OECD - パリ、2018年9月20日
OECDの最新のエコノミックアウトルック中間報告(Interim Economic Outlook)によると、世界経済の拡大は、世界全体で成長の見通しが多様であること、またリスクが高まっていることで、すでにピークを過ぎたと見られています。
経済成長の見通しは、OECDが最新のエコノミックアウトルックを発表した5月時点の予測より全体的にわずかに弱まっています。高まる貿易摩擦、新興市場における金融状態の逼迫、政治的リスクが世界全体の強く持続可能な中期的成長をさらに弱める恐れがあります。
OECDの予測では、世界経済は2018年、2019年とも3.7%の成長になりますが、国によってその差は大きく異なっており、その点、2017年後半から2018年前半にかけて見られた幅広い景気拡大とは対照的です。OECD諸国全体で失業率が金融危機以前の水準まで下がっているにもかかわらず、景況感が弱まり、貿易と投資の伸びも予想されていたより鈍化し、賃金は依然としてほとんどの国々で伸び悩んでいます。本中間報告の予測には、前回2018年5月のエコノミックアウトルック以降の世界経済の下方修正が反映されており、G20諸国すべてを対象としています。
中間報告では、貿易の伸びの鈍化−と政治不安の広がり−が世界経済を押し下げる主要因であるとして懸念しており、貿易制限がさらに進むと、特に低所得世帯の雇用と生活水準に悪影響が及ぶと強調しています。
GDP成長率は国ごとに差がある

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ローレンス・ボーンOECDチーフエコノミストは、次のように述べています。「貿易摩擦が景気を侵食し始め、すでに景況感と投資計画に悪影響が及んでいる。貿易の伸びは鈍化し、貿易制限の影響が産業部門に及び、貿易に関する不確定要素のレベルは依然として高い。各国が更なる保護主義へと傾斜しないようにし、ルールに基づく国際貿易システムを強化し、国際対話を促進することが急務である。それにより、企業の投資意欲が高まるだろう。財政の逼迫が多くの新興諸国、特にトルコとアルゼンチンへの圧力を強めている中、強く安定した政策枠組みが更なる混乱を防ぐ鍵を握っている。」
本アウトルックでは、政策当局に回復力と生産性を高め、包摂性を向上させるよう求めています。官民双方の様々な形態の過剰資産価格と負債を含む、金融市場への圧力となっている根本原因に政策的に取り組み、新興諸国と先進諸国双方におけるショックへの対応力を高め、長期成長を支える財政政策を採用し、技能の向上と労働市場への包摂に焦点を当てた改革を行い、あらゆる人の機会を改善する必要があります。
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OECD Media Office (+33 1 4524 9700).
詳細は下記のサイトをご覧ください。
www.oecd.org/economy/economicoutlook.htm.
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