幸福度は改善しているが、不平等が続いている-How's Life?

 

OECD ― パリ、2020年3月9日

OECD諸国では過去10年間に多くの人々の生活は総じて改善していますが、不平等は依然として続いており、失望と人間関係の喪失が一部の人々に深刻な影響を及ぼしています。

OECDの「幸福度白書2020 (How's Life? 2020)」によると、1人当たりの家計可処分所得は、2020年以降OECD諸国の半数以上でOECD諸国で上昇しました。雇用率は25~64歳の人々(今日、成人の約10人に8人は給与労働者)については平均で5ポイント近く上昇しており、長時間労働をする人の数は減少しています。

2010年以降ほとんどの国々で平均寿命は延びている一方で、過密状態で居住している人の数は減少しています。殺人率は約4分の1下落し、人々は総じて道を歩いていても安全だと感じています。また、最近の調査で、OECD諸国の3分の1以上の国々で、人々は2013年よりも自分の生活への満足度が高まったと感じています。

OECD諸国の3分の2の人々は、引き続き危険なレベルの大気汚染に晒されていますが、大気の質は改善しつつあります。

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しかし、本報告書に収録されている広範なデータによると、幸福(well-being)の全ての側面が改善しているわけではありません。家計の富の中央値は下がっており、生徒の科学の成績を比較した国際調査の結果は悪くなっており、住宅の入手可能性、選挙の投票率、所得不平等などは2010年以降横ばいです。所得分配の上位20%の人々は、下位20%の人々より依然として5倍多くの所得を得ています。OECD諸国の3世帯中1世帯以上が財政的に不安定で、所得が3カ月間なくなると貧困に陥るリスクを抱えています。

本日パリで行われた本報告書の発表会見で、アンヘル・グリアOECD事務総長は次のように述べました。「我々が幸福の中に見てきた進歩は楽観的な気分のもとになっているが、それは各国内及び国際的に均一ではなく、特に環境問題という観点からは依然として危機的状態にある。現在非常に多くの国々で拡大しているコロナウイルスの伝播も、我々の健康だけでなく社会生活にも影響を与えている。すでに経済的影響が広がり始めており、さらに人々の所得と生活にも影響が及ぶだろう。これは特に、働けなくなった場合に守ってくれるセーフティネットをあまり持たない、不安定な職業に就いている人々に当てはまる。

「各国政府は、健康面だけでなく財政面でも最も脆弱な人々を保護する対策を採る必要がある。将来の幸福を確かなものにするためには、長期にわたる保護とリスクへの備えを構築する以外に方法はない。」

How's Life?は、人間関係及び市民と政府との関係における断絶も明らかにしています。人々が家族や友人と交流する時間は、2010年と比べると7%減少しています。困ったときに頼れる親類や友人がいない人が11人に1人に上ります。政府への信頼の平均値は2010年以降改善していますが、OECD諸国全体で制度や組織を信頼している人は依然として半数以下です。

本報告書によると、OECD諸国全体で生活満足度が非常に低い人の割合は7%で、8人に1人は1日にプラスの感情よりマイナスの感情を抱くことの方が多いと答えています。自殺、急性アルコール中毒や薬物中毒は男性により多く見られますが、OECD諸国の3分の1以上の国々では、これらが原因の死亡率が女性の間でも高まっています。総じて、こうした「絶望死」が死亡全体に占める割合は低いものの、交通事故死より3倍、殺人より6倍多く見られます。

OECDは、幸福の11の側面を網羅した幸福枠組みを開発しています。その側面とは、所得と富、仕事の質、住宅、健康、知識と技能、環境の質、主観的幸福、安全、仕事と生活のバランス、社会的つながり、市民参加です。この枠組みでは、幸福の全側面における不平等と、将来の幸福を形成する資源とリスク要因についても考察しています。

本報告書によると、幸福度の平均が高い国々では不平等の度合いが相対的に低く、貧困もあまり見られません。北欧諸国、オランダ、ニュージーランド、スイスはいずれも、幸福度の平均が高く不平等の度合いが低い国々です。幸福度の平均が比較的低いのは、東欧、南米、トルコ、ギリシャで、不平等が顕著に見られる社会です。

現在の幸福度が最も大幅に改善したのは、2010年代初頭から追いついてきた国々に集中しており、その多くは東欧諸国です。それに対して、将来の幸福のための資源-経済、自然、社会の資本など-はOECD諸国の間でも大きな差があり、上位の国々はさらに資源を増やしますが、すでに停滞している国々では問題がさらに深まっています。

男女の賃金格差は多くの国々でわずかに減少しましたが、女性の賃金は依然として男性のそれよりほぼ13%少なく、有給労働と無給労働(家事、介護など)を合わせると女性の方が毎日ほぼ30分以上長く働いています。包摂的意思決定は依然として目標達成には程遠く、OECD諸国の議会で女性が占める議席の割合は、わずか3分の1に過ぎません。その一方で、男性が社会的交流に費やす時間は女性よりも一週間当たり平均で40分少なく、男性の方が得られる社会的支援が少ないと言えます。

またHow's Life?は、将来の幸福を脅かす自然、経済、社会システム全体でリスクが出現していることも指摘しています.2018年にOECD諸国の平均的な居住者が排出した二酸化炭素の量は2010年より減少しましたが、地球上の資源の利用量は増加しており、OECD全体の物質消費量は1人当たり1.2トン増加して25トンに上りました。OECD諸国のエネルギー構成農地、再生可能エネルギー源によるものはわずか10.5%に過ぎず、約半数のOECD諸国では絶滅危惧種の数が増加しています。OECD諸国のほぼ3分の2の国々では、家計の負債が年間の家計可処分所得を上回っており、2010年以降3分の1の国々では、その度合いが高まっています。

 

OECD諸国の幸福度の詳細は、下記のウェブサイトで公開しています。

 www.oecd.org/howslife

このサイトには、How's Life?の全文と、OECDのBetter Life Initiativeに関する情報も掲載しています。

 

報道関係者のお問い合わせは、OECDパリ本部メディア課(news.contact@oecd.org tel. + 33 1 4524 9700)までお寄せください。

 

 

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