2014年11月25日
最新のエコノミック・アウトルックによると、世界経済の緩やかな見通し、継続する高い失業率、潜在生産率の下落などに直面し、各国経済(特に欧州)は成長を下支えできるような金融、財政、構造的政策を本格的に実行しなければならないという緊急性を感じるべきです。
本エコノミック・アウトルックによると、世界経済は停滞しており、貿易や投資が歴史的に振るわず、先進国・新興国両方において、国及び地域間の需要パターンに差が表れてきています。アンヘル・グリアOECD事務総長は、「我々は、健全な回復につながる道から程遠いところにいる。各国経済に影響を与え得るユーロ圏の停滞リスクは高まっており、その一方で日本は実質的な不況に陥っている。さらに、金融政策の移り変わりは、多くの債務を抱えた新興経済にとって金融市場の変動をより大きくする。」と述べました。(スピーチ全文)。
2014年の世界のGDP成長率は3.3%に達し、2015年には3.7%まで加速、2016年には3.9%が見込まれます。この成長ペースは、危機前に比べると緩やかであり、長期的平均よりも低い数字です。
ユーロ圏は、2014年は0.8%成長、2015年には多少加速し1.1%、2016年には1.7%となります。
ユー ロ圏で継続する停滞は、世界経済の成長全体を巻き込む可能性もあり、貿易・金融のつながりから他国経済にも打撃を与える可能性があります。本アウトルック は、ネガティブショックが、現在の許容できないレベルの失業率を導く長引く超低成長やユーロ圏の低インフレにどれだけ拍車をかけるかというシナリオも描い ています。
キャサリン・マンOECDチーフ・エコノミストは、「ユーロ圏の経済見通しが弱く不安定となっている中、需要を活性化させるよ うなより強固な政策対応が必要である。欧州中央銀行による一層の行動や、よりサポーティブな財政政策が求められるということである。そうすれば、より一層 の構造改革を実施する余裕が出てくる。欧州の状況がよくないというのは皆にとって悪いニュースである。」と述べました。
主要先進国の中で は、米国 の成長が強くなってきており、2014年に2.2%、2015年と2016年には約3%になることが予測されています。日本では、成長は2014年の消費 増税からの影響を受けており、2014年の成長率はわずか0.4%に留まることが予測されており、2015年には0.8%、2016年には1%という緩や かな成長が見込まれます。
主要新興経済は、今後各国差の出る形での成長が予測されます。中国は成長スピードが減速し、より持続可能な成長 率に向か い、2014年の7.3%から2015年には7.1%に下がり、2016年には6.9%と予測されます。しかし、信用の急速な増加、銀行以外の信用のシェ ア拡大、住宅市場及び地元政府の活動が金融安定の懸念を増加させています。本アウトルックは、中国の国内需要が2%ポイント減少したことで世界経済の GDPが年0.3%減少するというシナリオも示しています。
今回のエコノミック・アウトルックは、11月6日にG20首脳会合に先駆けて発表された経済見通しのフォローアップであり、OECD全加盟国及び主要新興経済の見通しを含んでいます。G20経済のGDP見通しも更新されています。
OECDエコノミストに各国に関するインタビューをご希望の報道関係者は、OECDパリ本部Lawrence Speer (+33 1 45 24 97 00)、または、OECD東京センター 川口(+81 3 5532 0026)までご連絡ください。
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