2019年11月2日(バンコク) - OECD刊行の最新の報告書「エコノミックアウトルック―東南アジア、中国、インド、2020年版」によると、短期的な新興アジア諸国の経済成長は、それまでの年に比べれば緩やかなものになると予想されています。中期的な見通しでも、2020∼24年のGDP成長率は5.7% と、2013∼17年の6.7% から低下が見込まれています。個人消費が引き続き成長の糧となる一方で、貿易と投資の改善が求められています。同期間における成長率は、東南アジアが4.9%、中国とインドはぞれぞれ5.6%、6.6%と予想されています。
金利が低水準である一方で、関税措置に関連する先行きの不透明感や、厳しさの増す先進国の経済見通しなどにより、新興アジア地域の輸出見通しは弱まっています。新興アジア諸国は金融政策による経済刺激を意図していますが、政策は効果的に実施する必要があります。更に報告書では、気候リスクの上昇を考慮し、災害レジリエンスへの取り組みに関して、地方政府の関与を強化するよう指摘しています。
バンコクで開催の2019年ASEAN ビジネス投資サミットで発表された2020年版「エコノミックアウトルック」では、デジタル時代における教育政策の強化に焦点を当てています。マリオ・ペッチーニOECD開発センター所長兼OECD事務総長開発特別顧問は「新興アジアの教育制度は、ロボット工学や人工知能など、新しいテクノロジーがもたらす新たな機会と課題を反映すべきで、さらに新しいテクノロジーが社会の交流、生産、創造のあり方にどのような影響を与えるかを考慮した教育制度を考えるべき」と指摘しています。
新興アジア諸国における課題としては、学校のデジタルインフラを強化することや、教師にトレーニングの機会を与えデジタル・スキルを身に付けさせることなどが指摘されています。そして報告書では、情報通信技術があらゆるレベルで、学校カリキュラムに盛り込まれることを提案しています。また職業教育と生涯学習の強化は、デジタル・インクルージョンに寄与し、インターネットの有効利用は、男女間格差の是正にも貢献する可能性があると指摘しています。
「エコノミックアウトルック―東南アジア、中国、インド、2020年版」及び国別ノートに関する詳しい情報は、次のウェブサイトをご覧ください:http://www.oecd.org/dev/asia-pacific
詳細情報をご希望の報道関係者の方は、OECD開発センターの田中兼介アジアデスク統括([email protected]; Tel: +33 (0)6 27 19 05 19)、または同センター報道担当のBochra Kriout([email protected]; Tel: +33 (0)6 27 19 05 19)までお問い合わせください。
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報告書について
「エコノミックアウトルック―東南アジア、中国、インド、2020年版(Economic Outlook for Southeast Asia, China and India 2020)」は、OECD開発センターが作成したものです。 2020年版のエコノミックアウトルックは、日本、韓国、スイス及び欧州連合からサポートを受けています。
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