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貿易と開発 (Trade and development)

 

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貿易に関するファクトシート

開発途上国は、先進国がかつて行ったように、幼稚産業を保護する必要があるか

幼稚産業保護論とは、特定の産業や部門については、強い体力と競争力をつけられるまで(通常は高関税や輸入禁止により)競争から保護する必要がある、というものである。

この議論が有効なのは、政府が当初の育成後に国際競争力を持てる産業を正確に特定することができ、かつ、そうした支援を、企業や産業全体のイノベーション意欲を損なわないよう、期間の区切りとともに設計することができる場合のみである。しかし、経験則によれば、これらの条件をクリアするのは困難である(高水準の支援や保護を続けながら農業の発展と競争力強化に失敗している一部の国の事例がそのよい例である)。

十分な教育/健康サービスの提供、適切なインフラ整備の確保、適切な技術開発/導入の奨励、効率的なインプット/アウトプット市場の整備など、産業競争力の根源的障害に対処する政策に比べると、幼稚産業の支援はめったに成功しない。

 

特恵関税収入の喪失は開かれた市場による利益を相殺してしまうか

 

開発途上国は、全般的な関税水準が引き下げられると、より低率の関税を課されている時に有していた貿易上の相対的優位がなくなってしまうのではないかと懸念する。しかし、調査によれば、大多数の開発途上国の場合、全ての関税の引き下げを伴う広範な自由化による利益は、特恵の消失による損失を相殺する。これが当てはまらないごく一部の国は、自由化を阻止するのではなく、開発援助を提供して特恵への依存度を引き下げるべきである。また、国家収入を関税に依存している国は、市場の開放から得られる利益を逸失しないよう、多くの開発途上国がそうしているように、課税ベースを拡大すべきである。課税ベースの拡大は、収入の喪失分を相殺するだけでなく、低所得層の税負担を少なくしつつ、納税できる者の納税を可能にする。一般に、関税ではこういうことはできない。

 

貿易自由化協定は開発途上国に不利なのか

 

従来、開発途上国は必ずしも多角的交渉にあまり積極的でなく、先進国が、自らが輸入したいと思う製品の貿易障壁を引き下げる一方、開発途上国が輸出したいと思う一部製品については高関税を維持することを黙って見ていた。しかし、今では様々な特恵的取り決めがこの問題に少なくとも部分的には対処しており、多くの開発途上国が一部先進国の市場に無関税(またはほぼ無関税)でアクセスできるようになっている。

今日、開発途上国は多角的貿易改革プロセスへの関与を格段と強化し、影響力を増している。現在のWTO交渉には、開発途上国が先進国より関税の引き下げ率を小幅にしたり、引き下げペースを緩くしたり、あるいは、特定の部門を適用除外にすることを認める、開発途上国に対する「特別かつ異なる待遇」条項が含まれている。

 

貿易は貧困削減にいかに寄与することができるのか

 

貿易は、貧困削減にとって最も重要な要因である経済成長に寄与する。1960年代に貿易政策を自由化した韓国と1970年代に自由化したチリの経験は、より開かれた貿易政策を採っている国の方がより制限的な政策を採っている国より高い成長を実現できることを如実に示している。近年では、貿易の開放はBRIICS諸国(ブラジル、ロシア、インド、インドネシア、中国、南アフリカ)にも非常に大きく貢献している。最も急成長しているのはBRIICS諸国の中の最も開かれた国であるが、全体としてBRIICS諸国は国境保護措置を大幅に削減し、主要先進国を大幅に上回るペースで輸出を伸ばしている。

 

現在のWTO交渉が妥結すれば開発途上国は恩恵を受けるのか

 

推計によれば、農業分野の関税と補助金を75%削減すれば、開発途上国の所得は約230億ドル増加し、サハラ以南アフリカ、南アジア、南米のGDPは0.3%押し上げられる。非農産物市場へのアクセス改善で得られる利益970億ドル(推計)のうち、680億ドルは開発途上国に行く。

米国、欧州連合(EU)、日本、カナダが完全に無制限な市場アクセスを実施すれば、サハラ以南アフリカは多大な恩恵を受け、石油以外の輸出が14%増加し、実質所得は約1%押し上げられる見込みである。開発途上国が自国の関税の一段の引き下げを打ち出せば、得られる利益はさらに拡大する。

開発途上国は、輸出国としても輸入国としても、サービス貿易の自由化から大きな恩恵を受ける。また、ドーハラウンド「貿易円滑化協定」による利益の約3分の2は開発途上国が受ける見込みである。

 

しかし、貿易政策のみでは開発と貧困削減は実現できない

 

貿易と貿易自由化の影響は一様ではなく、人口の各層が異なる影響を受ける。勝ち組と負け組が生まれ、貧困層への貿易の影響は様々な要因により左右される。輸出入価格の変動は貧困層向け価格にどの程度転嫁されるか、貿易により政府の収入と支出はどの程度変動するか、貧困層は新規の雇用機会を活かせるか、などである。したがって、市場の開放からどの程度の利益が生じるかは、貿易自由化の範囲を大きく越える要因に左右されることになる。

市場の開放は、健全なマクロ経済環境、柔軟な労働市場、衰退する経済分野から伸びる経済分野へと労働と資本が自由に移動できる制度の構築や、社会的セーフティネットの整備、教育と訓練の改善、貧困の根本原因に対処するための財産権の強化などを伴う必要がある。

教育の改善は特に重要である。データによれば、貿易自由化が実施されると、初等教育を受けた労働力が豊富に存在する国では格差が縮小する。中国では、就学年数が1年長いと労働者が農業以外の職に就く機会は14%上昇することが分かっている。

各国特有のニーズに対処する開発援助と「貿易のための援助」(Aid for Trade)も必要である。海上輸送の効率を改善すれば、多くの国は二国間貿易の可能性を高めることができる。内陸国は、貧弱なインフラが輸送コストの約60%を占めているので、さらに大きな課題を抱えている。ケニアはかつて殺虫剤残留物のせいで欧米市場に切り花を輸出できなかったが、EUからの「貿易のための援助」により殺虫剤の使用を徐々に廃止し、今では世界有数の切り花輸出国となっている。

 

結論

貿易は、一国の生産力拡大と市民の繁栄増大に向けたより広範な戦略の中で一定の役割を果たす。貿易は技術、ノウハウ、製品、サービスの入手可能性を高め、選択の幅を広げ、価格の低下をもたらす。しかし、開かれた市場には、人的資本(教育、健康、栄養状態)と物理的インフラへの並行的な投資、信用/技術援助へのアクセス、安定を促進する社会的セーフティネットと各種政策が必要である。

こうした政策は貧困層の脆弱性を緩和し、創出される新たな機会を最大限利用できるよう貧困層が適応することに資する。

参考

 貿易と雇用

 貿易と環境

 貿易、イノベーション、成長

 なぜ開かれた市場は重要か・・・保護主義は解決策にならない

 

 

 

 

 

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