OECDーパリ、2019年3月8日
世界各国政府は男女平等に以前より注意を払うようになっていますが、その進歩は依然として遅すぎ不均衡で、女性の権利、機会、公職への参加、上級職への就任を増やすという点では、依然として課題が多く残されています。
ベアトリス・オブ・ヨーク王女御臨席の下、国際女性デーに開催されたOECDのイベント、March on Genderで、「社会制度とジェンダー指標 2019年報告書(Social Institutions and Gender Index (SIGI) 2019 Global Report)」が発表されました。それによると、多くの国々で男女平等に関する改革が行われ、また斬新な規則や改革を導入している国も少なくありませんが、染みついた社会文化的慣習により、女性への差別が続いています。本書では、男女差別に基づいて失われている所得が世界全体で6兆米ドル、対GDP比7.5%に上ると試算しています。
A second OECD report presented today, , 本日公表されたもう1つの報告書、「男女平等に向けて:その推進、実施、リーダーシップ(Fast Forward to Gender Equality: Mainstreaming, Implementation and Leadership)」によると、先進諸国では、政策策定と予算決定におけるジェンダーに関する既成概念と偏見が進歩を妨げています。公務員の半数以上を女性が占めているにも関わらず、上級公務員や政策策定に携わる女性は依然として少なすぎます。現在はデジタル転換が新たな分断を作り出す恐れがあります。
ガブリエラ・ラモスOECD首席補佐官兼G20シェルパ兼ジェンダー問題リーダーは、次のように述べています。「女性の平等が緊急の課題だという認識は世界的に広がっていますが、男女格差の縮小に向けた動きはあまりにも遅く、一部の国々では、男女格差が拡大している。もっと多くの取り組みをより良い形で実施する必要がある。政策の立案と遂行の仕方を工夫し、結果に責任を持つ必要がある。さもなければ、男女平等の達成にさらに200年かかってしまうかも知れない。」
OECD Gender Portalの最新データによると、いくつもの領域で男女格差が存在しています。賃金格差もその1つで、OECD諸国平均で依然として13.6%もの格差があるとラモス氏は述べています。

SIGI報告書では180カ国が対象となっていますが、それによると、世界全体で女性の33%は家庭内暴力(DV)の犠牲になっていますが、幸い、DVへの社会的容認は薄れてきています。DVは社会環境で容認されていると考える女性の割合は、2012年は50%でしたが、2014年には37%、2018年には27%まで下落しています。
2014年に発表された前回のSIGI報告書以来、DVを犯罪と認めた法律を採択した国が15カ国増えて現在では132カ国に上りますが、48カ国は依然としてDVを犯罪と認めていません。また15カ国が18歳未満の女性の結婚を認めた法的例外を廃止し、8カ国が選挙で選ばれる公職における男女バランスを促進する法的措置を導入しました。パプアニューギニアと米国を除く全ての国々が、有給の産休・育休を保証しています。 (SIGIに関するプレスリリース全文はこちら.)
Fast Forward to Gender Equalityは、2015年の公職における男女平等に関するOECD勧告との関係でOECD諸国の現状に焦点を当てています。それによると、OECD諸国平均で、女性議員の割合は29%、女性閣僚は28%に上ります。男女平等が最も進んだのはラトビアで、公職に選ばれた女性の数が約2倍に増加して31%、またフランスでも議席の40%を女性が占めています。同様の進歩を見せているのがアイルランド、イタリア、メキシコ、スペインで、現職閣僚の3分の2が女性です。もちろん、こうした平均値の背後には、各国間で重大な差があることが隠されています。
マイナスの側面としては、行政で働く女性の多くが、依然として低いポジションに就いているということです。公務員の上級職に占める女性の割合は平均すると3分の1未満で、公的部門のパートタイム労働者の75%が女性です。本報告書では、女性の社会参加を向上させるために、法定または自主的なクオータ制や、男女平等を支援する支出を把握するジェンダー予算編成(gender budgeting)といったツールの導入について、指針を提供しています。
各国のデータと分析を収録したOECD Gender Portalはこちらをご覧下さい。
SIGI 2019報告書は、こちらからダウンロードできます。
SIGI 2019ランキングと国別レポートは、こちらからご覧下さい。
SIGI 2019 ranking
country profiles
Fast Forward to Gender Equalityの暫定版はこちらからダウンロードできます。 (最終報告書は3月15日リリース)
報道関係者のお問い合わせは、下記までお寄せください。
OECD Media Office (+33 1 45 24 97 00).
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