幸福度の深刻な亀裂が明るみに-OECDの新データより

 

OECD - パリ、2017年11月15日

幸福度(暮らし良さ、well-being)の新データが本日発表されました。それによると、年齢、資産、性別、学歴といった断層に沿って、社会に深い亀裂があることが明らかになりました。

 OECDの最新報告書、『OECD幸福度白書2017年版 (How's Life? 2017)』によると、2005年以降、幸福度のいくつかの側面では改善が見られますが、多くのOECD諸国で緩やかな回復が進行しているにもかかわらず、その恩恵を受けられていない人が多数存在しています。

 

 

 OECD諸国全体の平均年収は、2005年以降の累積で7%増加しましたが、これはそれ以前の10年間の伸び率のおおよそ半分程度です。そして、平均寿命は過去10年でほぼ2年延び、ほとんどのOECD諸国で仕事に就いている人の数は2005年より増えましたが、その他の指標は警鐘を鳴らす内容です。

 雇用の不安定さは、初めて測定された2007年以降3倍高くなりました。長期失業率も2005年と比べて高くなっている一方で、生活満足度の平均は若干低くなっています。投票率は下落しており、友人や家族の支援を受けていると感じている人の割合は3%ポイント下落しています。

 本報告書は、所得、健康、教育、生活満足度といった幸福度の様々な側面を測ることで、OECD全加盟国に存在する不平等が大きい部分と小さい部分とを明らかにしています。人口全体と社会内の特定グループ間(若者と高齢者、男女、高学歴者と学歴不足のまま学校を修了した人)の不平等の度合いを詳細に論じています。データからは、例えば健康と教育、または雇用状態と政府に対する意見の有無などの様々な成果の間の関係もわかるようになっています。

 アンヘル・グリアOECD事務総長は次のように述べています。「本報告書に収録されている実証から、経済危機の爪痕がまだ癒えていないことがわかる。多くの人々は、市場開放とグローバル化によって爆発的に増えた便益が自分のところには届いておらず、政府は彼らのニーズに応えられていないと感じている。政策当局が早急に取り組まなければならない課題は、全ての市民と効果的に関わり、彼らの暮らし良さを改善し、その信頼を回復する方法を見つけることである。我々は、成長と発展が真に包摂的で、より良い暮らしにつながり、誰も取り残されないようにしなければならない。」

  

  

  

本報告書は我々の社会がどのくらい分断されているかを、様々な側面から明らかにしています。

教育による分断:

  • 後期中等教育を修了していない25歳男性の平均寿命は、大卒の男性のそれよりほぼ8年短い。女性の場合、この差はほぼ5年である。
  • 十分な教育を受けていない人々の資産と収入は、教育を受けた人の半分しかなく、投票に行く可能性も、必要なときに助けてくれる人がいる可能性も、生活満足度も低い。

 所得と資産による分断:

  • OECD諸国の家計のわずか10%が、OECD諸国の総家計資産の半分以上(52%)を所有している。
  • 調査対象となったOECD加盟25カ国の3人に1人以上が、わずか3カ月間所得が途絶えるだけで貧困に陥る。
  • 所得階層の上位20%の人々の投票率は、下位20%の人々のそれより14%ポイント高い。

  年齢による分断:

  • 現在25歳未満の人々は、その上の世代の人々よりも学歴が高くなっているにもかかわらず、現在25~54歳の年齢層の人々よりも失業する可能性が60%高い。
  • 25歳未満の人々が投票に行く可能性は、55歳以上の人々のそれよりも20%低い。
  • しかし、中年の労働者が長時間労働(週50時間以上)をする可能性は、25歳未満の労働者のほぼ2倍である。

 出生地による分断:

  • 移民世帯の所得中央値は、現居住国で生まれた人の世帯のそれよりも平均25%低い。
  • 移民は、健康状態が良好、必要なときに助けてくれる人がいる、生活に満足していると答える可能性が、現居住国生まれの人よりも低い。
  • 移民は不適当な住居で生活し、非社会的な時間に働き、憂鬱になる可能性が高い。

 

本報告書は、人々と、人々に奉仕する公共機関との距離にも焦点を当てています。こうした機関への信頼は低下しています。政府を信頼していると答えた人々の割合はわずか38%で、2006年前後よりも4ポイント下がりました。

本報告書から、自分は政府の行動に対して影響力を持っていると感じている人が、わずか3人に1人であることが明らかになっています。また、政治家は彼らが代表している人々と異なる出自である場合が多いこともわかります。例えば、11カ国を対象に行った調査によると、肉体労働者、農業従事者、サービス業の労働者は人口の44%を構成していますが、これらの部門出身の議員は、わずか13%です。(11カ国は以下の通り:ハンガリー、アイルランド、ベルギー、イタリア、スイス、ノルウェー、オーストラリア、ドイツ、英国、ギリシャ、ポルトガル。このカテゴリーに含まれる職業は以下の通り:サービス業従事者、店舗及び市場の販売員、高技能の農業および漁業従事者、工芸品販売員、工場労働者)

 OECD加盟35カ国と、ブラジル、コロンビア、コスタリカ、リトアニア、ロシア、南アフリカの幸福度指標は、以下のサイトにでご覧になれます。

www.oecd.org/howslife

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報道関係者のお問い合わせは、OECDパリ本部メディア課(news.contact@oecd.org tel. + 33 1 4524 9700)までお寄せください。

 

 

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