要旨

OECD諸国政府は、新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックの直近および長期的影響に対処するために多大な資源を投資している。COVID-19危機が与える影響は年齢層によって異なり、またその余波を今後数十年にわたり多くの人々が感じることを考えると、COVID-19対策と復興への取り組みに統合的な公的ガバナンスアプローチを採用することが非常に重要である。本稿は、OECD加盟36カ国を拠点とする青年団体(youth organisation)100団体を含む、72カ国151の青年団体の非代表サンプルの、若者が危機と関連する政府の行動をどう経験してきたかについての見解を紹介する。本稿には、OECD加盟34カ国で採用された施策の分析を収録し、様々な公的ガバナンスアプローチを通じて、若者のために公平で包摂的かつ危機対応力ある復興を実現する方法についての提言を提供している。

 
主な結論
  • 青年団体が最も懸念しているのは、COVID-19危機が精神衛生に与える影響で、次いで教育や雇用の成果、家族関係や友人関係、そして個人の自由への制限への影響を懸念している。

  • OECD加盟の青年団体の半数以上が、自国政府がパンデミック緩和のために科学的証拠を用いていること(53%)や、パンデミックのリスクについて国民に伝えていること(54%)に会員が満足していると回答した。

  • 一方で、 OECD加盟国の青年団体は、COVID-19危機の際に政府が若者向けに提供した公共サービスのあり方にかなり不満を持っている。具体的には、スポーツ・文化・レジャー(63%)、教育(60%)、住宅(56%)、雇用(56%)の分野の不満が強く、またそれほどではないが健康(46%)、交通・移動(36%)、司法(33%)の分野でも不満があるとしている。

  • 青年団体は、若者の暮らし良さ(wellbeing)への直接的な影響にとどまらず、COVID-19危機のより広い社会的影響について懸念を表明している。OECD諸国に拠点を置く青年団体は、危機が若者の権利に与える影響(72%)、年齢層間の不平等 (69%)、偽情報の拡散(67%)、人種差別(61%)、政治的偏向(56%)を最も懸念している。59%の団体が、この危機によって政府の関心が気候変動への取り組みからそれることを懸念している。また、45%が高齢者の暮らし良さに懸念を示し、31%が公的債務に不安を感じていると答えている。

  • OECD加盟国の青年団体は、危機対策と復興策を立案する機会が若者にはないことを懸念している。政府がロックダウンや外出制限といった措置を採用する際に、若者の意見を考慮したと感じているのは15%のみであった。半数以上が、財政支援策(56%)やインフラ投資への対応(54%)に若者の意見が反映されていないと考えている。

  • OECD諸国の青年団体の3分の1以上(38%)が、COVID-19危機が始まって以来、会員の 政府に対する信頼が低下したと推定しており、上昇したと報告しているのは16%に過ぎない。同様に、同じ期間に会員の民主的プロセスに対する満足度が低下したと答えたのは31%で、上昇したと答えたのは15%にだった。

  • 同様の対策・復興計画を策定しているOECD加盟国32カ国のうち29カ国が、その中に若者に対する具体的な政策、プログラム、その他の公約を盛り込んでおり、うち10カ国はその策定過程で若者とどのように協議したかを詳しく説明している。

  • 同様の対策・復興計画があるOECD加盟国32カ国のうち24カ国が、脆弱な状況にある若者を支援するための施策を導入している。

  • 調査対象となったOECD加盟国のほぼすべての青年団体は、恵まれない環境にあるグループも含めて、(オンライン)ワークショップを開催したり情報キャンペーンを実施したりして、COVID-19の影響の緩和に貢献しているが、対策・復興計画を持つOECD加盟国で若者が復興措置の実施にどう関与できるかを説明している国は、3分の1未満であった

    若者のために公平で包摂的かつ危機対応力ある復興をより確実にするために、政府は次のような公的ガバナンスアプローチを検討することができる。

  • すべての関連部門で若者を支援する統合的アプローチを取り―適切な政府レベルでの具体的な部門政策と統合された若者戦略の双方を通じて―危機が若者に与える影響について公務員の意識を高め、部門を超えた協力のためのメカニズムを構築する。

  • 政策の優先順位の決定、政策、サービス、(支援)プログラムの設計、公的資源の配分など、対策と復興策にすべての年齢層の視点を盛り込む。

  • 法律、戦略、適切な資金を持つプログラムを通じて有意義なボランティアサービスとユースワーク(若者の成長を支援する活動)を促進することにより、若者と青年団体を社会的結束の構築と復興の取り組みに参加させる。

  • 若者が関連する年齢その他すべてのアイデンティティと、社会経済的地位、地域、性別、人種や民族、先住性、移民の地位、障害の有無や能力といった共通項目で細分化されたデータと証拠の収集、使用、共有を改善することで、異なる年齢層にわたる危機の長期的影響を評価し予測する。

  • 政策当局の間で制度的、行政的、技術的能力および技能を構築し、上記の提言に沿って若者のために公平で包摂的かつ危機対応力ある復興を実現する。

 はじめに

ここ15年間で、2世代の若者が2つの大きな世界的危機に見舞われた。2007~2008年の金融危機は、青年期の若者と若年の成人の社会経済的見通しと政府への信頼に長期的な傷跡を残し1、今はCOVID-19のパンデミックの影響を受けている。その結果、金融危機の経済的影響の多くをすでに負っていた若者(15~29歳)2 は、自律的な生活に移行することがますます難しくなっていることがわかった。様々な指標によると、若者は、COVID-19危機の経済社会的影響によって大きな打撃を受けており、可処分所得や将来の収入、精神衛生、教育や雇用の成果などに長期的な影響が及ぶ可能性に懸念を深めている(例えば、(OECD, 2021[1]; OECD, 2021[2]; OECD, 2020[3]; OECD, 2021[4]; OECD, 2021[5]; OECD, 2020[6]; OECD, 2021[7])

若者は、危機の影響が最も大きかった産業や、派遣・有期契約の不安定な仕事に就いている人が多かったため 、パンデミックが始まって最初の数カ月間に他の年齢層よりも早期に職を失った(OECD, 2021[8])。青年期の若者の失業率は、ほぼすべてのOECD諸国で当初急上昇し、その影響は労働年齢人口の2倍に達したが、その後、ほとんどの国々で危機以前の水準まで回復した(OECD, 2021[8]) 。 OECD Risks that Matter調査の結果によると、この危機の結果、多くの若者が経済的な不安と住居の不安定さを経験し(OECD, 2021[5]) 、また非常に大きな精神的苦痛を引き続き感じている(OECD, 2021[9]) 。さらに、危機が若者の教育に及ぼす長期的影響はまだ完全には把握できないが、危機によって国際的な学生の流動性が著しく低下し、様々な学生集団間の学歴格差が拡大し、学生が教育から完全に離脱するリスクが増大している(OECD, 2020[6]; OECD, 2021[7]; OECD, 2021[10]) 。総じて、危機の影響が特に大きいのは、若い女性や社会経済的に不利な立場にある若者、就労しておらず教育・訓練も受けていない若者(ニート)、若い移民、障害のある若者、その他脆弱な状況にある若者である(OECD, 2021[2])。このように、危機の長期的な経済社会的影響は、政府や公的機関に対する若者の信頼や、彼らの民主的プロセスとの関わりに悪影響を及ぼす可能性がある(Aksoy, Eichengreen, Saka, 2020[11])

危機以前からすでに、若者の民主主義に対する満足度と政府への信頼が低下していることを示す複数の研究があった(例えば、(Eurofound, 2021[12]; Foa et al., 2020[13]); (Gallup, 2019[14]) )。本稿のために2021年7~8月に実施された青年団体に対するOECD調査3 (以下「COVID-19と青年に関する2021 OECD調査(2021 OECD Survey on COVID-19 and Youth)」)4 の結果によると、OECD諸国の回答者の3分の1以上(38%)が、COVID-19危機の発生以降、会員の政府に対する信頼が低下したと回答している。5さらに、31%が、同期間に民主的プロセスに対する会員の満足度が低下したと回答している。6

世界中の既存の民主主義諸国では、市民参加の減少、信頼の低下、二極化の進行が記録されている(OECD, 2021[15]) 。年齢間の不平等に対処することは、市民の中でも若年層を民主的プロセスからこれ以上離脱させないようにするために重要である。各国政府が復興のために多額の公的資源を動員している今、若者のためのより良い機会を作り、年齢による不平等に対処し、将来の幸福と社会的信頼の基盤を作るまたとない機会が到来している。

法律、公共政策、サービス、制度、さらに公的意思決定の方法、資源の配分方法などの公的ガバナンスは、こうした取り組みの中核となる。OECDの実証によると、あらゆる部門に広く及んでいるCOVID-19危機の影響は「縦割り(サイロ)」では対処できない(OECD, 2020[16]; OECD, 2020[17]); (OECD, 2020[3])。若者にとってもその他の年齢層の人々にとっても、公平で包摂的かつ危機対応力ある復興を実現するには、統合的な公的ガバナンスアプローチが不可欠である。

COVID-19危機が若者に与えた影響と、異なる年齢層内および層間の不平等の双方に焦点を当てた研究は豊富にあるが (OECD, 2021[5]; OECD, 2020[18]); (OECD, 2020[3]) 、OECD諸国政府が若者が直面する課題に国の対策・復興計画を通じてどう対処したかをよりよく理解するには、さらなる研究が必要である。本稿では、こうした計画が年齢別の実証をどの程度提供するか、特に若者について部門横断的な関与を網羅しているか、そして計画の設計と実施に若者を関与させているかを分析している。7

本稿は、OECDパブリック・ガバナンス委員会が行なった若者の地位向上と世代間の公平性に関する作研究を引用している。本書は、最新のOECD Youth Action Plan((OECD, 2021[8]) )で提示された洞察を基礎とし、それを補完している。本稿では、次の2つのデータ源からの知見を収録している。

  • 2021年11月時点でOECD加盟34カ国が策定した対策・復興計画の包括的分析(附録1.B参照)

  • 2021年のOECD調査「COVID-19と青年に関する2021 OECD調査」の結果。この調査は、2021年7月16日から8月30日にかけて、72カ国151の青年団体の非代表サンプルの参加を得て実施されたオンラインアンケート(附録1・Aを参照)である。

また、この分析は、政策概要“Youth and COVID-19: Response, recovery and resilience”の所見を引用し、更新したものである。(OECD, 2020[3])可能であれば、この調査の2020年版と2021年版に回答した43の青年団体(以下、「2回回答者」)の非代表サンプルの結果を比較している(附録1.A参照)。

本稿は次の3節で構成されている。

  1. 1.

    青年団体の見解:COVID-19危機の文脈における若者(15~29歳)のニーズ、懸念、状況についての新しい実証、政府に対する彼らの期待、公共サービスに対する満足度、政府、公共機関、民主主義に対する若者の信頼を牽引するものに関する議論。

  2. 2.

    対策と復興措置:OECD諸国の対策・復興計画が、部門横断的な若者への関与をどの程度網羅しているか、年齢別に分類された実証、若者の意見がどのように聴取され、その実施に彼らがどの程度関与するかということについての情報を比較分析。

  3. 3.

    関与から行動へ:すべての世代のために公平で包摂的かつ危機対応力ある復興を設計、実現するに際し、OECD諸国における進行中および計画中の若者と協力するイニシアティブをマッピング。

 1. 若者とCOVID-19: 傷痕は長く残るか

 青年団体は、COVID-19危機が精神衛生と教育・雇用の利便性に与える影響について、懸念が高まっていると述べている

パンデミックの軌跡は進化を続け、国によって異なるが、調査データ収集時(2021年7月~8月)にはほとんどのOECD加盟国が継続的なワクチン供給と並行して社会的距離、外出制限、社会的隔離の措置を緩和していた。この間、OECD諸国の学校や大学は、2020年と2021年前半に大きな混乱があった後、徐々に再開した(OECD, 2021[1]) 。世界的に復興が進んだが、その勢いは弱く、引き続き国によってばらつきがある(OECD, 2021[19])。パンデミック発生時に急上昇したOECD諸国の若年層の失業率は、2021年7月までに多くの国々で下落に転じていた (OECD, 2021[20]) 。それと同時に、不安やうつに関連する精神疾患の有病率は、若者の間で劇的に上昇し、危機以前よりも高い状態が続いている(OECD, 2021[4]; OECD, 2021[9])

COVID-19ウイルスの変異株が引き続き出現しているため、復興への道のり非常に不確実でリスクが高い(OECD, 2021[19]) 。本稿執筆時点で、オミクロン株の出現により、一部のOECD加盟国で再びロックダウン、外出制限措置、渡航制限の強化が行われている(OECD, 2021[19])

2021年調査の結果から、2020年調査の回答者が指摘した課題の多くが、16カ月経った後も続いていることが明らかになった。OECD諸国で2021年7~8月に実施された調査では、青年団体に対して、若者への危機の影響に関して最も懸念される事柄を3つ挙げるよう求められた。その結果、最も懸念されたのは精神衛生(83%)、教育(64%)、雇用(42%)で、次いで家族関係と友人関係(35%)、個人の自由の制限(34%)であった(図1 )。

2回回答者では、「精神衛生」「教育」「家族関係・友人関係」の分野で、COVID-19の影響に対する懸念が高まっている。さらに、就職のしやすさと働き続けることの難しさに対する懸念も、非常に高い水準にある。

この結果から、若者が、就職や進学の後まで長く続く傷跡に対する懸念を持っており、場合によってはそれが高まっていることがわかる。本稿の第2節では、各国の対応と復興の取り組みが、どの程度、若者のニーズや視点を統合的に考慮していたかを分析する。

 
図1. 青年団体は、COVID-19危機が精神衛生、教育、雇用に及ぼしている影響について重大な懸念を表明

注:回答者には、若者がCOVID-19危機の影響を緩和するのが最も困難と感じている上位3つの分野を挙げるよう求められた。データは、調査に回答したOECD加盟国、非加盟国の151の青年団体(OECD加盟国から100団体、非加盟国から51団体)の割合。(附録1.A)。

出典:OECD 2021 Survey on COVID-19 and Youth

 青年団体は、若者の幸福に対する懸念を強めている

COVID-19のパンデミックの長期的影響について尋ねたところ、OECD諸国の回答者が最も懸念していたのは、若者の福利である(85%)。次いで、若者の権利への影響8 (72%)、年齢層間の不平等(69%)への影響への懸念が大きかった。その他重大な懸念が示されたのは、COVID-19危機が偽情報(フェイクニュース)の拡散に与える影響(67%)、人種差別(61%)、危機が政府の関心を気候変動への取り組みから逸らすリスク(59%)、政治的偏向(56%)についてである(図2)。

 
図2. 青年団体は、COVID-19が若者の幸福、権利、年齢層間の不平等に対して長期的な影響を与えることを最も懸念している

注:回答者には、いくつかの領域でCOVID-19の影響をどの程度心配しているか、1から5までの尺度(1が全く心配ない、5が非常に心配)で評価するよう求められた。グラフは、「どちらともいえない」と回答した人を除いて、1-2(全く心配ない-少し心配)と4-5(心配-とても心配)の回答をグループ分けしている。データは、調査に回答したOECD加盟国の青年団体の割合(151人中N=100人)。結果は小数点以下を四捨五入している。

出典:OECD 2021 Survey on COVID-19 and Youth

この結果は、2020年の調査結果とはかなり異なっている。パンデミック初期には、青年団体の高齢者の幸福に対する懸念が、若者の幸福、虚偽情報(フェイクニュース)の拡散、公的債務の増加、人種差別に関する懸念を上回っていた(OECD, 2020[3])

2021年調査では、若者の幸福と虚偽情報の拡散に強い懸念を示す2回回答者にも、同様の傾向が見られる。今度は、危機が高齢者の福祉に及ぼす影響や公的債務の増加に対する懸念は少なくなっている。

COVID-19パンデミックが公衆衛生上の緊急事態から、広範囲に影響を及ぼす危機へと変化するにつれて、若者の懸念も変化している。2021年調査の回答者の間では、若者の幸福に対する懸念が高まる傾向にあり、この懸念は、大多数の青年団体が政府の公共サービスの提供方法に不満を持っていることを示す調査結果によって裏付けられている。この調査結果の詳細は下記を参照されたい。

また、COVID-19のパンデミックに関連した誤報、偽情報の拡散9に対する懸念が根強く、特に若者の間で民主主義に対する国民の認識に対して大きな課題が投げかけられていることが、調査結果から明らかになっている(OECD, 2021[15]) 。パンデミックに関する虚偽情報の大部分はソーシャルメディアが占めている(OECD, 2020[21]) 。これは、デジタルリテラシーが高く、主にソーシャルメディアからニュースを入手する傾向がある若者にとって特に重大である。(Brennen, 2020[22])さらに、偽情報が混乱、分裂、不信感を煽り、これらすべてが若者の政府に対する認識に影響を与えるという証拠もある(OECD, 2020[3]); (OECD, 2020[21])。OECD諸国の15歳の生徒の54%が、誤情報や偽情報を見分ける方法について学校で学習していると回答しているが、データによると、社会経済的に恵まれない人々は、情報源の信頼性の認識という点において、同世代の人々よりも依然としてスコアが低い(OECD, 2021[23]) 。OECDの証拠によれば、偽情報の増加は、選挙のプロセスと結果に害を与え、市民を非民主的な代替案へと誘導して社会の分断を進めることもできる(OECD, 2020[21]) 。実際、COVID-19と青年に関する2021 OECD調査では、OECD諸国の回答者の半数以上(56%)が、COVID-19危機を背景にした政治的偏向を懸念していると報告している。

危機の影響は年齢層によって異なることが明らかになっており、世代間の公正と公平性についての考察もさらに深まっている。回答者は、年齢層間の不平等(69%)を最大の懸念事項の一つとして挙げている一方で、回答者の大半(59%)は、COVID-19危機によって、政府の関心が気候変動対策から逸れることを懸念している。これは、若者が公平な温暖化対策を政治課題の最上位に据えるよう先頭に立って提唱し、若者と将来の世代が負担を負い、今日の決定がもたらす結果の影響を最も大きく受けることを強調しているため、特に重要である(OECD, 2021[24]; OECD, 2020[25]) 。実際、2021年7月に実施された分析結果は、短期的な緊急対応に重点が置かれ、復興策の策定において経済、社会、環境の長期的目標よりも優先された可能性があることを指摘している。2021年7月時点で、83%の復興資金が環境への影響を考慮していない、または環境に悪影響を及ぼしている(OECD, 2021[26]).

 変動する目標:パンデミック期の若者の政府への信頼

COVID-19危機に対応するため、各国政府は市民の日常生活や行動を大きく変える施策をとってきた。政府に対する信頼は、非常時の非常措置に対する人々の理解と遵守を確保する上で重要な要素である(OECD, 2021[26])。市民が公的機関を信頼しているときは、自主的に規則を遵守する傾向が強まる(Murphy, 2004[27]) 。COVID-19のパンデミック期に、ウイルスの拡散を抑えるために取られた措置に対する信頼とその遵守には強い相関関係があったことが研究で明らかにされている(Bargain and Aminjonov, 2020[28])

2007~08年の金融危機の余波で、多くの国々で政府に対する信頼が全般的に悪化したが、その後政府は徐々に若者の信頼を取り戻していった(OECD, 2020[25]) 。しかし、過去10年間の漸進的な改善にもかかわらず、国によって大きなばらつきがあるものの、COVID-19危機以前はOECD全体で15~29歳の人々の46%しか国家政府を信頼していなかった(Gallup, 2019[14])

 
図3. 年齢層別国政への信頼度、2020年

出典:Gallup World Poll, 2020.

パンデミックの発生以来、市民の政府への信頼、政府の危機管理・回復力への信頼は安定していない。パンデミック初期には信頼度が上昇したが、その後ほとんどのOECD諸国で経過とともに信頼度が低下している (Brezzi et al., 2021[29]) 。ギャラップ世論調査によると、2020年には、政府を信頼していると答えた人はOECD諸国の人々の51%で、2019年から6ポイント上昇した(図3)(OECD, 2021[26]) 。しかし、2021年には、OECD諸国の人々の48%10 が政府を信頼しており、2020年から3ポイント減少した(Gallup, 2021[30]) 。信頼とその推進要因を追跡することは困難だが、調査では、若者にも同様の傾向があることが指摘されている。Eurofoundの調査によると、18~34歳の人々の政府への信頼は、2020年4月から2021年3月にかけて、すべてのEU諸国で大幅に低下した(Eurofound, 2021[12])

COVID-19と青年に関する2021 OECD調査の結果からも、過去1年間のこの減少傾向が見て取れる。OECD諸国の青年団体の40%が、2020年には危機への対応を受けて会員の政府への信頼が高まったと答えた(低下したと答えたのは22%)が、2021年にはその割合は調査回答者の16%まで低下した。2021年には、38%がCOVID-19のパンデミック(図4)の発生以降、会員の政府への信頼が低下したと考えている。

この傾向は、2回回答者から得られた実証によって確認される。中でも信頼の低下を報告した団体の割合は、2020年4月から2021年7~8月にかけて21ポイント増加した。

 
図4. COVID-19 の発生以来、青年団体は、会員の政府に対する信頼の増加ではなく減少を報告する傾向が強い
COVID19の発生以降、政府に対する信頼がどのように変化したかを示した回答者の割合

注:回答者には、COVID-19発生以降の団体の会員の政府に対する信頼の変化を尋ねた。選択肢a. 大幅に増加したb. やや増加したc. 増加も減少もしなかったd. やや減少したe. 大幅に減少した。データは、OECD加盟国および非加盟国の全151の青年団体のうち、調査に回答した団体の割合。回答は、OECD加盟国の回答者(N=100)と非加盟国の回答者(N=51)に分けられている。

出典:OECD 2021 Survey on COVID-19 and Youth

危機的状況下で政府への信頼が高まり、国全体が脅威にさらされているという認識が国民に定着することを「国旗の下への結集(rally around the flag)」という。それは、突然の危機の際に、人々が指導者や制度を後ろ盾にして団結し、一時的に他の政策課題に注意を払わなくなるため、信頼が高まると予測している(Brezzi et al., 2021[29])。この効果は、上述の調査データで確認されており、COVID-19のパンデミックとの関連で他の研究でも論じられている(Kritzinger et al., 2021[31]) 。OECD加盟22カ国中18カ国で、政府に対する平均的な信頼が2020年4~5月から6~7月にかけて低下しており、この効果がすぐに薄れたことがわかっている(OECD, 2021[26])

パンデミック期の公共サービス提供に対する満足度は全体的に低い

公共機関への信頼の促進要因に関するOECD枠組み( OECD Framework on Drivers of Trust in Public Institutions)によると、公共サービスの利便性、機敏性、質は、政府に対する市民の信頼を決定するの重要な要因である(OECD, 2017[32]) 。調査の結果、全体として、また様々な部門にわたって、青年団体の回答者は、COVID-19危機の際に政府が若者に公共サービスを提供した方法に対して満足度が低いことが分かった。

パンデミック期に青年団体の満足度が最も低かったのは、スポーツ、文化、レジャーのサービス提供であった。実際、OECD諸国の回答者の63%がこの分野に不満を表明している(図5 参照)。また、OECD諸国の過半数が教育(60%)、住宅(56%)、雇用(56%)の各分野で、公共サービスの提供に不満を持っていた。さらに、OECD諸国の回答者の46%が、パンデミック期の医療サービスの提供に不満を持っており、例えば、一部の国々では精神衛生面の支援が不十分であったり、経済的余裕がないことが指摘されている(図5 参照)。

非加盟国の回答者も同様の課題を指摘しているが、雇用(75%)、住宅(54%)、スポーツ・文化・レジャー・教育(53%)の順で政府の実績に高い不満を表している。

 
図5. OECD 諸国の青年団体は、特にスポーツ、文化、レジャー、教育、住宅、雇用の分野で、公共サービスに対する満足度が低い

注:回答者には、COVID-19危機の発生以降、所属組織の会員が、若者向けの政府の公共サービスの提供にどの程度満足しているかを、1~5の尺度(1が非常に不満、5が非常に満足)で評価するよう求められた。このグラフでは、1-2(非常に不満-不満)、4-5(満足-非常に満足)の回答がグループ化されている。データは、この質問に対するデータが入手可能な OECD 諸国の 78~91 の青年団体(回答選択肢による)のもの。

出典:OECD 2021 Survey on COVID-19 and Youth

これらの結果からは、若者を支援し、危機の影響を緩和するためには、様々な産業部門と省庁を横断する統合的アプローチが重要であることも浮き彫りになっている。例えば、様々な研究によると、若者がスポーツ、文化、レジャー活動を利用できないことは、彼らの精神衛生に悪影響を及ぼす可能性が高い(Hagell, 2016[33]; Rodriguez-Bravo, De Juanas and Garcia Castilla, 2020[34]) 。若者が特定の公共サービスやプログラムを利用できないことによる累積的な影響を特定することは、COVID-19危機からの復興とその後の状況において、政府全体で様々な省庁が協調的介入を確保するために重要である。

本稿第2節の対策・復興計画の分析では、若者に提供される支援には大きな格差があり、支援が断片化される恐れがあることが指摘されている。特に、教育と雇用以外の分野で若者をどのように支援するかを計画に明記している国はわずかである。

半数以上の青年団体が、政府がパンデミックのリスクを伝え、科学的根拠を活用する方法について評価している。

実証に基づく意思決定と効果的な公的なコミュニケーションは、危機の最中に政府への信頼を維持・向上させる上で重要な役割を果たす(OECD, 2020[21])。COVID-19危機への政府の対策についての満足度について尋ねたところ、OECD諸国の回答団体の半数以上(53%)が、パンデミックを緩和するための決定を下す際に政府が科学的根拠を用いることに満足していると回答している。さらに、54%の青年団体は、国民にパンデミックのリスクについて伝えた政府の実績に満足していると報告している(図6)。

非加盟国の回答者では結果が異なる。66%が自国政府がパンデミックのリスクについて伝えた方法に満足していると述べている一方で、意思決定における科学的証拠の活用に満足していると答えた回答者は37%だった。

第2節では、OECD諸国が危機の最中に実証に基づく意思決定と効果的な公的コミュニケーションを確保するために実施した施策と、復興の取り組みに情報を与えるとともに政府が将来の課題に備えるために有益な教訓を紹介する。

 
図6. 青年団体は、政府がパンデミックのリスクを伝えた方法や、科学的証拠を活用したことを評価しているが、安全確保、弱者支援、協力確保の方策にはあまり満足していない

注:回答者には、COVID-19危機の発生以降、所属組織の会員が、政府による若者向け公共サービスの提供にどの程度満足しているかを、1から5までの尺度(1がまったく不満で、5が非常に満足している)で評価するよう求められた。このグラフでは、1-2(非常に不満-不満)、4-5(満足-非常に満足)の回答がグループ化されている。データは、この質問に対するデータが入手可能な OECD 諸国の 86~92 の青年団体(回答の選択肢による)のもの。

出典:OECD 2021 Survey on COVID-19 and Youth

青年団体、公共部門の健全性に対するリスクの高まりを指摘

COVID-19危機では、特に政府による重要な公共調達の決定と経済刺激策の中で、公共部門の健全性を守ることへの懸念が明らかになった(OECD, 2020[35]) 。政府による迅速な対応を要する緊急事態は、特に不正行為や汚職など、健全性が侵害されやすい状況を作り出す可能性がある(OECD, 2020[35]) 。例えば、パンデミック期には、医療機器や物資がしばしば緊急プロセスで調達されたため、価格のつり上げや賄賂の事例があったことが複数の調査で指摘されている(OECD, 2020[36])

不正行為、汚職、贈収賄などは、公的資源を本来の用途から逸脱させることで、若者を含む市民の公共サービスの利便性と質を低下させる(OECD, 2020[37]) 。汚職が増加しているという認識が、すでに市民の信頼にマイナスの影響を及ぼしている。例えば、2020年4月版のCOVID-19と青年に関するOECD調査の結果によると、公的機関の健全性が損なわれたと感じる回答者は、政府に対する信頼が低下したと報告する傾向が強かった(OECD, 2020[3]) 。2021年調査のOECD加盟国の回答者のうち、パンデミック期に公共部門の健全性を守るために政府がとった措置に満足していると答えた団体はわずか35%で、非加盟国の回答者では26%だった(図6)。

青年団体は政府の対策について発言権がないと感じている

OECD のオープンガバメントに関する理事会勧告(OECD Recommendation of the Council on Open Government)(OECD, 2017[38]) は、オープンガバメントが市民の信頼を築き、より包摂的な政策の成果を上げるために不可欠だと強調している。最近の研究によると、例えば情報の利便性を高め、政策決定に市民を参加させることで政府の開放性に投資している欧州諸国は、公共システムに対する市民の信頼度が高い(Schmidthuber, Ingrams and Hilgers, 2021[39]) 。また、この研究では、政治参加の機会が有意義だという認識が信頼度の向上に転化ことも示唆されている。同様に、国政に対する信頼は国政選挙の投票率と正の相関があり、また人々が政治プロセスを理解し参加できると感じることは彼らの実際の参加と正の相関がある(Brezzi et al., 2021[29])

OECD 加盟国の青年団体の回答者のうち、危機を緩和する目的で政府が様々な機関や市民社会組織と協力した方法に満足しているのは 33%のみである(非加盟国の回答者では 20%)(図 6)。この結果は、パンデミック期に多くの政府が、例えば緊急規制を導入する際などに、利害関係者の参加基準を低くして運営してきたという観察とも合致している(OECD, 2021[26])

また、回答者の大多数は、政府が危機を緩和するための緊急措置や決定を下す際に、若者の意見を取り入れていないと感じている。OECD 加盟国の回答者の15%は、自国政府がロックダウンや外出制限措置を採用する際に若者の意見を考慮したと感じている。22%が、商品、サービスの購入や、公共事業に際して若者の意見が考慮されたと感じており、26%が、雇用や収入減への影響を緩和するための財政制度の設計に若者の意見が反映されたとややまたは強く同意している。同様に、OECD加盟国の回答者のおよそ3人に1人(35%)が、政府がワクチン接種キャンペーンにおいて年齢によって優先順位をつける際に若者の意見を取り入れていると考えている(図7)。

 
図7. 青年団体は、政府のパンデミック対応に対して発言権がないと感じている

注:回答者には、政府がいくつかの施策について若者の意見を取り入れたか否かを、1から5までの尺度(1が全くそう思わない、5が強くそう思う)で評価するよう求められた。図は、「どちらともいえない」を除いた、1-2(強く反対-やや反対)、4-5(やや賛成-強く賛成)の回答をまとめたものである。データは、この質問に対するデータが入手可能な OECD 諸国の 85~93 の青年団体(回答の選択肢による)のもの。結果は小数点以下を四捨五入している。

出典:OECD 2021 Survey on COVID-19 and Youth

コロナウイルスの蔓延を食い止めるために一部のインフラサービスが中断されたが(航空輸送、鉄道、都市公共交通など)、その他の公共サービスやインフラ産業、特に医療インフラ、デジタルインフラ、通信は、政府の緊急・復興対応の鍵を握っている(OECD, 2020[40]) 。この分野では、OECD加盟国(54%)と非加盟国(52%)の回答者の半数以上が、政府が意思決定をする際に若者の意見を取り入れていないと考えている。

これらの結果から、パンデミック期に政府が行った最も影響力のあるいくつかの決定について、青年団体の会員は若者にはその決定を有意義に形成する機会がほとんどなかったと感じていることがわかる。

OECD諸国の回答者のうち脆弱な環境にある若者に提供される支援に満足しているのは10人中わずか4人

公共政策のプロセスと結果の双方について、市民が公正さを認識することは、信頼の重要な側面である(表1)。信頼が高いほど、社会の構成員間の政治的な力の配分がより均等になる。性別、年齢、所得などの人口統計学的および社会経済学的要因は、公的信頼の差を説明する上で重要である。例えば、OECD諸国の多くでは、所得が高い人ほど政府に対する信頼度が高い傾向にあるが、重要な差異が存在し、因果関係の方向性は明確ではない。(Brezzi et al., 2021[29])

パンデミックにより、異なる年齢層間、異なる社会的背景やアイデンティティを持つ若者の間の不平等が悪化した(OECD, 2020[3]) 。例えば、パンデミックの発生時、若い女性の失業率は若い男性のそれよりもかなり高くなった(OECD, 2021[41]) 。インターネットやデジタル機器へのアクセスにおける不平等は、遠隔地での学習や就労の障壁になっている(OECD, 2021[41]) 。さらに、若い女性、社会経済的地位の低い若者、仕事を持たない若者は、2020~21年に精神的苦痛の割合が高かったと報告されている(OECD, 2021[4])

COVID-19と青年に関するOECD調査によると、青年団体の回答者は、政府が社会的弱者に十分な支援をしていないと感じたときに、政府に対する信頼が低下したと報告する傾向が強かった(OECD, 2020[3]) 。2021年調査のデータによると、パンデミック期に政府が社会的弱者に提供した支援に満足していると回答したOECD諸国の回答者はわずか39%である(図6)。この問題は、非加盟国においてはさらに顕著で、満足していると回答したのは、回答者のわずか4分の1程度(26%)である。

パンデミックが始まって以来、青年団体は、介護施設にいる高齢者、障害者、ニート、移民など、立場の弱い人々に支援を提供し、その影響を軽減するために重要な役割を担ってきた(OECD, 2020[3]) 。OECD諸国の復興計画の分析から得られた証拠によると、いくつかの国々は社会的弱者を支援する具体的な措置の概要を示しているが、若年労働者、ボランティア、そしてその制度的な能力を強化するための明確な公約にはほとんど言及がない(第3章参照)。

 「すれ違い(disconnect)」をどう埋めるか:若者と民主主義

自由で開かれた選挙、三権分立、法の支配、人権保護といった民主主義の基盤は、長い間、グッドガバナンスの頼みの綱頼みの綱とされてきた(OECD, 2021[15]) 。しかし、「民主主義に対する世界的満足度報告(Global Satisfaction with Democracy Report)」によると、民主主義に対する不満は1990年代半ばから上昇しており、特に先進民主主義国では世界的に過去最高に達しつつある(Foa, 2020[42])

民主主義に対する不満は、党員の減少、投票率の低下、公的機関への信頼の欠如、さらにはポピュリズムの台頭と二極化の進展など、様々な形で現れている(OECD, 2021[15])

ケンブリッジ大学が1973~2020年の160カ国のデータに基づいて行った研究によると、若い世代ほど民主主義への不満が高い。それは、彼らが今若いからというだけでなく、彼らより上の世代の人たちが同じ年齢だったころに持っていた不満と比べても、彼らの不満度は高い (Foa et al., 2020[13]) 。この調査によると、現在、ミレニアル世代(1981~1996年生まれの人々)の過半数が自国の民主主義のあり方に「不満」を表明しているが、一世代前の同年代の人々は民主主義の実績に概ね満足していた(Foa et al., 2020[13]) 。米国では、民主主義に対する不満のレベルが、一世代で1.3倍以上上昇した(Foa, 2020[42])

若年層の不満の高まりと民主主義の間の「断絶」リスクの背景には様々な要因があるが、特に顕著なのは国情、政府が若年層にどのようにサービスを提供しているか、国や世界の課題にどのように対処しているかについての認識、(OECD, 2021[15]) そして人生の機会における世代間格差の拡大(Foa et al., 2020[13]) である。若者の失業率の上昇と富の不平等により、若者は自立が難しくなっており、民主主義のあり方に対する「不満」が高まっている。

さらに、若者は依然として公的機関への参加率が低く、選挙への参加も高齢者より少ない傾向にあり、高齢化の結果、投票人口に占める割合も縮小しているため、高齢者層の方が政治的に重視され影響力が高くなっている(OECD, 2021[15]);(OECD, 2021[8])。民主的な政府の気候危機変動への取り組みに対する若者の認識では、民主主義国には長期にわたり複雑で相互に関連した課題を処理したり、短期的配慮よりも長期的な優先事項に投資したりする能力がないと思われる可能性がある(OECD, 2021[24])

 
図8. COVID-19の発生以来、青年団体の報告では、民主主義に対する満足度が増加よりもむしろ減少傾向にある

注:回答者には、COVID-19発生以降、所属組織の会員の民主主義に対する満足度の変化を回答するよう求められた。選択肢a. 大幅に増加したb. やや増加したc. 増加も減少もしなかったd. やや減少したe. 大幅に減少した。データは、OECD加盟国および非加盟国の全151の青年団体のうち、調査に回答した団体の割合。回答は、OECD加盟国の回答者(N=100)と非加盟国の回答者(N=51)に分けられている。

出典:OECD 2021 Survey on COVID-19 and Youth

COVID-19のパンデミックは、これらの課題をさらに悪化させる恐れがある。OECD諸国の回答者の約3分の1(31%)が、COVID-19危機の発生以来、民主主義に対する会員の満足度が低下したと述べ、上昇したと報告したのは15%だけである(図8)。Eurofound11 の調査でも、同様の傾向が指摘されている。18~34歳の人々の民主主義に対する満足度は、2020年7月から2021年3月にかけて、すべてのEU加盟国で低下した(Eurofound, 2021[12])

最近の研究によると、成人への移行期に感染症の蔓延経験した人は、政治指導者や政府、選挙に対する信頼度が低くなり、それが生涯にわたって持続することがわかっている。したがって、危機の長期にわたる爪痕は、若者の雇用と収入の見通しを考えるときだけでなく、ライフサイクルを通じての民主的プロセスや機関との結びつきという点でも懸念される(Aksoy, Eichengreen, Saka, 2020[11])

OECD加盟国の回答者は、民主主義に対する満足度が高まった理由として、政府の対応、包摂的な意思決定、すべての市民に対する公正な扱い、さらに説明責任、公的健全性、透明性、明確なコミュニケーションが重要だと指摘している。また、回答者の中には、会員が社会的結束が強まり、政府が人権や市民権を守るために努力していることが認識したため、民主主義に対する満足度が高まったと述べた団体もある。一方、危機の中で民主主義への満足度が低下したと答えた回答者は、市民権や人権への影響を指摘した。また、回答者の中には、今回の危機により政府に課題に対処し、市民のために成果を上げる能力がないことがわかったと強調する人々もおり、より悲観的な見通しが強まり、政府の施策の一貫性にも疑念が持たれた。また、世代間格差の拡大、社会的弱者への支援の欠如、政治・社会の分極化の進行、透明性と健全性の欠如、信頼できる情報、フェイクニュースの蔓延、説明責任の欠如などについて懸念を示す回答もあった。

 2.若者の危機を緩和するための政府の対応

 公平で包摂的かつ危機対応力ある復興のための戦略的対応と資源の活用

第2節では、OECD諸国で公開されている34の国の対策・復興計画を分析したベンチマーク調査の結果を紹介する。12部門別および国別の対応は、この分析では考慮していない。2021年末までに、少なくともOECD加盟34カ国が、パンデミックの複雑な経済的、環境的、社会的影響に取り組むための全政府的対策・復興計画を打ち出した(表1)。例えば、欧州連合では、 Next Generation EUの刺激策とEU長期予算により、各国の復興の取り組みを後押しし、より環境に優しく、デジタル化が進んだ、強靭な欧州の再建を支援する目的で、2兆1008億ユーロが割り当てられている(EC, 2021[43])。景気刺激策の主要な手段であるResponse and Resilience Facility (RRF) は、次世代、子供、若者のための政策に関する「柱6」を含む、6本の柱で構成されている。13現在までに、EU域内のOECD加盟21カ国が、この6つの中核的な柱に導かれた全政府的戦略を発表している。

アイスランド、トルコ、英国、韓国、日本など他のOECD諸国は、COVID-19危機から回復するために国家統合戦略を練っている。オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、ノルウェーは、年間予算を戦略的な復興対策に充てることを選んだ。それぞれの施策は、各国の国情に応じた固有の課題に対応しているが、比較分析によると、環境、デジタル、経済というテーマは、すべての国で共通の優先事項として挙げられている。

 
図9. OECD諸国の大半は、国の対策・復興計画に若者向けの具体的な施策を盛り込んでいる、2021年

注:図は、2021年11月までに全政府的対策・復興計画を発表したOECD加盟国32カ国を収録。チリ、イスラエル、メキシコ、オランダ、スイス、米国は、現時点で比較可能な資料が公開されていないため除外している。

出典:各国の対策と復興策の立案を担当する政府機関のウェブサイトから入手可能な情報に基づいて、OECDが計算。

表1は、OECD 諸国の国による対策・復興計画における若者を対象とした公約(youth commitments, 以下「若者への関与」)を、OECD の「国家青年戦略評価枠組み(OECD Assessment Framework of National Youth Strategies )」((OECD, 2020[25]) )の手法に沿って、グッド ガバナンスの原則、特に証拠に基づき、参加型で、予算が組まれ、部門横断的であるか否かを評価した結果を示している。14分析によると、29カ国がその復興計画に若年層向けの関与を盛り込んでいる(図9)。さらに、比較可能な32の計画のうち27では、雇用、教育、医療、精神衛生、スポーツ・芸術・レジャー活動への参加、ボランティア活動への参加という6つの政策分野のうち少なくとも一つについて、パンデミックの若者への影響を示す証拠が盛り込まれている。26の計画には、教育や雇用の分野を超えて、住宅、精神衛生、刑事司法制度といった領域における分野横断的な影響に対処するために、若者に特化した関与が含まれている。その一方で、復興計画の策定にあたって若者と協議したことを明記している国はわずか10カ国である。若者に特化した関与を実施するための具体的な予算は、27の復興計画で割り当てられている。

 
表1. OECD諸国における各国の対策・復興計画における若者への関与の評価

国名

証拠に基づく*

参加型**

若者への関与の予算が組まれている

分野横断的***

オーストラリア

オーストリア

ベルギー

カナダ

コロンビア

コスタリカ

チェコ

デンマーク

エストニア

フィンランド

フランス

ドイツ

ギリシャ

ハンガリー

アイスランド

アイルランド

イタリア

日本

韓国

ラトビア

リトアニア

ルクセンブルク

ニュージーランド

ノルウェー

ポーランド

ポルトガル

スロバキア

スロベニア

スペイン

スウェーデン

トルコ

英国

OECD合計

はい

25

10

27

26

○ いいえ

7

22

5

6

注:データは、2021年11月までに政府全体の対策・復興計画を公表したOECD加盟32カ国のもの。チリ、イスラエル、メキシコ、オランダ、スイス、米国の復興対策は、当時比較可能な計画がなかったため除外されている。 * 証拠に基づく:国の復興計画には、パンデミックの影響を年齢別に細分化した統計情報が含まれており、特に若年層への影響に焦点が当てられている。** 参加型:復興策の立案時に、青年団体や若者と協議したことを計画に明示している。***部門横断的:雇用や教育以外の様々な政府部門において、若者への具体的な関与が含まれている。

出典:2021年に各国のパンデミック対策と復興措置の立案を担当する政府機関のウェブサイトから入手できる情報に基づき、OECDが計算したもの。

 パンデミック期およびそれ以降に若者を支援する統合的アプローチ

各国政府は雇用、能力開発、教育への影響に対処するため、主に若年層に力を注いできた(OECD, 2021[41]) が、対策・復興計画の大部分でも、身体的・精神的医療、デジタル化、社会サービス、公共インフラ投資、スポーツ・文化・レジャーなど、他の政策分野にわたる若年層への支援措置も概説している。OECDの過去の調査結果(OECD, 2020[25]) と同様に、対象人口である「若者(youth)」の定義は国ごとに異なっており、このことが、各国政府が実施している施策の種類に違いがある理由と考えられる。こうした違いはあっても、パンデミック期を通じて若者が経験した課題の多様性(第1部参照)を考慮すると、政府の施策に複数の部門と関係者を統合的かつ協調的に関与させる必要がある。

各国の対策・復興計画では、緊急時の初期投資を拡大するとともに、雇用、技能、教育などの政策分野で若者を支援する新たな施策を打ち出している。例えば、フランスは「1 Youth, 1 Solution (1 Jeune, 1 Solution)」 計画に含まれる多くの財政支援制度の期間を、2021年12月から2022年6月まで延長した。この計画には、実習やインターンシップを提供する企業に対する資金援助も含まれている(Government of France, 2021[44]) 。さらに、オーストリア、ベルギー、コロンビア、チェコ、ドイツ、米国は、学校を中退した若者を復学させ、社会的弱者に属する生徒の学力の遅れに対処する教育プログラムを開始した。例えば、ドイツのプログラム「COVID-19 Catching Up Action Programme for children and adolescents for years 2021 and 2022」は、ボランティア活動、文化活動、精神的支援を通じて不利な環境にある若者を支援している(BMFSFJ, 2021[45]) 。実証によると、学習格差に取り組み生徒の教育成果を向上させるには、様々な政府機関、外部の関係者、サービス、教育部門の連携を強化することが重要である(OECD, 2021[46])

エストニア、フランス、アイルランド、イタリア、リトアニア、ニュージーランド、ポーランド、トルコ、英国などの雇用・技能向上プログラムは、若者の労働市場への参入障壁を引き下げ、雇用された若者を確実に定着させることに重点を置いている。これらの計画では、「仕事の未来」に向けて若者を教育する生涯学習の機会やデジタルリテラシー・プログラムへの資金援助も増やしている。

パンデミックが精神衛生に及ぼす影響に対する懸念が高まっているため、オーストラリア、カナダ、フィンランド、スロバキア、ポルトガルは、この分野の関連政府部門のデータ収集能力強化に投資している。例えば英国は、子供と若者の精神衛生対策に7900万ポンドを追加することを発表した(OECD, 2021[41]) 。さらに、ほとんどのOECD諸国は、教育、雇用、その他の政府サービスの利便性の分野で、サービスを近代化し、若者の利便性を向上させるための電子化改革に着手している。同様に、ほぼすべての国々が、国の教育制度または対象を絞った教育イニシアティブを通じて、国民のデジタルスキルを向上させるプログラムを盛り込んでいる。

オーストラリアとカナダは、パンデミック期に若年女性が家庭内暴力やジェンダーに基づく暴力を受けるリスクが高まったことを認識し、ロックダウンなどのパンデミック関連の影響を考慮して、こうしたリスクに対処する新しい戦略を策定した(カナダについては、コラム 2 参照)。

危機が若者の生活に及ぼす影響に効果的に対処するためには、統合的なアプローチを採用することが極めて重要である (OECD, 2020[25]) 。例えば、フィンランドとカナダは、既存のガバナンス・メカニズムを調整し、様々な部門と閣僚の職務にわたって若者向けの公共サービスをより一貫して提供できるようにした(フィンランドについてはコラム 1 参照)。

 
コラム 1. 政府の部門横断的アプローチにより、若者が抱える複雑な課題に対処する
フランスの対策・復興計画:芸術、スポーツ、精神的健全性を通じた社会的排除と孤立への取り組み

フランスは国の復興計画の一環として、復興に携わる若者を支援し、世代を超えた連帯感を醸成するために、360億ユーロ以上の投資を行うことを公約している。特に、若者の労働市場参入を支援する計画、“One Youth, One Solution” (Un Jeune, Une Solution)が拡大された。社会的疎外と孤絶の影響に対処するために、芸術やスポーツへの若者の参加を支援することになっている。特に、若者が文学に親しみ図書館をもっと利用するように、この復興支援金の中から5300万ユーロを割り当てている。また、“Santé Psy Étudiant”(最大8回のセラピーを無料で提供する全国的な政府プログラム)と連携し、若者の精神衛生を支援することも計画に盛り込まれている。

フィンランドの対策・復興計画:青少年のためのワンストップ・サービス

フィンランドでは、国の復興計画にサービス拠点、"Ohjaamo(Cockpitという意味)の機能向上のための予算改革が盛り込まれている。このサービスは、30歳未満の市民が教育と雇用、精神衛生、住宅など幅広い公共サービスを利用するための「ワンストップ・ショップ」の役割を担っている。この改革では、様々な政府部門が提供する公共サービスをよりよく統合し、より簡単に利用できるようにすることを目的としている。

コスタリカの対策・復興計画:生徒の社会情動的発達と共同体の暮らし良さ(幸福、well-being)を実現するために

コスタリカの復興計画では、生徒の社会情動的発達と暮らし良さ(幸福)を確保することを目的とした部門横断的計画の実施に資金が割り当てられている。生徒の家庭環境、感情面、精神面での自己調整能力の評価など、COVID-19の社会情動的影響を明らかにする研究は、国の教育プログラムの方向性に情報を与える。また、同国の教育省は、危機の影響を受けた弱い立場の学生に対して、奨学金支援を行う予定である。

出典:フランス:(Government of France, 2021[44]; France, 2022[47]);フィンランド:(Government of Finland, 2021[48]);コスタリカ:(MIDEPLAN, 2021[49])

 脆弱な環境にある若者のニーズに応える

パンデミックは、その発生以前から存在した長年の構造的不平等を露呈させた。COVID-19 の社会経済的影響により、社会的弱者が特に大きな打撃を受けていることはよく知られている(OECD, 2020[18])。こうした影響は若者と若い女性、また次の少数者グループに属する人々に対して特に大きい:家庭内暴力のリスクが高いる思春期の若者と子供、移民の若者、障害のある若者、社会経済的出自の低い若者、ニート(第1部参照)。

調査結果によると、少なくともOECD加盟24カ国が、対策・復興計画の中で、脆弱な環境で暮らす若い女性と若者それぞれの課題を理解し、対応するための協調的な取り組みを行っている。例えば、オーストリア、コロンビア、コスタリカ、イタリア、ニュージーランド、ポルトガルは、農村と都市の若者の間に存在する機会の格差を埋めるために、教育と雇用の分野に戦略的な投資を行うことを公約している。コスタリカは、COVID-19 の影響を最も大きく受けている農村地域の若者と女性を対象にした労働市場参入プログラムを開始する予定である(MIDEPLAN, 2021[49])。カナダは、「ジェンダーに基づく暴力をなくすための国家行動計画(National Action Plan to End Gender-Based Violence)」の策定に若い女性を参加させ、少数民族の共同体の社会的結束を高めるために、若者が主導する基金や財団に資金を提供している(Government of Canada, 2021[50]) 。フランス、ベルギー、エストニアが特に注力しているのは、スキルを身につけ、雇用主に若者の採用を促すための新しいプログラムや研修を通じて、ニートを労働市場に吸収しようとしている(Government of France, 2021[44]; Government of Belgium, 2021[51]) 。エストニアではニートのニーズに対応するために、地域のニーズに合わせた雇用・技能開発プログラムを設計、実施できるように、政府の国家復興計画で地方自治体に予算を割り当てている (Government of Estonia, 2021[52]) 。デジタルツールへのアクセス向上、教育・雇用プログラムの開始、障害を持つ若者のニーズに合わせた解決策も、20以上のOECD加盟国の計画で大きく取り上げられている。例えば、フランスの復興計画では、2020年9月から2021年12月の間に、あらゆる年齢の障害者を採用した雇用主に対して、彼らを組織に統合するための資金として最大4,000ユーロを支給することを明記している(Government of France, 2021[44])

OECDの調査から得られた実証によれば、こうした措置にもかかわらず、青年団体はそれでは不十分だと懸念している。OECD加盟国全体で、パンデミック期に自国政府が脆弱なグループに行った支援の程度に満足していると答えた回答者はわずか39%である。非加盟国では、満足していると答えたのは回答者の約4分の1(26%)である(第1節参照)。政府は、パンデミックによって拡大する不平等に取り組み、支援が届きにくい共同体の支持を得るために、的を絞った対策に投資し、その効果を定期的に監視・評価し、脆弱な僻地出身の若者を復興対策の計画・実施に関与させることを検討するべきである。

 
コラム 2. 若者のCOVID-19危機を緩和するための部門横断的アプローチ
カナダの2021年予算:少数民族のための中等教育への投資とジェンダーに基づく暴力対策

カナダの2021年度予算には、若い女性が大半を占める先住民族の学生がCOVID-19期に中等教育を修了できるよう支援する公約が盛り込まれており、男女の賃金格差を埋めるべく、若い女性にはその出自に関わらず育児や財政支援が提供されることになっている。この予算はまた、被害者(その半数は18~24歳の若い女性)を支援し、草の根組織に資金を提供し、GBVと闘うプログラムに男性や少年を参加させるために、「ジェンダーに基づく暴力をなくすための国家行動計画(GBV)」に資金を提供している。

2021年米国救済計画法 (American Rescue Plan Act of 2021):脆弱な若者を対象に教育と雇用の格差を埋める

2021年の米国救済計画法では、パンデミックに関わる若者と子供の学業面、社会面、そして感情への影響に対処するための資金が割り当てられ、若者を対象とした学習格差是正対策がとられている。低所得の若者、障害のある若者、英語が母語ではない学生、移民の若者、人種的・民族的少数者の若者、ホームレスを経験した若者、里親の元にいる若者などに焦点が当てられている。

ベルギー青少年省:創造的な活動を通じて脆弱な子供と若者に働きかける

ベルギーの青少年担当大臣は、COVID-19危機の際、有意義でやりがいのある創造的なレジャーを通じて社会的弱者の子どもと若者の危機対応力を高めるプロジェクトの枠組みで、59件のプロジェクト助成総額200万ユーロ以上承認した。

スウェーデンの対策・復興計画:若い移民の支援

スウェーデン政府は、後期中等教育に在籍する若い移民が卒業後に求職する期間を6カ月から12カ月に延長した。卒業後に仕事を持つことは、滞在許可証の更新や永住権取得の必要条件である。

スロバキアの対策・復興計画:十代の妊娠と若い女性の家庭内暴力対策

スロバキアの復興計画には、ロックダウンと外出制限令の期間に、10代の妊娠や家庭内暴力といった若い女性のリスクに対する脆弱性が増大したことに対処するための規定が含まれている。若い女性がこうしたリスクに対処できるよう、メンタリングや個別指導のサービスを提供するための資金が充当されている。

出典:カナダ:(Government of Canada, 2021[50]); 米国:(U.S. Congress, 2021[53]); ベルギー:(Council of Europe, 2020[54]); スウェーデン:(Government of Sweden, 2021[55]); スロバキア:(Government of Slovak Republic, 2021[56])

 現在と未来のすべての世代に配慮する

対策と復興策がすべての年齢層にとって公平であったかどうか、現在の政府支出の長期的な財政的持続可能性や将来の世代が背負うかもしれない負担についての懸念は、OECD諸国におけるメディアの論議と政策立案に浸透している。ワクチン接種キャンペーンから学校や職場の開放の優先順位まで、調査対象の青年団体はしばしば、自分たちのニーズが考慮されているか、懸念を表明している(第1節参照)。同様に、青年団体と高齢者層が共同で危機に対処する取り組みを行っている事例がある一方で、パンデミックは対面での交流の機会を減らし、社会経済的格差を拡大させることで、世代間の溝を広げている(Ward, Flesicher and Towers, 2021[57])

復興に向けて、各国はこれらの懸念の払拭に努めている。欧州連合では、RRF規則第3条に導かれたNext Generation EU のRecovery and Resilience Facility (RRF)が、その柱の一つとして「次世代、子ども、若者のための政策」を設計するよう各国に呼びかけている(EC, 2021[43]) 。若者や将来の世代の幸福に関する配慮が政策立案のすべての領域に統合されるようにするために、OECDの実証では、いくつかの国が取り入れている、独立機関を設立して現行の投資が将来的に重大な意味を持つことを認識して新しい公的ガバナンス手段を用いるという革新的な取り組みの例を挙げている(OECD, 2020[25])

ウェールズの次世代委員会が採択した"Fit for the Future Programme for Government"は、長期的思考を行政全体に統合しようとする英国の取り組みの例である(OECD, 2020[3]) 。このプログラムでは、委員会は長期的な影響を考慮し、将来の世代の声を反映させた復興投資を提案している。例えば、住宅の脱炭素化やグリーン雇用の創出につながる投資を優先すること、労働市場から最も遠いところにいる人々をに関わる技能プログラムを立ち上げること、すべての政策決定に幸福経済(well-being economics)の考え方を適用して国の幸福目標に沿った支出を行うこと、ウェールズの自然環境を回復させるための国家自然保護局を設立することなどが提案されている。

現在までに、OECD加盟20カ国が、復興計画の世代間の影響の違いについて何らかの形で議論している。例えば、ドイツでは、人口動態の変化により労働市場参加がどのような影響を受けるかという評価を計画に盛り込んでいる。特に、復興計画では、若者の雇用喪失と不完全雇用、年金や若者支援を含む社会サービス提供に対する現在の支出レベルを維持することの可能性、将来の高齢者層への影響などについて議論している。オーストリアの復興計画では、将来世代が背負う公的債務や環境負荷、年齢層別の社会的流動性の変化、医療の優先順位などを考慮している(Government of Austria, 2021[58]) 。ベルギー、チェコ、エストニア、ポルトガル、スロベニアは、自転車用道路や社会住宅の建設など、インフラ投資において将来の世代のニーズを見込んでいる。

対策・復興計画の立案と実施は、各国が世代間レンズ を採用し、財政的決定がもたらす分配への影響を予測する機会となる(OECD, 2020[25]) 。カナダ、ベルギー、ドイツ、スロベニア、ニュージーランドは、程度の差はあるが、すでに測定枠組みを使用している。例えば、カナダのジェンダー成果枠組み(Gender Results Framework)は、予算全体の関わりが、性別や年齢を含む様々な人口グループにどのように妥当性を持ち、影響を与えるかを評価している(Government of Canada, 2021[50]) 。ニュージーランドの予算には、医療の成果に焦点を当てた世代間の幸福を達成するための改革が盛り込まれており、その内容は生活水準枠組み(Living Standards Framework)から情報を得ている(New Zealand Treasury, 2021[59])。スロベニア人口基金(Demographic Fund)は、若い市民と高齢者の声を含む世代間の連帯を基礎に、公正でバランスのとれた財政計画を確保することを目的としている。(Government of Slovenia, 2021[60])

ルール作りや公共予算において年齢特有の影響を予測、評価することに加え、公職と意思決定において、異なる年齢層の懸念を反映するには、年齢の多様性が重要である。例えば、ポルトガルとイタリアは、行政部門に若い職員を雇用、維持するためのプログラムを開始した(コラム 8参照)。一方、リトアニアとラトビアは、社会的結束を築き、デジタルリテラシーのスキルを向上させるプログラムに高齢者層と若者を参加させている(コラム 3 参照)。

 
コラム 3. 若者と高齢者の復興の取り組みへの参加
ラトビアとリトアニアの復興計画:デジタルリテラシー・プログラムに若年層と高齢層を参加させる

ラトビアとリトアニアは、デジタルリテラシー・プログラムを通じて若者と高齢者が交流する機会を増やす取り組みの概要を明らかにしている。例えば、高齢者のデジタルリテラシーを高めることを目的とした“Connected Lithuania”プログラムは、同国の対策・復興計画の下で拡大され、若者と高齢者の団体が共同で主導するプロジェクトを支援するようになった。この新しい資金援助は、社会から疎外された人々や高齢者のデジタルスキルを向上させ、労働市場への統合と社会的結束の構築を図ることを目的としている。

出典:ラトビア : (Government of Latvia, 2021[61]); リトアニア :(Government of Lithuania, 2021[62])(Government of Lithuania, 2021[62])

 意思決定に必要な年齢別実証の収集

COVID-19 危機の影響に関する年齢別データを収集することは、復興対策を包摂的で、様々な年齢層の幸福を考慮したものにする上で極めて重要である(OECD, 2020[25]) 。これは、現在の人口ニーズに対応するためだけでなく、将来のリスクを特定し、政府が長期的に変化するニーズを予測し対応できるようにするためにも重要である。

現在までに、少なくとも OECD 加盟 29カ国が、復興計画の一環として、危機が若年層に及ぼす影響に ついて詳細な証拠を収集し、年齢層ごとの不平等を追跡調査している。このような慣行は、若者が政府の直接的なターゲットとなる雇用や教育政策において最も確立されている。パンデミックが若者に与える部門横断的な影響を反映させるため、ベルギー、カナダ、コロンビア、フランスは、精神衛生面の影響、住居の利用、家庭内暴力にさらされる可能性など、若者の幸福度を測るための指標をより包括的に考慮した(Government of Belgium, 2021[51]; Government of Canada, 2021[50]; Government of France, 2021[44]; CONPES, 2021[63])

規制影響評価は、新しい法律や規制の予想される影響について、証拠に基づく分析を取り入れるための体系的なアプローチを提供する。このような証拠は、ある課題に対して、新しい法律で効果的かつ効率的に対処できるのか、それとも意識向上プログラムなどの非規制的な代替介入で対応できるのかを判断するのに役立つ。「ユースチェック(youth checks)」は、各国が政策立案や立法に若者の意見をより体系的に取り入れるための規制影響の事前評価の一例である(Bethke and Wolff, 2020[64]; OECD, 2020[25]) 。例えば、ドイツでは「ユースチェック」を用いて、法案が若者に与える影響を調査し、法案の意図する効果と意図しない効果を明らかにしている(Germany, 2021[65]) 。ベルギーのフランダース地方では、地方政府のイニシアチブに基づいて、25歳未満の人の利益に直接影響を与えるすべての法案に児童・青少年影響報告書を添付しなければならない(Desmet, 2021[66])

「ユースチェック」を導入している国々(オーストリア、フランス、ドイツ、ベルギー・フランダース地方、ニュージーランド)の復興計画には、このツールが適用されているか、または今後適用されるかという情報は収録されていない。しかし、カナダの2021年予算措置の設計とモニタリングは、同国の「ジェンダー成果枠組み(Gender Results Framework, GRF) 」と「ジェンダーに基づく分析プラス(Gender Based Analysis Plus, GBA Plus)」によって、性別、人種、民族、宗教、年齢、精神障害または身体障害によって区別された人口集団に対する制度的不平等と政策の影響を評価している。この分析を通じて集められた情報は、カナダの2021年予算と復興策の設計とモニタリングに役立てられた(Government of Canada, 2021[50]) 。コスタリカは、農村部におけるCOVID-19の影響に対処するため、地域全体で若者の教育・雇用実績をモニターしている(MIDEPLAN, 2021[49]) 。ニュージーランドの「青少年幸福枠組み(Child and Youth Wellbeing Framework)」は、現在と将来の世代のニーズを予測するために、様々な政府部門にわたる改革を特定するためのレンズを提供した(New Zealand Treasury, 2021[59])

 
コラム4.実証に基づく若者への関与
コスタリカの対策・復興計画:地域を超えた人材構築

コスタリカの復興計画では、「人材構築(building human capital)」を重要な優先事項のひとつに挙げている。この柱の下での関与には、教育と雇用の改善に貢献する施策と、社会的結束を高める施策が含まれている。コスタリカ国内には大きな地域差があるため、同国の復興計画では、改革や投資によって期待される各地域の学生と若年労働者一人あたりの労働市場と教育の成果に関して、定量的な指標を概観している。

イタリアの対策・復興計画:財政政策がもたらす影響の定量化

イタリアの対策・復興計画は、財務省が開発したMACGEM-ITモデル(財政政策の直接的、間接的影響を細分化して定量化するツール)を使って作成された影響評価に基づいている。提案された施策が労働市場にもたらすと予想される成果などの情報は、性別、年齢別に分類され、計画全体で考慮されています。その計画では、若者支援策は「世代間ギャップ:若者(Generational Gaps: Young People)」という独立したセクションで紹介されている。

出典:コスタリカ:(MIDEPLAN, 2021[49]); イタリア:(Government of Italy, 2021[67])

 対策・復興策の設計と実施への若者の参加

若者の意見を聞き、対策・復興策の設計に参加させることは、彼らの個人としての成長にプラスの効果をもたらし、社会的結束を築き、政策に十分な情報を与え機動的なものにすることができる(OECD, 2017[38])。さらに、政府が積極的にコミュニケーションをとり、市民を政策サイクルに関与させることで、若者を含む市民の賛同と関与を得ることができる(OECD, 2017[38]) 。2020年には、多くの国々が、危機への対応策の設計に若者を参加させるため、オンライン協議などのデジタル参加の機会を設けた(OECD, 2020[3]) 。OECD加盟国の大多数(25カ国)にはすでに国レベルの青年協議会があり、政府が情報を集め、幅広い協議を行い、共同活動やプログラムを運営するのに役立っている。さらに、OECD加盟国のうち17カ国は、政府や特定の省庁に所属する青年諮問委員会を設けている。例えば、デンマークでは、環境・食糧省が青年気候評議会を設置している(OECD, 2020[25]) 。しかし、対策・復興計画について入手可能な情報によると、対応・復興措置の計画・実施に国家青年委員会を関与させている国は、エストニアだけである(Government of Estonia, 2021[52]) 。計画には明示されていないが、他の国々、例えばカナダは、国の対策・復興計画の立案にあたり若者と協議している(Government of Canada, 2021[68])

一部の国々の政府は、危機の初期段階において、革新的な緊急対応を通じてデジタルを活用して有権者を関与させるよう努めてきた。その例として、ドイツ、エストニア、リトアニア、ポーランド、スイスで実施されたハッカソンがありる(OECD, 2020[3]).しかし、こうした取り組みにもかかわらず、パンデミックの封じ込め対策によりOECD諸国全体で市民のための空間が減少した。2021年にはほとんどのOECD加盟国で封じ込め措置が徐々に緩和されたが、ロックダウンやそれと同様の措置が継続される見込みは、市民が市民権を行使する方法に引き続き影響を与える可能性がある。

国の対策・復興計画および予算に関する評価から得られた知見によると、OECD加盟10カ国のうち、その策定中に若者または青年団体に相談したと明確に述べている国は3分の1以下である(表1 )。一方、第1節で紹介したOECDの調査結果によると、ロックダウンや外出制限措置の決定、ワクチン接種キャンペーンにおける年齢別の優先措置、その他の対策・復興措置において、大多数の青年団体は若者の意見が考慮されていないと考えている。同時に、OECD 諸国の回答者の 72%が、危機が若者の権利に与える影響について懸念を表明した(セクション 1 参照)。コラム 5 では、オーストラリア、オーストリア、リトアニア、メキシコ、スロバキア共和国において、政府が国の復興対応策に若者を関与させた事例を紹介する。

 
コラム 5.復興対策の立案において若者と連携している国の例
青年団体の参加

オーストラリア、オーストリア、エストニア、リトアニア、スロバキアでは、公聴会に主要な利害関係者として青年団体が参加していた。オーストリアでは、青年団体を含む市民団体が提案した各施策が、若者と将来の世代に関する柱を含む表で表示された。オーストラリアでは、2021~2022年予算の優先順位について意見を述べた青年団体のリストが公開されており、青年団体を含む非機密の提案は透明性が高く、オンラインでアクセスできるようになっていた。エストニアでは、対策・復興計画の策定に至る協議において、全国青年協議会が主要なパートナーとして参加している。

組織化されていない若者の参加

メキシコでは、若者研究所(IMJUVE, Institute of Youth)、保健省、人口評議会が5万人以上の若者を対象に、教育、雇用、健康、暴力、危機対応力の分野で調査を実施した。集められた証拠は、VoCEs-19報告書の作成に活用され、社会の感受性や若者のニーズに対応した部門レベルでの公共政策の設計、実施、分析に役立てられた。新たな傾向とニーズを把握するために、2021年11月~2022年2月に2回目の調査が計画された。

出典:オーストラリア : (Government of Australia, 2021[69]);オーストリア : (Government of Austria, 2021[58]);エストニア :(Government of Estonia, 2021[52]);リトアニア :(Government of Lithuania, 2021[62]);スロバキア共和国 :(Government of Slovak Republic, 2021[56]);メキシコ : (Mexican Health Secretariat, 2021[70])(Mexican Health Secretariat, 2021[70])

 3. コミットメントを超えて:COVID-19からの復興において、若者を支援し世代間の公正を育むためのガバナンス・アプローチ

復興における若者への関与を有効に実施するには、公的ガバナンスが不可欠である。これには、世代間の影響を考慮した上で、そのような措置の開発・実施に十分な資源を配分することが含まれるが、それに限定されるわけではない。また、プログラムや施策の実効性と期待される効果の創出を確保するには、データの収集と体系的なモニタリングと評価に頼ることになる。そして、若者と他の青年団体などが政府の説明責任を追及できるように、強力な責任メカニズムが求められる。

本節では、国の対策・復興計画における若者特有のかかわりを、これら3つの側面に沿って確実に成功させるためのOECD諸国の取り組みを分析する。さらに、国レベルの対策・復興計画を持つ国々が、その実施に若者や青年団体を参加させるために行ってきた取り組みについての洞察も示している。

 すべての世代にとって公平で持続可能な方法で資源を配分する

パンデミックの発生以来、OECD諸国政府は、企業、家計、医療分野を支援する財政政策を採用し、そのうちのいくつかは若者を直接の対象としている。国レベルの復興計画と戦略的予算を持つOECD加盟27カ国は、若者を特に対象とした施策を実施する予算枠に関して情報を提供している。少なくともOECD加盟20カ国は、学生手当、求職者支援、生活保護費などの若年層に対する所得支援を、その受給資格基準の拡大や金銭的支援の増加によって拡大することを公約している。同様の傾向は、雇用助成の支給、技能訓練プログラムの提供、若者に対する精神医療サービスの提供などにも見られる(OECD, 2021[41]) 。財政支出の持続可能性と異なる社会集団間での公平な資源配分を確保するため、スウェーデンではジェンダー予算編成ツール「ジェンダー平等予算(BUDGe for Gender Equality)」を活用し、社会サービスの提供や若い女性の公的教育など様々な政府部門にわたる公共支出を決定している(Government of Sweden, 2021[55]) 。このツールで得た分析によると、復興計画の一環として提案された住宅政策は、誰よりも若い女性に恩恵をもたらすとされている (Swedish Ministry of Finance, 2021[71])

国の対策・復興計画や予算の設計に伴い、財政計画や予算編成に世代間の公平性への配慮が徐々に導入されつつある。例えば、Next Generation EU のRecovery and Resilience Facility (RRF)の資金メカニズムは、公財政管理において長期的な視点を採用し、環境問題に取り組み、若者と将来の世代の幸福を考慮するよう各国に指示している。RRFから資金援助を受けるには、復興計画で予算の37%以上を気候と生物多様性の保護対策に充てなければならない。また、計画は、各国の対応・復興計画に盛り込まれた国ごとに出された勧告と一貫性がなければならない。この勧告には、「EU若者保証プログラム(EU Youth Guarantee)(EC, 2021[72]) 」に導かれた若者と将来の世代に対する公約が含まれることが多い。

独立財政機関の原則に関するOECD勧告(OECD Recommendation on Principles for Independent Fiscal Institutions)は、独立財政機関(IFI)を年齢別に異なるレンズを通して政策の財政的持続可能性を分析することに関与させることで、各国が政策策定過程に世代間の配慮を取り入れることを指針としている(OECD, 2014[73])

 若者特有の公約の実施状況

各国政府が国レベルの対策と復興の取り組みに動員している多大な資源に照らせば、公的な監査は特に重要である。効果的なモニタリングと評価のシステムは、市民、メディア、独立機関に政府の行動の監視役を果たすのに必要な情報を提供するため、説明責任と透明性を高めることができる。若者を対象とした施策の実施状況を把握し、不平等に対処し、意思決定に反映させるために、実証の収集、活用、共有を年齢その他の横断的なアイデンティティ要因ごとに細分化する必要がある(OECD, 2020[74]) 。このような取り組みは、データの収集と共有のための明確な取り決めの確立、可能であれば国の統計局や関係省庁、研究機関との共同アプローチと連携して、新しい政策、プログラム、関連措置に反映されるべきである。

現在までのところ、対策・復興計画と予算において、成果指標と若者を対象とした施策が関連付けられているのは10件のみで、その多くは教育分野である。例えばコスタリカは、地域ごとに新設される学校の数、対象となる生徒数、生徒一人あたりの投資額に関する情報を公開している(MIDEPLAN, 2021[49]) 。イタリアは、教師の訓練と雇用に関する情報を収録し、教育成果における地域格差に対処、把握するためのメカニズムを設置することを公約している(Government of Italy, 2021[67]) 。韓国の計画には、学校をより環境的に持続可能なものとし、若者にデジタル技術を教えるための設備を充実させることを目的とした成果指標が含まれている(MOEF, 2020[75])。カナダ、フランス、スロベニアの計画には、若者への関与のそれぞれについて目標指標と予想される影響が含まれており、 どの政府機関や関係者が実施に責任を持つかを明らかにしている。(Government of Canada, 2021[50]; Government of France, 2021[44]; Government of Slovenia, 2021[60]) 。また、ドイツの国レベルの復興計画では、若者向けを含むすべての公約について、完了までのスケジュール、目標、定性的指標が示されている(Ministry of Finance in Germany, 2021[76])

 公平で包摂的かつ危機対応力ある復興を実現するための若者との連携

この20年間、各国政府は公共サービスの提供において、有権者のニーズに応え、多面的な課題にり組む上で実効性を高めることを目指して、市民団体や市民との連携を強化してきた(OECD, 2011[77]) 。調査結果によれば、市民社会をサービスの提供に関与させることは、生産コストの削減、サービスに対する満足度の向上、複雑な社会問題を克服するための社会および政府の能力構築という点で、より良い結果につながる(OECD, 2016[78])。共同制作、つまり政府のプロジェクトやサービスの計画や提供に市民を参加させる行為は、特に少数民族や支援が届きにくいコミュニティを対象とする場合、サービスの失敗を発見するのにも役立つ。共同制作の例としては、若者主導で学校を中退した人々を教育に戻すためのプログラムや、若者の犯罪再犯を減らすためのコミュニティ・プログラムなどがある(Singh and White, 2000[79]; OECD, 2011[77])

2021年7月から8月にかけてOECDが調査したほぼすべての青年団体は、パンデミックの影響に取り組んでいた。例えば、若者主導のコロナウイルス地域ボランティアネットワーク(CCV Global)は、人々が40カ国以上のボランティア活動の機会を利用できるようにする革新的なデジタルインフラを開発した。モバイルの位置情報アプリを利用して、ボランティアは資源と、脆弱な人々とつながりを持ち、支援を提供する。こうした若者主導の取り組みにもかかわらず、2021年末時点で国の対策・復興計画に、若者にかかわる公約の実施に彼らをどのように関与させるかを明記しているのは、OECD加盟国のうち8カ国だけである。多くの計画では、デジタル化キャンペーンの実施、精神面の支援、教育・雇用プログラムの提供などに青年と青年団体が関わることを想定している。例えばデンマークは、気候政策公約(Ministry of Finance in Denmark, 2021[80]) のもとで、若者気候会議の能力を高めるために資金を割り当てることを公約している。カナダは、危機対応力と結束力を高める取り組みの中で、政府サービスの一部としてではなく、自律的に地域活動を行う若者や地域組織への資金提供を増やした(Government of Canada, 2021[50]).

 
コラム6. 復興に向けた取り組みへの若者の関与
ベルギーとラトビア:デジタル改革推進への若者の参画

ベルギーとラトビアは、デジタル改革プロジェクトの実施に若者を参加させている。ベルギーでは、若者とシニアの団体が連携して、デジタルインフラやサイバースペースを社会的弱者にとって利用しやすいものにするプロジェクトを実施する予定である。ラトビアでは、若者を含む国民のデジタルリテラシーを向上させる国レベルの計画の実施に、政府がラトビア学生連合を参画させている。

カナダ:社会的結束の構築における若者との連携

カナダの2021年度予算では、多くの市民社会団体が助成金を受け取り、実施のパートナーとなっている。例えば、黒人主導の慈善基金は、人種差別と戦い、黒人コミュニティの社会的・経済的成果を向上させるプロジェクトに資金を提供するために設立され、特に黒人の若者を関与させることを目的としている。2008年に設立されたモントリオールの非営利団体、Youth Stars Foundationは、言語や文化が多様な若者を支援する団体で、生活力と健康的な生活習慣の育成を通じて、脆弱な環境にある若者を支援するプログラムへの資金提供を受けた。

フィンランド:若者が仲間とかかわることで雇用と精神衛生の成果を向上させる

フィンランドの復興計画の一環として、社会保健省は、同国の労働者の精神衛生と生産性を強化するログラムの実施を公約している。仮想空間で行う精神的支援トレーニングの開発や、自己評価ツールの普及といった活動が含まれている。パンデミックが労働市場に参入する若者に与える重要な傷跡を認識し、社会保健省は中等職業学校と学生団体をプロジェクトの実施者およびパートナーとして特定した。

オーストラリア:地域レベルの復興対策の共同プロデュースに若者を参加させる

南オーストラリア州のオンカパリンガ市は現在、15歳から25歳の若者をつなぎ、スキルアップさせることを目的とした、若者主導の復興プロジェクトを展開している。このプロジェクトは、次の3つを主軸としている:i)クリエイティブ産業に従事する人々を対象とした企業支援プログラム、ii)若者が企画するデジタルストーリーテリングプログラム、iii)若い求職者に雇用機会を与える職業体験プログラムの設計と提供。このプロジェクトは、頼れる機会を作るだけでなく、社会的、経済的、感情的な幸福を向上させ、孤立を減らし、若者が意思決定に参加する機会を増やすことを目的としている。

出典:ベルギー:(Government of Belgium, 2021[51]);ラトビア:(Government of Latvia, 2021[61]);スロベニア:(Government of Slovenia, 2021[60]);カナダ:(Government of Canada, 2021[50]);フィンランド:(Government of Finland, 2021[48]);オーストラリア :(Local Government Association of South Australia, 2020[81])

パンデミックからの復興の取り組みに若者を継続的に参加させるもう一つの方法は、行政サービスと青少年ボランティア・プログラムを強化することである。パンデミックの初期段階に得られた知見によると、特に社会的弱者にとって、日々の活動の継続性を確保する上で、若いボランティアが極めて重要な役割を果たしていた(OECD, 2020[3])

OECDの報告書、“Governance for Youth, Trust and Intergenerational Justice: Fit for All Generations?” (OECD, 2020[25]) によると、OECD諸国の68%がすでに青少年ボランティア・プログラムを実施している。確たるボランティア・プログラムは、若者の危機対応力と彼らの市民参加を高めるだけでなく(OECD, 2020[25]) 、コミュニティの回復力の強化にも寄与する。2010年と2011年にニュージーランドのクライストチャーチで起きた地震後の共同体の回復力に関する調査結果によると、ボランティア活動が盛んな共同体はそうでないところよりも結束力が強く、より早く回復した (Vannier et al., 2021[82])。しかし、利用可能なデータによると、国の復興計画の一環として、若者のボランティア活動を支援する明確な規定を設けている国は、イタリアとフランスだけである(Government of Italy, 2021[67]; SNU, 2021[83]) 。両国とも、若いボランティアが地域社会に継続的に寄与できるように、利用できる資金源の増加を資金面で支援している (コラム 7)(OECD, 2020[3]).さらに、イタリアの青少年担当大臣とフランスの青年担当国務長官は最近、両国間の市民サービスに参加するボランティアの移動性を高めるための二国間協力の協定に署名した(French Ministry of Education, 2022[84])

 
コラム 7. 各国のボランティア戦略
フランスにおける青少年ボランティア活動:国民皆サービス制度(Service National Universel)

フランスに新設された国民皆サービス制度(Service National Universel)は、15歳から25歳までの若者が様々なボランティア活動に参加し、社会と地域の結束強化に努めている。このプログラムの第一段階では、15~17歳の若者が7つのテーマ領域のいずれかに関連したボランティア活動に従事する:身体活動とスポーツ;自治、公共サービス提供に関する知識、権利の行使、医療の促進;市民権と各国及び欧州の機関;文化と歴史的遺産;従事できることの発見;防衛と国家安全保障;持続可能な発展と生態系の移行。第二段階では、16~25歳までの若者が、防衛・安全保障、弱者支援、歴史的遺産・環境保護、家庭教師のいずれかに3カ月以上自発的に従事する。

イタリアにおける青少年ボランティア活動:行政サービス(Servizio Civile Nazionale)

イタリアは、国の対策・復興計画の一環として、住民サービス(Servizio Civile Nazionale)を通じて若者のボランティア活動への資金援助を増やす規定を盛り込んでいる。資金は、3カ年計画で特定された15の行動分野のそれぞれに割り当てられることになっている。さらに、青少年政策担当大臣とエコロジー移行担当大臣が共同で「環境市民サービス」を立ち上げた。このボランティア・プログラムにより、若者の環境意識が高まり、気候変動対策に参加するようになることが期待されている。また、このプログラムは、住民サービスに沿った若者の「能力開発」を支援し、特に若い女性の雇用に関連した「グリーン・ジョブ」に若者を志向させるであろう。

出典:フランス :(Government of France, 2021[44]);イタリア(Government of Italy, 2021[67])

 長期的教訓:若者と将来世代の課題に取り組むための制度の刷新とガバナンスツール

将来の危機に対応する政府の能力構築と、復興への道筋で複雑化する社会、経済、環境の課題には、既存の統治構造とツールの見直しが必要である。過去20年間に行われた行政改革では、政府諸機関の連携を深め、住民の多様なニーズに敏感になることで、政府のサービス提供を最適化することを目指してきた(Ingrams, Piotrowski and Berliner, 2020[85]) 。パンデミックは政府にとっては負荷テストとなり、オンラインサービスの提供、国と地方の関係、国境を越えた協力などの分野で、公的ガバナンスの刷新が加速した。復興への道筋において、各国政府は、現在および将来の危機の状況変化に対応するために、ガバナンス枠組みを引き続き適応させる必要がある。

一部の国々ではすでに、政策や予算サイクルに長期的配慮を取り入れ、人々の多様なニーズに関するデータの収集により多くの資金を割り当て、制度的・財政的能力の新設や強化に裏打ちされた部門横断的でより統合的なアプローチを確保する措置を確立し始めている(コラム 8参照)。例えばニュージーランドでは、首相内閣省内に「政策実施ユニット( Government Implementation Unit)」を新設し、生活水準枠組みのもとで教育、医療、雇用分野における若者と将来世代のための公約を含む、政府のあらゆる部門にまたがるプログラムやプロジェクトの実施を監視している(DPMC, 2021[86]) 。ポルトガルやイタリアなどは、才能のある若者を引き付け維持する雇用プログラムを通じて、新しいスキルやイノベーションを取り入れ、公共部門の労働力を若返らせ、高齢者と若い公務員の間の知識の伝達を促進することを目指している。

 
コラム 8. 将来に適しているか?革新的なガバナンス・アプローチで、異時点間の課題を検討、対処する

気候変動や人口動態の変化、パンデミックの社会的・経済的影響といった問題がもたらす複雑な異時点間の課題に適応するために、行政内の既存のプロセスを見直す革新的なアプローチで対応している国もある。

カナダの2021年予算:新しい細分データ行動計画 (Disaggregated Data Action Plan)の作成

カナダ政府は、パンデミック問題が様々な人口グループに異なる影響を及ぼすという認識に基づいて、政府統計局に5年間で1億7,200万カナダドルを割り当てる。この資金は、健康、生活の質、環境、司法、ビジネス、経済などの優先分野において、世代間の公平性と多様な人々のニーズを考慮し、実証に基づく意思決定を支援する、新たな「細分データ行動計画(Disaggregated Data Action Plan)」の実施を支援する。

スロベニアの対策・復興計画:スロベニア人口基金の設立

スロベニアでは、新たに創設された人口基金が年金基金に共同出資し、世代間の連帯を促進するプロジェクトに資金を提供する。これらのプロジェクトは、例えば住宅政策や奨学金の共同出資などを通じて、脆弱な若者や若年者世帯の状況を改善し、若者の労働市場への移行を促進することを目的としている。 この基金の法的根拠は2014年から存在しているが、スロベニア人口基金は対応・復興資金計画の一環として発効する予定である。それは、スロベニア青年協議会との協議により作成され、青年団体が施策やプログラムの実施に関与することになっている。

イタリアとポルトガル:行政に若者を参加させ、新しいスキルとイノベーションを取り込む

ポルトガルの対策・復興計画には、新たな課題に対処し、回復力があり環境に配慮したデジタルな未来を構築するために、行政内の能力向上を目的とした8800万ユーロの予算が含まれている。その取り組みの一環として、「行政特別インターンシップ・プログラム(Extraordinary Internship Programme in Public Administration)」では、500人の若者を最長9カ月間公務に従事させる。この求人は、複数の政府部門にまたがっており、世代を超えた知識の伝達とサービスモデルの若返りを図るため、上級職員が大半を占める部門に優先的に提供される。

イタリアの復興計画にも行政による若者の採用が含まれており、新しい才能と経験の吸収し、人材に投資し、世代交代に関わる問題に対処することを目指している。措置としては、高い学歴や資格(博士・修士号、国際経験)を持つ若者を対象として採用することや、大学、研修センター、協会と協定を結んで若者の選考・採用を促進することなどが含まれている。

出典:カナダ :(Government of Canada, 2021[50]);スロベニア : (Government of Slovenia, 2021[60]) ポルトガル:(Government of Portugal, 2021[87]); イタリア:(Government of Italy, 2021[67])

一部の国々では、若者の視点や長期的配慮を復興に取り入れる革新的な方法を生み出すべく重要な取り組みが行われているが、現在および将来の社会経済的課題に対処するには、行政におけるより体系的な変化と革新が必要である。例えば、行政はガバナンスツールを用いて、制度的な仕組みを整えるとともに、技術的・行政的な手段を用いて、ルール作り、公共予算編成、公共調達、インフラに関する政策策定と提供に世代間の視点を埋め込む能力を高めることができる。第1節で概説したように、青年団体が若者の精神衛生と全般的な幸福について懸念を深めていることは、若者のニーズに統合的に対応する、総合的で部門横断的なアプローチが必要だということである。また、政府が実証に基づく政策策定を行い、(若年)人口の多様なニーズを考慮した体系的な評価を行うために活用できる手段やツールにも格差が存在する。パンデミックの影響が一部の社会的弱者に特に深刻だったことを考えると、政府はこの機会に、年齢の他、ジェンダーや社会経済的背景などの交差するアイデンティティ要因に基づく不平等をよりよく測定し、それに取り組むメカニズムを新たに生み出すことができる。

最後に、このパンデミックは、行政が将来のリスクを予測し、備える方法を考える転機となった。気候変動、新たなパンデミック、人口の高齢化、デジタル化の進展など、政府が複雑な課題と将来の危機に対処しようとするとき、将来世代の幸福について体系的に考察することが、将来を見通した政策立案とサービス提供を実施するための鍵となる。

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Annex 1.A. COVID-19と青年に関する2021年OECD調査

本稿は、OECDが2021年7月16日から8月30日に、72カ国の151の若者主体の組織(以下「回答者」)の参加を得て実施したオンライン調査の結果をもとに作成されている。この調査は、電子メール、ソーシャルメディア、オンラインワークショップを通じて配布され、回答者には個人の意見を反映させるのではなく、所属する組織を代表して回答するよう指示された。この評価では、COVID-19が若者の教育、雇用、精神衛生、公共生活への参加などの妨げになることについて回答者に調査を実施しした。また、危機の発生以降の長期的な不安と政府への信頼と民主主義への満足度の変化、またそのような変化の背景についても調査した。さらに、青年団体には、危機の影響を軽減するために実施された取り組みの種類(および内容)についても質問した。最後に、自国政府が打ち出した復興策の立案に若者の意見が取り入れられたと思うかを尋ねたこの調査は、COVID-19パンデミックの初期段階における同様の懸念を理解するために、2020年に実施された。

そのために作成されたたアンケートは以下の通りである。それは、若者主導の団体、若者に関する政策当局、およびOECDのパブリック・ガバナンス委員会代表者のネットワークによって拡散された。この調査は、国または利害関係者グループを代表するものではないが、その最終目的は、国際、国、地方レベルで活動する多様な青年団体の視点を取り入れることである。回答者は、統計的な意味で代表標本ではなく、また、その分析では回答者の自己選択バイアスについて調査していないため、統計的な推論は不可能である。

回答者には、組織の特徴を示す情報を提供するよう求められた。データクリーニングの結果、61 の回答者が若者主導の組織(例:メンバーの大半が 30 歳未満)、44 の回答者が若者の問題(例:若者の権利、若者の参加、ユースワーク)に焦点を当てた非政府組織、32 の回答者が若者の統括組織(例:地域、国、準国家レベルの青年協議会、青年団体の連合体)、13 の回答者はその他の種類の青年団体(学生議会、政府機関の青年諮問委員会、その他の種類の組織)、1 つの回答者は若者を中心とした非公式グループ(社会運動など)であった。

また、調査回答者には、所属する組織が法人として登録されているか否かも尋ねた(例:慈善団体、政党)。ほとんどの回答者(151人中127人)が法人として登録されていると回答したが、22人は登録されていないと回答し、わからないと回答した人は2人だった。

さらに、回答者には、所属する組織がどの国に拠点を置いているかを尋ねた。OECD 加盟国の青年団体は、36 カ国を拠点に合計 100 団体であった。OECD加盟国のうち、イスラエルとスロバキア共和国は回答者に含まれていない。OECDに加盟していない国々の青年団体は51団体で、世界36カ国に拠点を置いていた。

アンケートに回答する前に、パンデミックの影響について青年団体の会員同士で話し合ったことがあるかどうかを尋ねた。ほとんどの青年団体は、パンデミックの若者への影響(回答者全体の78%)、教育や雇用など特定分野への影響(同75%)、危機に対する政府の行動(同38%)について話し合っていた。政府に対する若者の信頼、広義の民主主義について、会員同士で明確に話し合ったのは、それぞれ青年団体の14%と13%であった。青年団体の5%は、COVID-19 危機の影響について会員と話し合ったことがないと答えた。

2020年の調査でも同様の質問が提示されたため、2020年、2021年双方の調査に回答した青年団体の回答を別々に分析し、比較の結論を導き出した。全回答のうち、43 の青年団体が2回とも回答しており、そのうち 30 団体は OECD 諸国に、13 は非加盟国に拠点を置いていた。本稿で紹介する調査結果の分析では、これらの回答者を「2回回答者」と呼ぶことにする。

最後に、回答者には、所属する組織のウェブサイトへのリンクを提供するよう依頼した。回答者に関する情報だけでなくすべての質問への回答が必須とされた。最終的な分析には、青年団体の活動を紹介する有効なURL/ウェブサイトがある回答のみが含まれた。

2021年調査:

[自由記述欄]

[自由記述欄]

所属団体名

[自由記述欄]

あなたの組織は次のどれに当てはまりますか。

  1. a.

    若者主導の組織(例:メンバーの大半が30歳未満)

  2. b.

    若者の問題(若者の権利、若者の参加、ユースワークなど)に焦点を当てた非政府組織

  3. c.

    政党の青年部

  4. d.

    若者の統括組織(例:地域、国、または準州の青年委員会、青年団体協会など)

  5. e.

    その他の青少年組織(例:学生委員会、政府機関やその他の組織の青年諮問委員会など)

  6. f.

    若者主導の非正規のグループ(例:社会運動)

  7. g.

    その他、具体的に記入してください。

あなたの組織は、法人として登録されていますか(例:慈善団体、政党)

  1. a.

    はい

  2. b.

    いいえ

  3. c.

    わからない

所属団体のウェブサイト

[自由記述欄]

組織におけるあなたの肩書(例:会長、政策担当、会員)

[自由記述欄]

電子メール

[自由記述欄]

あなたの組織は、どの国、地域、または経済圏に拠点を置いていますか15

[ドロップダウン・メニューから選択]

1. COVID-19の影響を軽減する取り組みに、あなたの組織はどのように参加していますか

  1. a.

    青少年が自分自身と他者を守る対策について情報を得られるよう情報キャンペーンを実施している

  2. b.

    心身の健康、不名誉や差別への対処法に関する実践的なアドバイスを共有している

  3. c.

    最も弱い立場にある若者(ホームレス、デジタル手段や医療サービスを受けられない若者など)を支援する具体的なプログラムを実施している

  4. d.

    自国の政府がCOVID-19の蔓延を食い止めるために実施するプログラムに参加する

  5. e.

    若者がサービス分野(例:教育プログラム、雇用機会、訓練)に継続して参加できるようにオンライン活動/ワークショップ/対話セッションを提供する

  6. f.

    若者を対象としたワクチンキャンペーンを実施またはそれに参加する(例:予防接種センターの運営、ワクチンに関する情報の発信など)

  7. g.

    その他、具体的に記入してください(上記のいずれにも該当しない場合はn.a.と入力)

2. あなたの組織がCOVID-19の危機対策と復興支援のために実施している取り組み(若者を対象とした予防接種キャンペーンの準備など)のうち最大3つについて簡潔に答えてください。何のプログラムを実施していない場合は、n.a.と入力してください。回答にはリンクを含めるか、プログラムを裏付ける書類を[email protected]までお送りください。

[自由記述欄]

3. あなたの組織では、若者がCOVID-19危機を緩和するのに最も困難と感じている分野は次のうちどれですか3つまで選択可能)

  1. a.

    家族・友人関係

  2. b.

    教育

  3. c.

    雇用

  4. d.

    所得

  5. e.

    住宅

  6. f.

    身体の健康

  7. g.

    精神衛生

  8. h.

    COVID-19に関する信頼できる情報へのアクセス

  9. i.

    個人の自由の制限

  10. j.

    その他、具体的に記入してください(上記のいずれにも該当しない場合はn.a.と入力)

4. あなたの組織は、COVID-19危機の影響について話し合う活動を組織したり参加したりしましたかその場合、以下の中から議論された項目すべてにチェックを入れてください。

  1. a.

    若者への影響

  2. b.

    特定分野への影響(例:教育、雇用、医療など)

  3. c.

    危機に対応する政府の行動

  4. d.

    民主主義へのより広範な影響

  5. e.

    若者の政府への信頼

  6. f.

    私の組織の会員は、COVID-19危機の影響について議論していない

5. あなたの組織の会員が、COVID-19危機の影響についてどの程度心配しているか、1から5で答えてください(1は全く心配していない、5は非常に心配している)。

[1:全く心配していない、2:ほとんど心配していない、3:少し心配している、4:心配している、5:非常に心配している]。

  1. a.

    若者の幸福度[1〜5で評価]

  2. b.

    高齢者の幸福度[1〜5で評価]

  3. c.

    公的債務[1〜5で評価]

  4. d.

    フェイクニュース[1〜5で評価]

  5. e.

    人種差別[1〜5で評価]

  6. f.

    世代間の不平等[1〜5で評価]

  7. g.

    政府の関心が気候変動から逸れること[1〜5で評価]

  8. h.

    政治の二極化[1〜5で評価]

  9. i.

    青少年の権利[1〜5で評価]

  10. j.

    その他、具体的に記入してください[1〜5で評価]

6. COVID-19危機の発生以降、政府による若者向け公共サービスの提供方法について、あなたの組織の会員がどの程度満足しているか、15で評価してください。

[1=非常に不満、2=不満、3=どちらともいえない、4=満足、5=非常に満足]

  1. a.

    教育[1〜5で評価]

  2. b.

    採用情報[1〜5で評価]

  3. c.

    健康状態 [1〜5で評価]

  4. d.

    住宅[1〜5で評価]

  5. e.

    司法[1〜5で評価]

  6. f.

    交通・移動手段[1〜5で評価]

  7. g.

    スポーツ・文化・レジャー[1〜5で評価]

  8. h.

    その他、具体的に記入してください[1~5で評価]。

7. 下記に挙げたCOVID-19危機に対する政府の対応について、あなたの団体の会員はどの程度満足していますか。15で評価してください。

[1=非常に不満、2=不満、3=どちらともいえない、4=満足、5=非常に満足]

  1. a.

    パンデミックのリスクについて国民に伝える[1〜5で評価]

  2. b.

    科学的根拠に基づいて意思決定を行う[1〜5で評価]

  3. c.

    社会的弱者への対応[1〜5で評価]

  4. d.

    機関や市民団体の枠を超えた協働[1〜5で評価]

  5. e.

    公共部門の健全性の保護(例:マスクやその他の商品、サービスの購入における透明性)[1〜5で評価]

  6. f.

    その他、具体的に記入してください[1~5で評価]。

8. COVID-19危機の発生後、あなたの組織の会員が表明した政府への信頼はどのように変化しましたか

  1. a.

    大幅に増加した

  2. b.

    わずかに増加した

  3. c.

    変わらない

  4. d.

    わずかに減少した

  5. e.

    わずかに減少した

9. COVID-19危機の勃発以降、あなたの組織のメンバーの民主主義に対する満足度はどのように変化しましたか

  1. a.

    大幅に増加した

  2. b.

    わずかに増加した

  3. c.

    変わらない

  4. d.

    わずかに減少した

  5. e.

    わずかに減少した

10. 質問9の回答について説明してください。

[自由記述欄]

11. あなたの組織のメンバーは、以下の記述にどの程度同意するか、または同意しないかを示してください。

[1=強く反対、2=やや賛成、3=どちらともいえない、4=やや賛成、5=強く賛成]。

私の国の政府は 、私のような若者や私の所属する組織の人々の意見を取り入れて 、政策を決定していると思う。

  1. a.

    ロックダウンと閉じ込め対策[1〜5で評価]

  2. b.

    雇用・所得喪失への影響を緩和するための経済的支援制度[1〜5で評価]

  3. c.

    ワクチン接種キャンペーンにおける特定の年齢層の優先順位付け[1〜5で評価]

  4. d.

    公共サービスを提供するために、物品、サービス、公共工事を購入すること(公共調達)[1〜5で評価]

  5. e.

    インフラ投資への対応[1〜5で評価]

  6. f.

    その他、具体的に記入してください[1~5で評価]。

12. COVID-19危機からの公正で包括的な回復を支援するために、あなたの団体はOECDに何ができるとお考えですか

[自由記述欄]

Annex 1.B. 国の対策・復興計画のベンチマーク

OECD事務局は、OECD諸国全体でCOVID-19のパンデミックから復興するために、2020年から2021年にかけて各国政府が立ち上げた対策・復興計画に含まれる若者への関与について評価を実施した。本稿第2節、3節の分析では、OECDの「国家青年戦略評価枠組み(OECD Assessment Framework of National Youth Strategies )」(OECD, 2020[25]) に概説されている原則に沿って若者への関与を比較している(巻末資料1参照)。この評価を本分析のために修正したものを附録1.B.1 に示している。

公開されている34カ国の対策・復興計画のデータは、政府のウェブサイトや、欧州連合のNext Generation EU刺激策のウェブサイトを含む国際的なプラットフォームなどから情報を集めて行われた机上調査で収集した。本稿の参考となる分析に各国の対策を含める基準には、対策・復興計画が全政府的アプローチを含んでいるか、COVID-19パンデミックの長期的影響に対処する戦略的意図をもって作成されているかといった項目がある。

OECD諸国のうち、これまでに32カ国がこの基準を満たす危機管理計画を打ち出している。欧州連合に加盟するほとんどのOECD諸国(21カ国)は、欧州全体の景気刺激策であるNext Generation EUの一環として、地域の共同復興ビジョンを調整する計画を策定した(EC, 2021[43]) 。他のOECD加盟国、すなわちオーストラリア、カナダ、ニュージーランド、ノルウェーは、COVID-19危機への戦略的復興策を実現するために年間予算を適応させることにしている。トルコ、英国、韓国は、年間予算や国を超えた幅広い取り組みとは関係なく、それぞれ単独の戦略を策定している。本稿執筆時点で、OECD加盟6カ国は、COVID-19危機に対応する独立した戦略計画を持たないが、代わりに部門別のアプローチに焦点を合わせている(チリ、イスラエル、メキシコ、オランダ、スイス、米国)。比較可能性を確保するためこれらの国々は定量分析には含まれていないが、妥当性がある場合には定性分析に含まれている。

対策・復興計画の分析とそれに続くベンチマークは、以下の7つの側面について行われている。

 
附録1.B.1. 国の対策・復興計画に若者への関与が含まれているかどうかを評価する側面と尺度

側面

意味

若者への関与は、対応・復興計画に含まれている(そして、部門横断的側面を含む)。

対応・復興計画(response and recovery plan, RRP)では、若者への関与を明確に盛り込み、性別による違い、不安定な状況で暮らす若者、少数民族の若者、障害を持つ若者など、特定のサブグループに対する成果にも言及している。

実証に基づく若者への関与

RRPには、パンデミックの影響や若者への関与から予想される成果に関して、信頼性が高く妥当性のある年齢別の最新データと研究が含まれている。

若者は計画に収録された対策・復興策の立案に参加できた

青年団体および組織に属さない若者が、有意義な方法でRRPの作成に参加した。若者の参加の例としては、対面での会議や協議、調査、セミナーや会議、オンライン協議、バーチャル会議(ウェビナー)などがある。

計画に含まれた若者への関与はモニター、評価され、説明責任のメカニズムが概説される/若者はこうした公約のモニターと評価に参加する。

RRPに記載されている若者への関与は、具体的なアウトプット指標によって補完されている。青年団体および組織に属さない若者が、関与のモニタリングと評価に含まれている。

若者への関与は分野横断的・横断的である。

若者への関与は雇用と教育に限定されている、または、その範囲がこれらの分野を超えて他の関連政策分野を含み、若者に関わる成果を実現するために省庁間の調整が行われている。各計画は、これら2つのサブカテゴリーに分類される。

若者への関与を追求するために、政府の新しいツールまたは制度面の革新が生み出された。

若者の成果の実現に関連する政府のツールまたは制度改革の実施に、予算や組織の能力が割り当てられている(例:Generation Check、若者に焦点を当てた新しい省庁横断的組織の設立)。

対策・復興計画には、課題を特定し、それに対応する世代間レンズが含まれている。

この計画には、年齢層別に公共支出の影響を予測する予算編成ツールや、計画で示された公約が現在および将来の世代に与える影響の評価などのメカニズムが含まれている。

出典:(OECD, 2020[25])

担当

Miriam ALLAM (✉ [email protected])

Moritz ADER (✉ [email protected])

Gamze IGRIOGLU (✉ [email protected])

1.

この「傷痕効果(scarring effect)」の要因として、非就業期間中の人的資本の減少と職業的ネットワークの喪失が挙げられる。また、雇用主は若年者の失業期間を、その人の生産性や意欲が低い徴とみなす可能性もある。傷跡は、若者の仕事に対する選好に悪影響を及ぼす可能性さえある (Heckman and Borjas, 1980[91]; Ellwood, 1982[92])

2.

本稿では、「青年期(youth)」とは、人生において大きな変化が起こる子どもから大人への移行期と定義している。その一方で、経験する人生の軌跡には個人差があるということも認識している。各国間の成果を比較し、年齢層別のデータ収集の標準化を促進するため、本稿ではOECD Youth Action Plan((OECD, 2021[8]))に沿って、「若者(young people)」を15~29歳の個人と定義している。

3.

青年団体は、若者主導の非営利・自発的な非政府組織で、国家機関の一部になっている場合や、若年労働者が主導している場合もある。その多くは、若者向けの活動を実施したり、団体の目的を促進するための支援活動に従事することで、会員の政治、社会、文化、経済面の目標を推進する目的で設立されている(Council of Europe, 2018[89])

4.

附録1.A参照

5.

OECD 諸国に拠点を置く青年団体の回答者のうち、政府への信頼が低下したと回答した団体は38%だった。信頼度が高まったと回答した団体は16%、変わらないと回答した団体は46%だった。

6.

OECD 諸国に拠点を置く青年団体の回答者のうち、民主主義に対する満足度が低下したと回答した団体は31%だった。また、同グループ内で、上昇したと答えた団体は15%、変わらないと答えた団体は54%だった。

7.

部門横断的な対策と復興措置は、すべての関連する政策分野を網羅しており、若者に影響を与える問題に責任を持ちそれに取り組む様々な省庁、政府レベル、公的機関の間の調整メカニズムが必要である。

8.

若者の権利の定義は国際機関や組織によって異なるが、国連 OHCHRは、若者の人権とは若者による基本的人権と自由の完全な享受を指すと定めている(UN, 2021[90])

9.

本稿では、虚偽情報(誤報、偽情報)についてOECDの定義を採用している。誤報:公衆を欺く意図で流布されたものではない、誤ったまたは不正確な情報。偽情報: 人々を欺くために意図的に作成、提示、流布された虚偽、不正確、または誤解を招く情報 (OECD, 2021[88])

10.

チリ、イスラエル、ルクセンブルグの結果は、公表時にデータが入手できなかったため除外されている。

11.

Eurofoundによる生活、仕事、COVID-19に関する調査は、ウェブリンクを通じて回答者から情報を収集している。インターネットにアクセスできる18歳以上の人なら、誰でもオンラインでアンケートに回答することができた。したがって、これは非代表標本からの実証を示している。

12.

本研究では、公表されている32の政府による対策・復興計画(表1参照 )を比較するとともに、比較できたいため定量的観測から除外されたメキシコと米国の計画を定性的に分析している。詳細は附録1.Bを参照されたい。

13.

Response and Resilience Facility (RRF) は、デジタル・トランスフォーメーション、緑化、スマートで持続可能かつ包括的な成長と雇用、社会と地域の結束、医療と回復力、次世代、子供と若者のための政策という6つの柱を中心に構成されている。

14.

OECDの「国家青年戦略評価枠組み(OECD Assessment Framework of National Youth Strategies )」では、若者への関与が証拠に基づいているか、計画に若者の参加を含めているか、予算が組まれているか、透明性があり利便性があるか、監視・評価または説明責任があるか、部門横断的か、ジェンダー対応的かを測定する、8つの側面を特定している。第2節、第3節の分析では、国家復興計画における若者への関与が、証拠に基づき、若者の参加を含み、予算が組まれ、部門横断的であるか否か、定量的情報を提供している。透明性と利便性、監視と評価に関する定性的情報が提供されている。ジェンダー対応の側面は、若者への関与が、若い女性や社会的弱者に属する若者への支援を提供するための部門横断的アプローチを含むか否かを評価するために拡大された。詳細は附録Bを参照されたい。

15.

2020年調査では「国際」にチェックを入れられたが、2021年調査ではできなかった。国際的に活動している青年団体では、本部が置かれている国を回答した。

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