国境を越えた高等教育の質保証に関するガイドライン―ユネスコ・OECDの共同プロジェクト―

05/12/2005 - 外国の大学から学位を取得する学生が増加するに伴い、質の低い高等教育サービスからの防御策を講じる必要性が高まっている。この度ユネスコとOECDの連携のもと新たに作成された「国境を越えた高等教育の質保証に関するガイドライン」はこのニーズに応じた枠組みとして位置づけられる。

過去20年間に国境を越えた高等教育の提供は目覚しく増加している。これは留学する学生数の増加のほか、大学教員の流動性の高まりや、外国大学分校、Eラーニングといった新たな形態での国境を越えた高等教育の出現によるものである。このような状況は、個人にとっても、また、社会全体にとっても新たな可能性を提供する一方で、高等教育の質、信頼性、また学位の認証に関して新たな課題をうみだしている。

このような状況に対応してユネスコ及びOECDが連携して作成した今回のガイドラインは各国政府やその他の高等教育の関係者(高等教育機関、学生団体、質保証機関、学位認証機関、職業団体)に対し、次の考え方に基づいた行動をとることを促している。

• 各国間の信頼、高等教育における国際協力が重要であること。
• 高等教育政策に関する各国政府の責任及び各国間の制度の多様性を尊重することが必要であること。
• 高等教育制度は各国の文化的背景、経済的発展や国としての一体感の育成に関する方針に密接に関連するものであることを認識する必要があること。

このガイドラインは学生が外国の高等教育機関(自国内及び外国にあるものを含む。)についての正確な情報へのアクセスを容易にすることを意図している。あわせて、政府や他の関係者に学位の透明性を高め、国際的な学位認証のための手続きの更なる明確化を図るよう呼びかけている。

このようにユネスコとOECDが連携してガイドラインを作成するのは初めての試みである。このガイドラインには法律的な拘束力はないものの、二つの国際機関により承認され、それを通じて190以上の国が参加するという点において非常に重要な意味をもっている。

具体的には次のような行動を促している。

• 政府は国境を越えた高等教育のための包括的な質保証制度を整備すること。その際、国境を越えた高等教育の質保証は高等教育の提供国及び享受国双方の責務であることを認識すること。
• 高等教育機関は、外国で提供する高等教育が国内で提供するものと同等の質であり、かつ受入国側の文化的な背景を考慮したものであることを保証すること。
• 学生団体は、国境を越えた高等教育の質の保証に積極的に参加すること。


[連絡先]
OECD教育局教育研究革新センター(Centre for Educational Research and Innovation)
籾井 (もみい)圭子(keiko.momii@oecd.org;Tel: +33-1-4524-9185)

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