平洋諸国で、税務行政において大規模な税務署の動向を論じた特集記事を収録しています。例えばフィリピンでは、Bureau of Internal Revenue (BIR) が高額納税者への監視を強化し、2015年に税法遵守の問題に取り組むため様々な方策を導入しました。インドネシアでは、Foreign Enterprise and Individual Tax Officeが、外国企業と個人納税者に関わるあらゆる税務をよりよく管理するために強化されました。
本報告書は、OECDと東南アジア諸国との関係強化を目的として2014年に開始された、OECDの東南アジア地域プログラムの税に関する地域政策ネットワークに寄与するものです。
本報告書は、OECD Revenue Statisticsシリーズの出版物です。Revenue Statisticsには、アフリカ、南米・カリブ諸国、OECD諸国の歳入統計を比較できるデータベースが含まれており、透明性の高い政策対話を促進し、政策当局が税制改革を評価する一助となります。
本書は、OECD税務センターと、OECD開発センターが、アジア開発銀行と共同で出版するものです。
本報告書の詳細は、下記のウェブサイトをご覧ください。
http://www.oecd.org/tax/revenue-statistics-in-asian-countries-2016-9789264266483-en.htm
報道関係者のお問い合わせは下記までお願いいたします。
Michelle Harding (+33 1 45 24 9368) in the OECD Centre for Tax Policy and Administration,
Kensuke Tanaka (+33 1 45 24 8733) in the OECD Development Centre
OECDメディア局 (+33 1 45 24 9700).
Also AvailableEgalement disponible(s)
Follow us
E-mail Alerts Blogs