2014年12月2日
外国贈賄及び腐敗に係るコストに関するOECDの最新分析によると、ほとんどの国際的贈賄は大企業により払われており、通常幹部クラスも承知していることがわかりました。
今回分析したケース(計427件の事件)の中で、賄賂は平均で取引総額の10.9%、利益の34.5%に等しい額で、賄賂1件につき1380万米ドルに等しくなっています。しかし、腐敗した取引の背景は明らかにならず複雑であることからも、OECDは氷山の一角に過ぎないと指摘しています。
通常、賄賂は途上国と比べ先進国における国営企業から契約を勝ち取るために支払われるものです。

OECD外国公務員賄賂レポートは、OECD外国公務員贈賄防止条約に署名した41カ国から400以上の事件(個人及び法人)を分析しており、1999年2月から2014年6月までを対象としています。
外国公務員贈賄事件の3分の2は、4つの産業セクターで起こっていました:採取(19%)、建設(15%)、運輸・倉庫(15%)、情報・通信(10%)。
賄賂が最も頻繁に約束、申込み、又は供与されたのは公的企業(国有企業)の従業員(27%)であり、次いで税関職員(11%)、保健衛生関係職員(7%)、国防職員(6%)となりました。国家元首や閣僚への賄賂は件数としては5%ですが、総賄賂額の11%を占めています。
大部分の事件において、賄賂は公共調達契約を獲得するために支払われていました(57%)。次に多かったのが、通関手続き目的であり(12%)、6%は税優遇措置を受ける目的でした。
アンヘル・グリアOECD事務総長は、「腐敗は成長と発展の妨げとなる。腐敗は法により裁かれなければならない。ビジネス犯罪の防止こそがコーポレート・ガバナンスの中核となるべきである。同時に、公共調達はクリーン、透明、責任、という要素を併せ持たなければならない。」と述べました。
本レポートは、事件の終結にかかる時間が増えていることを指摘しており、1999年には平均で1件につき2年かかっていたものが今ではわずか7日超となりました。これは、賄賂が益々緻密になってきていること、法当局が複数国をまたいで捜査することが複雑であること、あるいは企業や個人が過去に比べて解決を望んでいないことの反映かもしれません。
41%の事件では幹部レベルの被雇用者が賄賂を支払ったか命令しており、12%は企業CEOが関与していました。
外国公務員賄賂事件の4件に3件では仲介人が存在しており、41%の事件でこの仲介は地元の販売マーケティング代理人などといった業者でした。残りのうち35%は、企業の子会社やオフショア金融センターやタックス・ヘイブンにある会社などといった下請け的な立場のものでした。
OECDによると、賄賂と腐敗を撲滅するためにも、各国政府は、法的措置を強め、法的解決をオープンにし、告発者に対する保護強化の必要性を唱えました。仲介者を使った賄賂行為が驚くほど横行していることから、より効果的なデューデリジェンスやコーポレート・コンプライアンス・プログラムが必要であり、さらには企業役員が外国賄賂を撲滅するためにロールモデルとなり先導していくことが必要です。
フルレポートはhttp://www.oecd.org/corruption/oecd-foreign-bribery-report-9789264226616-en.htmをご覧ください。
OECD外国公務員賄賂防止条約の詳細情報はwww.oecd.org/corruptionをご覧ください。
報道関係者のお問い合わせは、OECD本部のLynn Robertson of the OECD’s Anti-Corruption division (tel. + 33 1 45 24 18 77) 、あるいはメディアディビジョン (tel. + 33 1 45 24 97 00)までご連絡ください。
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