2013/5/30
OECD諸国政府は、若者の高い失業率への対策を改良し、教育制度を強化して若者が社会に出る備えを十分にできるようにしています。
OECDのAction Plan for Youth(若者のための行動計画)は、OECDの2013年閣僚理事会で承認されました。各国閣僚は、低技能者、移民を含む社会の中で最も恵まれない若者に重点を置くことの必要性を明確にしました。
「若者の将来にいっそう不利になる危機を止める行動を速やかに取る必要がある」と、OECD事務総長、アンヘル・グリアはパリで開催されているOECD閣僚理事会会合で述べました。また「OECD諸国によってこの行動計画が承認されたことは心強いものであり、最近発表された欧州諸国による若者向けのイニシアチブをさらに盛り上げるものになる。 各国政府は、若者のための雇用創出を促し、労働市場改革を進め、若者が成功するために必要な機会を彼らに与えられる教育制度に改善する努力を強化しなければならない。」とも述べています。
OECD地域で失業中の若者の数は、現在では2007年のそれよりほぼ3分の1高くなっており、すでに失業率が非常に高い国々のほとんどでは今後数か月でさらに上昇すると予想されています。 若者の失業率は、OECD加盟9か国(アイルランド、イタリア、ポルトガル、スペイン、ギリシャなど)で、2013年第1四半期末に25%を超えました。最新のデータはこちらよりダウンロードできます。
若者の長期失業者数は2007年以降急速に増加しており、15歳から24歳の若者の5人に1人以上が12か月以上職に就けずにいます。 オーストラリア、ニュージーランド、スウェーデンなど、経済危機の最悪の影響を免れた国々でさえ、長期失業者数は大幅に増加しました。 日本では2007年の20%から2012年には30%以上に上昇し、経済危機の打撃を受けた国のスペインとアイルランドを除けばイギリスやアメリカと並ぶ増加幅となっています。
これらの値は若者が抱える問題を完全に捉えているとは言えません。教育課程を修了した多くの若者は、公式の失業統計には反映されないのです。 2200万人もの若者がニート、つまり職もなく、教育や訓練課程にも所属していない状態にあります。 そのような若者の3分の2は、求職を諦め、長期間失業状態を経験し、同じ世代で仕事を持っている人々よりも低い給与に人生を通じて甘んじる可能性があります。そのような中で、日本のニート率は2007年の8.5%から2012年の6.9%に減少しました。
短期的には、弱い経済成長に取り組んで雇用創出を促すことに加えて、各国は失業中の若者への所得支援をするべきです。 これによって若者、特に学歴をほとんどまたは全く持たずに学業を早期に辞めた恵まれない若者が労働市場とのつながりを持ち続けることができます。 その代わり、若者は積極的に求職し、必要な場合には訓練プログラムに参加しなければなりません。
彼らの長期にわたる雇用見通しを改善するために、教育・訓練制度の改革が不可欠です。 若者の5人に1人が、今日の労働市場で必要とされるスキルを身につけることなく、学校を出ています。学校中退率の削減、留年の解消、そして若者に第2のチャンスを与える方策が、このような状態の解決策となり得ます。 職業訓練プログラムの質と妥当性も改善して、若者が現在から将来にわたって、職業のよりよく備えられるようにすることも必要です。
OECDは各国と協力して、この行動計画の実施を助け、2014年の閣僚理事会で進捗状況を報告することになっています。
各国がどのようにして若者の教育や職業訓練を援助しているかについて、より詳しい情報はこちらをご覧下さい。
アンドレア・シュライヒャーOECD事務総長教育政策特別顧問兼教育局次長による寄稿「若者を仕事の場へ戻すには」がこちらよりご覧頂けます。
OECDのAction Plan for Youth(若者のための行動計画)の全文はこちら
2013年閣僚理事会についてはこちら
OECDの雇用に関する取り組みについてはこちら
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