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「租税協力の強化は金融への信認回復を後押し」OECD事務総長

 

15/03/2009 - アンヘル・グリアOECD事務総長は、租税問題に関する透明性と情報交換を強化しようとする主要金融センターの動きは、国際租税協力における重要な前進であるとともに、G20サミットを来月に控え、12年以上に及ぶOECDの活動が強化されていることの歓迎すべき結果である、と述べました。


最近、オーストリア、ルクセンブルグ、スイスが、OECDにより作成された国際的に合意されている情報交換に関する基準を自国の租税条約に採り入れると発表しています。シンガポールと香港は情報交換への国内的な障害を取り除く方針を表明し、アンドラとリヒテンシュタインも同じ方向に踏み出すと表明しています。すでに昨年、米国との二国間租税条約で国際基準を採り入れる方向へと歩み始めていたベルギーも、他の租税条約においても同様のアプローチを採用すると表明しています。


グリア事務総長は「これらの発表は国際租税協力の歴史における根本的変革であり、重要な機会である。各国政府が世界経済危機に対処するために税収を最大化する必要に迫られている中、これは極めて重要な進展である」。

「OECDはこれらの動きを歓迎し、自国の基準を国際的に合意されている基準に合致させようとしているこれらの国々を称賛する。モナコなど他の国・地域が同じ方向へと踏み出す準備をしていることを示す兆候も見られ、こうした兆候が確認されることを期待している」と述べました。

OECDは発表された措置の実施とパフォーマンスの適切な監視の構築に向けてこれらの国・地域と緊密に協力していく方針です。しかし、一部の国は国内法の改正や、既存の租税条約の改定交渉の必要があり、これには時間がかかります。

グリア事務総長はこの点の見通しについてコメントし、「問題は非常に重要なので焦るべきではない。誰もが迅速に事を進めたいと思っているが、それ以上に重要なのは適切に事を進めることである」と述べました。

OECDは加盟30カ国や非加盟国と協力して世界経済のガバナンスに関する健全な政策枠組みを構築しており、租税政策、競争政策、国境を越えた投資、コーポレートガバナンス、腐敗撲滅などの分野で主導的役割を果たしています。租税問題に関する透明性と情報交換という問題に関連したOECDの活動は1996年にスタートし、2008年11月にワシントンDCで開かれたG20サミットで認められました。G20サミットは最終宣言で「透明性の欠如と租税情報交換の不足という問題に精力的に取り組むべきである」と強調しました。


G20サミットでこのプロセスに新たな弾みがついたのち、20以上の新たな租税情報交換協定が署名ないし発表されています。

グリア事務総長は、「現在の危機においては、誠実な納税者に対して税負担が公平に分担されていることを保証することが重要である。租税問題に関する情報交換の改善は、透明性やグローバルガバナンスの改善と金融市場への信認回復に向けたより幅広い検討課題の一部である」と述べています。

2009年4月2日にロンドンで開かれる次回のG20サミット向け準備資料として、OECDは、現時点で透明性と情報交換に関する合意されている国際基準を実施する方向への進展があまり見られない国・地域に関する事実情報を提供しています。

この基準は、OECDがOECD非加盟国と協力して作成し、2004年のG20財務大臣・中央銀行総裁会議と2008年10月の国際租税協力に関する国連専門家委員会により承認されたもので、要請があれば、国内の税務上の要件や租税目的の銀行守秘義務に関係なく、国内税法の運用と執行にかかわるあらゆる租税問題に関して十分に情報交換すべきであると規定しています。

しかし、この基準は交換される情報の機密を保護する広範なセーフガードを規定するとともに、いわゆる「証拠漁り」(fishing expedition)を容認していないので、銀行守秘義務の役割も認めています。

グリア事務総長は、「実際、全ての国が何らかの形の銀行守秘義務を認めており、全ての国が納税者のプライバシー情報を保護する重要性を認識している。この基準を満たしても納税者情報の機密が危険にさらされることはない。この基準は、先進国、途上国双方の税務当局が、税規則を完全かつ公平に適用するために必要な情報を持てるようにするためのものである」と述べています。

 

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