廃棄物の管理とリサイクルが不十分で、プラスチック汚染の拡大が止まらない

 

2022年2月22日 ― OECDの新報告書によると、世界では20年前の2倍のプラスチック廃棄物が発生しており、その大部分は埋め立てられたり、焼却されたり、環境中に漏出したりしており、リサイクルされているのはわずか9%です。

OECDは、プラスチック廃棄物削減のための国際的な活動に関する国連の会議に先立ち、「グローバル・プラスチック・アウトルック(Global Plastics Outlook)」を初めて発表しました。それによると、人口や所得の増加に伴い、使用されたり廃棄されたりするプラスチックの量が絶え間なく増加している一方で、環境への流出を抑制するための政策は不十分であることがわかりました。

本報告書によると、プラスチック廃棄物のほぼ半分がOECD諸国で発生しています。一人当たりの年間プラスチック廃棄物発生量は、米国では221kg、欧州のOECD諸国では114kgですが、日本と韓国では平均69kgと、国によってばらつきがあります。プラスチック汚染の多くは、マクロプラスチックと呼ばれる大きなプラスチックごみの不適切な回収・廃棄に起因するものですが、工業用プラスチックペレット、合成繊維、路面標識、タイヤの摩耗などで発生するマイクロプラスチック(直径5mm以下の合成ポリマー)の漏出も深刻な問題となっています。

OECD諸国は、プラスチックの漏出量全体の14%を占めています。その中でも、OECD諸国が占めるマクロプラスチックの漏出は11%、マイクロプラスチックでは35%です。本アウトルックでは、プラスチック汚染削減のための国際協力には、低所得国がよりよい廃棄物管理インフラを整備し、プラスチックの漏出を削減できるようにするための支援も含まれるべきであると述べています。

本報告書によると、新型コロナウイルス危機によって経済活動が鈍化したことで、2020年のプラスチック使用量は2.2%減少しましたが、投げ捨て、食品の持ち帰り用パッケージ、マスクなどのプラスチック製医療器具の増加により、ごみが増加しました。2021年に経済活動が再開されると、プラスチック消費量も回復してきました。

© Global Plastics Outlook 2022 - Globally, 22% of plastic waste was mismanaged or littered in 2019 while only 9% was recycled (graph)

 

プラスチック汚染を減らすには、技術革新、より良い製品デザイン、環境に優しい代替品の開発、廃棄物管理の改善とリサイクルの増加など、プラスチックの生産を減らすための行動と国際的な協力が求められます。

120カ国以上で使い捨てプラスチックの使用禁止や課税が行われていますが、全体的に汚染を減らすには不十分です。ほとんどの規制は、プラスチック廃棄物の中でもごくわずかな割合を占めるだけのレジ袋などに限定されており、プラスチックの消費を抑制するよりも投げ捨てを減らす方に効果を発揮しています。リサイクルの動機付けとなる埋立て・焼却税を導入しているのは、ごく一部の国に限られています。本アウトルックでは、包装材や耐久消費財に対する拡大生産者責任制度の導入、埋立税、デポジットの返金、捨てた分だけ課金する制度といった手段をより積極的に活用することを求めています。

現在使用されているプラスチックのほとんどは、原油やガスを原料とした未使用(一次)プラスチックです。世界の再生プラスチック生産量は、2000年の680万トンから2019年には29.1万トンへと4倍以上に増加しましたが、それでもプラスチック総生産量の6%に過ぎません。再生プラスチックはまだ一次プラスチックの代替品と考えられているため、一次プラスチックと区別された十分に機能する市場を作るためには、さらなる努力が必要です。リサイクル率の目標値を設定し、リサイクル技術の向上に投資することで、リサイクルプラスチック市場の競争力と収益性を高めることができます。

本アウトルックの主な結論は次の通りです。

  • プラスチックの消費量は、新興国で特に大幅に伸びたことで、過去30年間で4倍になった。世界のプラスチック生産量は、2000年から2019年にかけて2倍に増加し、4億6000万トンに達した。プラスチックは、世界の温室効果ガス排出量の3.4%を占めている。
  • 世界のプラスチック廃棄物発生量は、2000年から2019年にかけて2倍以上増加し、3億5300万トンに達した。プラスチック廃棄物の約3分の2は、耐用年数が5年未満のプラスチックで、40%が包装材、12%が消費財、11%が衣料品や繊維製品である。
  • プラスチック廃棄物のうち、リサイクルされているのはわずか9%である(15%はリサイクルのために回収されているが、そのうち40%は残渣として廃棄されている)。さらに19%は焼却され、50%は埋め立てられ、22%は廃棄物管理システムから漏出して、管理されていない廃棄物集積場で処理されたり、露天で焼却されたり、特に貧しい国では陸域・水域環境に漏出している。
  • 2019年には、610万トンのプラスチック廃棄物が水域環境に流出し、170万トンが海洋に流れ込んだ。現在、海洋には推定3000万トンのプラスチック廃棄物が漂流しており、さらに河川には1億900万トンが蓄積されている。たとえプラスチック廃棄物のずさんな管理を大幅に削減できたとしても、河川に蓄積されたプラスチックは今後何十年間も海洋へ流出し続けることになる。
  • 世界に広がるプラスチックのバリューチェーンと貿易を考慮すると、デザイン段階からのアプローチと化学物質の規制を調整することが、プラスチックの循環性を向上させる鍵となる。中低所得国が廃棄物管理インフラを改善するためには年間250億ユーロのコストがかかると推定されるため、廃棄物管理に対する国際的なアプローチでは、開発援助を含む利用可能なすべての資金源を動員しなければならない。

OECD Global Plastics Outlook Databaseには、こちらからアクセスしてください。

本報告書の発表会見:Green Talk Live

本報告書の要約はこちらからご覧ください:Global Plastics Outlook: Policy Highlights

プラスチックに関するOECDの活動についてはこちらをご覧ください。

 

報道関係者のお問い合わせは下記までお寄せください。 Catherine Bremer in the OECD Media Office (+33 1 45 24 80 97).

 

OECDは、世界100か国以上と協力して、個人の自由を保護し世界中の人々の経済・社会的幸福を向上させる政策を推進する、グローバルな政策フォーラムの役割を担っています。

 

 

 

 

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