30/06/2014
医療支出は、経済危機のときに多くのOECD諸国で増加が止まり、中には減少した国もありましたが、再び増加し始めました。しかし、その増加のペースは、特に欧州では、経済危機以前よりは遅いと、OECD Health Statistics 2014は述べています。
欧州では、2012年の医療支出がギリシャ、イタリア、ポルトガル、スペイン、チェコ、ハンガリーで減少しました。ギリシャでは、2012年の実質医療支出が2009年よりも25%も少なくなりました。その主たる要因は、公的支出の削減です。
それに対して欧州以外の地域では、チリ、メキシコで2012年の医療支出がそれぞれ6.5%、8.5%と大幅に増加しました。これは主に国民皆保険の施行や医療をどこでも受けられるようにする取り組みのためです。韓国の医療支出は2009年以降毎年6%の増加を続けていますが、これは民間医療費の増加に主な原因があります。
米国では、医療支出が2012年にOECD平均を上回って2.1%増加しましたが、2010年、2011年にも同程度の増加率でした。

全体的に、2012年の医療支出のOECD諸国平均は対GDP比9.3%で、2011年の9.2%からほとんど変化していませんが、経済危機以前の8.6%よりは増加しました。
薬剤費は引き続き減少
入院および外来診療の支出が多くの国で2012年に増加したのに対して、薬剤費はほぼ3分の2のOECD諸国で2009年以降実質的に減少し続けています。この減少は、多くは製薬会社との交渉による値下げと、ジェネリック医薬品の需要の増加によるものです。この増加の要因は、多くの大量生産でコストがかかるブランド名のある薬品の特許権が消滅したことと、より安価なジェネリック医薬品の利用を推進する政策にあります。
ジェネリック医薬品市場の割合は2008年から2012年の間に平均で20%伸び、薬剤支出総額の24%を占めるまでになりました。特にスペイン(+ 100%)、フランス(+87%)、デンマーク(+44%)、英国(+28%)で急増しました。

Source: OECD Health Statistics 2014

Source: OECD Health Statistics 2014
これらは、OECD Health Statistics 2014から分かる、最近の動向の一部です。OECD Health Statistics 2014はOECD加盟34か国の医療および医療制度に関する比較可能な統計を最も幅広く集めたデータベースで、1960年から2013年までの各国のデータを収録しており、健康状態、健康を脅かす要因、医療資源とその活用、医療支出と資金調達などの国際比較分析ができるようになっています。
国別レポートは以下のウェブサイトからダウンロードできます。www.oecd.org/health/healthdata
OECD Health Statistics 2014は、OECDのすべての統計データベースを集めたポータルサイト、OECD.Statに収録されています。
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