2015年3月18日, パリ
最新のOECD中間経済審査によると、石油価格の低迷と金融緩和が世界の主要経済の成長を引き起こしているものの、短期的な成長ペースは緩やかなままで、異常に低いインフレと利率が金融不安定のリスクを示しています。

アメリカでは強い内需が成長を押し上げており、さらにドル高が世界の需要を押し上げています。ユーロ圏は石油価格の低迷、金融刺激策、ユーロ安の恩恵を受けており、これらが合わさって景気低迷から抜け出すチャンスを与えています。
日本では、財政金融刺激策が短期的な成長に一層の刺激を与えますが、長期的な成長には依然として課題が残っています。中国では、新たに公表された成長目標に向け、減速は続くことが予測されます。インドは、今後2年で最も早い成長を遂げる主要経済となることが予測されます。その一方で、物資輸出国の成長見通しは悪化することが予測され、中でもブラジルは不況に陥ることが予測されます。
キャサリン・マンOECDチーフ・エコノミストは、「石油価格の低迷と拡大する金融緩和により、世界経済はターニングポイントに立った。多くの国が待ち望んだ成長加速の潜在性が見られるようになった。しかし、だからと言って満足にとどまる余地はない。なぜなら金融政策に過剰に依存していること自体が財政リスクを積み上げ、ビジネス投資は未だに回復していないからである。よりバランスのとれた政策アプローチが求められ、長期的に持続可能な成長や公共財政を確保するには財政及び構造上の改革、金融政策が必要である。」と述べました。
OECDは、日本の成長を今年1%、来年1.4%と予測しており、アメリカは今年3.1%、来年は3%、イギリスは今年2.6%、来年2.5%の成長、カナダは今年2.2%、来年2.1%の成長を予測しています。ユーロ圏は、今年1.4%、来年2%の ペースで成長し、ドイツは今年1.7%、来年2.2%、フランスは今年1.1%、来年1.7%成長が予測されます。
中国は今年・来年共に約7%の成長が予測され、インドは今年7.7%、来年8%となります。ブラジル経済は今年0.5%のマイナス成長を遂げ、来年は1.2%のプラス成長に戻ることが予測されます。
報道関係者のお問い合わせは、OECDパリのメディアオフィス(+33 1 4524 9700, [email protected]).までお寄せ下さい。
詳細情報はこちらのリンクよりご覧いただけます。www.oecd.org/economy/economicoutlook.htm.
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