新型コロナウイルス危機によりデジタル格差を解消する必要性が浮き彫りに

 

OECD-パリ、2020年11月27日

インターネットへの接続とスキルが向上したことは、新型コロナウイルスによる健康危機、経済危機との闘いにおいて多くの国々の一助となっています。しかし、このパンデミックにより、デジタル転換の基準が引き上げられ、コロナ後の世界において一部の人々や企業の困窮を深める恐れがあるデジタル格差を縮小する必要性が浮き彫りになりました。

OECDの新報告書、「デジタル経済アウトルック(Digital Economy Outlook)」によると、一部のインターネット・プロバイダはパンデミック初期以来インターネットの通信量が60%増加したと報告しており、高速で信頼性の高いインターネットへのアクセス格差が各国間及び各国内に存在することがわかりました。例えば、OECD諸国の固定回線ブロードバンド契約率は、韓国では82%、日本では79%ですが、オーストリア、ベルギー、ドイツ、ギリシャ、イスラエル、英国では5%を下回っており、特に地方では高速ブロードバンドへの接続ができないところが多くみられます。OECD諸国の住民一人当たりの高速モバイルインターネット契約数は、非加盟国の約2倍、固定回線ブロードバンド契約数は3倍多くなっています。

OECDUlrik Vestergaard Knudsen事務次長は、オンラインで行われた本報告書の発表会見で次のように述べました。「デジタル技術は、新型コロナウイルスの危機の中で、経済と社会の完全停止を回避するのに役立ち、我々のウイルスに関する知見を深め、ワクチン開発の加速やパンデミック拡大の把握を可能にした。しかし今回の危機は、我々のデジタル技術依存を顕在化させ、国家間や国内でもデジタル格差があるという現実も浮き彫りにした。我々はデジタル転換の岐路に立っており、コロナ後の経済や社会の姿は、我々がいかに前進しこの格差を縮められるかにかかっている」

デジタル転換は新型コロナウイルス以前から進んでおり、デジタル戦略を政策課題の中心に据える国々が増えていました。電子商取引、テレワーク、オンラインによる社会活動、政府や学術関係者による国際協力の高まりなどによって高い処理能力を持つ通信サービスへの需要が急増していることから、デジタル転換にさらに拍車をかける必要があります。現在のデジタル解決策への依存は、サーバー犯罪を増殖させる環境を作り出しており、プライバシーとセキュリティをめぐる懸念が一層緊急性を帯びています。

本報告書では、OECDが定期的に更新しているBroadband Portalのデータを引用しています。それによると、OECD諸国における1契約当たりの平均モバイルデータ利用はすでに2019年6月までの4年間で4倍増加し、利用頻度が高い人向けのモバイルブロードバンドの価格は2013~2019年の間に59%下落しました。2020年6月までに、5Gの商業サービスがOECD加盟22か国で利用できるようになっています。

2019年6月時点で、OECD諸国では住民100人当たりの高速モバイルインターネット契約数が113件でしたが、10年前にはその数は100人当たり32件でした。非加盟国の同契約数は100人当たり60件です。OECD諸国の固定回線ブロードバンド契約数は住民100人当たり32件で(100人当たり9件という非加盟国の3倍以上)、そのうち光ファイバー通信は27%を占めています。地方と都市の世帯の間には、良質な固定回線ブロードバンド通信の利用可能性という点で依然として格差があります。

パンデミック以前の2019年には、OECD諸国全体で雇用者数が10人を超える企業で電子商取引を行っていたのはわずか4分の1に過ぎませんでしたが、クラウドコンピューティングサービスを利用していた企業は3分の1、ソーシャルメディアを利用していた企業は半数以上でした。電子政府サービスを利用している人の割合は2019年は58%で、2010年の43%から上昇しました。

インターネットを利用している成人の割合は、95%を超える国もあれば70%未満の国もあります。年齢や所得水準によってインターネットへのアクセスや利用に格差があるということは、公的な情報とサービスの利用性が不均等だということで、特にパンデミックの時期には深刻な問題となります。仕事、教育、医療、そして社会的交流までもがデジタル技術に依存するかもしれない未来において、広範囲のデジタル利用を確保できなければ、不平等が広がり、パンデミックからの力強い回復を目指す各国の取り組みが損なわれる恐れがあります。

政府は、民間部門による投資と競争を促進することでブロードバンドの普及を強化し、インフラの共有と周波数オークションにおいて地方を対象として含める最低水準を設定することを奨励することができます。本報告書では、ネットワークの接続性への需要が急速に高まっていることに応えるために、一時的に追加の周波数を開放する、または未使用の周波数をサービスに投入するという商取引を承認する、ネットワーク間の相互接続能力を高める、ブロードバンド・プロバイダがより多くの光ファイバーをネットワークに組み込むよう奨励する方法を見出すといった措置を奨励しています。

 

本報告書は、こちらからダウンロードできます。

本報告書のサマリー、Digital Transformation in the Age of COVID-19はこちらからダウンロードできます。

デジタル経済についてのOECDの活動はこちらをご覧ください。

OECD work on the digital economy

 

報道関係者のお問い合わせは、下記までお寄せください。

Catherine Bremer in the OECD Media Division (+33 1 45 24 8097, catherine.bremer@oecd.org).

 

 

 

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